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シニア犬は飲み込む力が衰える?食事環境の見直しと誤嚥性肺炎

2022.03.06
シニア犬は飲み込む力が衰える?食事環境の見直しと誤嚥性肺炎

犬も加齢によって筋力や体力が衰え、今までできていたことが少しずつ困難になっていきます。食べ物を飲み込む力もそのうちの一つです。

高齢になると、食事や水を飲んだ際に、喉に詰まる様子を見せたり吐き出そうとしたりすることが増えます。飲み込みづらくなると、食欲の低下や誤嚥性肺炎を引き起こすなど健康を脅かしかねません。

今回は、シニア犬が食べ物を飲み込みづらくなる理由や、食事環境の見直し方、誤嚥性肺炎の危険性をご紹介します。

この記事の目次

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シニア犬は嚥下(えんげ)能力が低下する

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嚥下(えんげ)とは、口の中で咀嚼した食べ物の塊をごくんと飲み込むことです。

うまく嚥下するためには、食べ物をよく噛んで唾液と混ぜる必要がありますが、高齢になると噛む力や唾液の分泌量が低下するため、飲み込みづらくなってしまうのです。

嚥下能力が低下すると以下のような様子が見られることがあります。

  • ご飯やお水を飲む際に、むせたり吐き出すような仕草をする
  • 口からご飯をこぼす
  • よだれを垂らす
  • 飲み込む動作を繰り返す
  • 食欲が落ち込む

加齢に伴う体の変化は、このように食事中にも現れます。
ひどく症状が見られる場合は、動物病院に相談することをお勧めします。

シニア犬がご飯を飲み込みづらくなる理由

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筋力や唾液の分泌量の低下の他にも、シニア犬がご飯を飲み込みづらくなる理由はさまざまあります。

1. 食事が合っていない

原因のひとつとして、フードがシニア犬の体の状況に合っていないことが挙げられます。
硬いものや大きいもの、ドライフードなど水分の少ないものは飲み込みづらく、ふりかけなど細かなパウダー状のものはむせやすいです。

2. 食事時の体勢が悪い

食べる時の姿勢によって、ご飯が飲み込みづらくなっている可能性があります。
食器を床の高さに置いた場合、前足や首へ負担がかかり飲み込むことが難しくなってしまいます。逆に、高すぎてもむせやすくなってしまいます。

3.脳や神経などの病気

認知症や脳・神経の病気によって、口や舌をうまく動かすことができなくなることがあります。
また、口腔内の病気による痛みで、口を開けたり噛んだりできないことも。

その他の病気による体の機能の低下も、食事の飲み込みに影響することもあります。

シニア犬の食事環境を見直そう

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病気なのか加齢によるものなのか、飼い主さんが原因を見極めることは難しいです。愛犬が飲み込みづらそうにしていたら、まずは動物病院に相談をしましょう。
その上で、以下にご紹介するサポートをご家庭で試してみてください。

1.フードの見直し

大きくて硬いフードをそのまま与えることは避け、水分を含んだ柔らかいフードを与える事をおすすめします。
ドライフードをぬるま湯でふやかしてあげても良いですし、それでも食べにくい場合は、とろみのあるレトルトや缶詰のフードを混ぜてあげると良いでしょう。

また、体温に近い温度の食べ物はむせやすい傾向にあるため、温めたフードは少し冷ましてから与えましょう。

2. 水分に気をつける

シニア犬は喉の渇きを感じにくいため、積極的に水分を飲ませることも大切です。
口腔内の水分が増えることで、食べ物が喉を通りやすくなり、口の中を清潔に保つ役割も期待できます。犬用のスープやミルクなどを与えても良いでしょう。

食事の水分が多すぎると、かえって食べづらくなることもあるため、愛犬の様子を見ながら水分量を調節しましょう。

2.食事時の体勢の見直し

食べ物を胃にスムーズに送るためにも、食べる時の姿勢は大切です。
床の上など低い位置だと、飲み込みづらくなり足腰や首に負担がかかってしまいます。高すぎてもむせる原因になります。
立った状態の胸の位置あたりに食器を置いてあげましょう。

足腰が弱ってしまい立つことが難しいワンちゃんの場合も同様に、フセをした状態の胸の高さに食器を置きます。横になった状態や体がねじれている状態では、食べさせないようにしましょう。

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誤嚥(ごえん)性肺炎に注意

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シニア犬の食事で最も気をつけたいことが誤嚥(ごえん)性肺炎です。
誤嚥性肺炎とは、食べ物や液体が気管に入ってしまう誤嚥をきっかけに、肺に炎症が起きる病気です。

食べ物や水に付着した細菌によって肺が炎症を起こします。また、嘔吐物を誤嚥した場合は胃酸が肺を損傷してしまうため、重症化しやすいです。

ご飯を食べた後やお水を飲んだ後、あるいは嘔吐をした後に誤嚥性肺炎になりやすいです。てんかんや脳腫瘍の持病がある場合は、発作が起きた際に誤嚥が起きることもあります。

誤嚥性肺炎の主な症状

  • 呼吸が荒い
  • 呼吸音が小さい
  • 咳や鼻水が出る
  • ゼーゼー、ヒューヒューという異常な呼吸音
  • 元気消失
  • 食欲低下
  • 発熱

悪化すると、呼吸困難に陥り、舌が青くなるチアノーゼが見られることもあります。
何かおかしいと感じたらすぐに病院に相談しましょう。

シニア犬の誤嚥性肺炎は命に関わることが多いため、誤嚥をさせないよう注意が必要です。

まとめ

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今回は、シニア犬の飲み込む力とシニア犬に適した食事環境についてご紹介しました。
ご飯を食べることは健康の証です。加齢によって食事が飲み込みづらくなることは仕方のないことですが、少しでも楽しく食べてもらうためにもフードや食べる体勢の見直しをしてあげることが大切です。

誤嚥性肺炎を予防するためにも、愛犬がご飯を食べている様子を観察し状況に合った工夫をしてあげましょう。

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