【犬図鑑】似てるようで色々違うビション・フリーゼとボロニーズ

2024.01.22
【犬図鑑】似てるようで色々違うビション・フリーゼとボロニーズ

韓国で人気となったビション・フリーゼ。ここ数年日本でも見かけることが増えたように感じます。フワフワの毛が特徴的でかわいいビション・フリーゼですが、この犬種によく似たボロニーズという犬種をご存知でしょうか。ボロニーズも白いフワフワの毛が特徴の犬種で、ビション・フリーゼと具体的な違いがよくわからない方も多いかもしれません。

今回は、ビション・フリーゼとボロニーズの共通点、異なる点を紹介します。

この記事の目次

異なる原産国と起源

ビション・フリーゼ,ボロニーズ,犬種,小型犬
見た目はよく似ているビション・フリーゼとボロニーズですが、そもそも原産地が異なります。ビション・フリーゼは諸説あるようですが、フランスが原産と言われています。一方のボロニーズはイタリアのボローニャ地方が原産です。

ビション・フリーゼの起源

ビション・フリーゼは、1300年代からフランスでウォータードッグとして活躍してきたバルべ(バーベイ)という犬種とマルチーズなどの白い小型犬を掛け合わせて生まれました。「小さなバルべ」を意味する「barbichon(バービション)」と名付けられ、その後「bichon(ビション)」と短縮されて呼ばれるようになりました。

当時、ビションの系統は「ビション・マルチーズ」「テネリフェ」「ボロニーズ」「ハバニーズ」の4種類に分けられていました。これらのうち、カナリア諸島のテネリフェ島に持ち込まれた「テネリフェ」が、後のビション・フリーゼとほぼ同じ犬種といわれています。

ボロニーズの起源

ボロニーズは、マルチーズやビション・フリーゼと同じビション系を祖先に持ち、イタリアのボローニャ地方で1000年ほど前から飼育されてきた歴史のある犬種です。ただし、ボロニーズの起源は現在も謎に包まれている部分が多いですが、ボロニーズという犬種名は、地名に由来しているとされています。

歴史が長いボロニーズは、ルネッサンス時代にはおしゃれな犬としてイタリアの貴族に愛されており外交にも使われていた記録があります。加えてベルギー王女のマリー・ジョー、ロシアのキャサリン・ザ・グレート、オーストリアの女帝マリア・テレジアなどにも飼育され、古くから多くの貴族たちに愛されていました。

外見で見分けるのは難しい

ビション・フリーゼ,ボロニーズ,犬種,小型犬
ビション・フリーゼもボロニーズも小型犬でフワフワした長毛の巻き毛を持ち、真っ白な毛色のみが認められています。

容姿が似ている2犬種ですが、被毛の構造には違いがあり、ビション・フリーゼはダブルコート、ボロニーズはシングルコートです。体の大きさも似ていますが、標準のサイズにはやや違いが見られます。

犬種 体長 体高 体重
ビション・フリーゼ 30cm未満 24~29cm 5~6kg
ボロニーズ 25~30cm 25~30cm 3~4kg(オスの方がやや大きめ)

外見で見分けるのは難しいかもしれませんが、強いて言えばビション・フリーゼは、体長が体高よりもやや長く、骨格がしっかりしているのが特徴です。ボロニーズは、体高と体長がほぼ同じで正方形の体つきをしている傾向にあります。

性格の傾向は異なる

ビション・フリーゼ,ボロニーズ,犬種,小型犬
ビション・フリーゼは社交的で陽気な性格が特徴です。人懐っこい、他の犬に好意的な興味を示す、遊ぶことが好きな子が多いと言われています。

一方で、ボロニーズはビション・フリーゼに比べてやや控えめで警戒心が強い傾向にありますが、しっかり信頼を築けると愛情深く接してくれます。

注意

これらは2犬種の一般的な性格であり、遺伝や経験により異なる性格的特徴を有する子も多くいます

注意したい2犬種共通の病気

ビション・フリーゼ,ボロニーズ,犬種,小型犬
ビション・フリーゼとボロニーズが注意したい病気は同じものもありますが、被毛の構造が異なることから違う部分もあります。2犬種ともに特に注意したい病気について見ていきます。

膝蓋骨脱臼

小型犬であることから膝蓋骨脱臼(通称:パテラ)になりやすく、注意が必要です。後ろ脚の膝にあるお皿のような膝蓋骨が、正常な位置から内側または外側に外れてしまう症状が見られます。

原因は、先天的に膝関節の骨や周囲の筋肉や靱帯に異常がある場合や、高い所からの落下や滑りやすい環境での生活、肥満などでも発症する可能性があります。

外耳炎

2犬種ともに垂れ耳であり、耳の内部の通気性が悪くなって細菌が繁殖しやすくなることから、外耳炎にかかりやすいとされています。

耳のニオイが強くなったり、耳を頻繁に掻く、頭を頻繁に振るといった行動が見られる場合は動物病院を受診しましょう。

他にも

これらの他にもビション・フリーゼはダブルコートであることから皮膚が蒸れて雑菌が繁殖し、湿疹ができる湿潤性湿疹や、ボロニーズは目が白濁し、視力が低下する白内障にも特に注意が必要です。

日本での飼育頭数

ビション・フリーゼ,ボロニーズ,犬種,小型犬
どちらもヨーロッパが原産の犬種ですが、日本での飼育頭数をジャパンケネルクラブ(JKC)が発表している2022年1月~12月の「犬種別犬籍登録頭数」で比較してみます。

犬種 順位 犬籍登録頭数
ビション・フリーゼ 17位 3,974頭
ボロニーズ 57位 143頭

圧倒的にビション・フリーゼの方がボロニーズよりも飼育頭数が多い結果となりました。ちなみに1位はプードル(トイ・ミニチュア・ミディアム・スタンダード)の83,916頭で、それに比べるとビション・フリーゼもまだまだ少な目であることがわかります。

参考: 一般社団法人ジャパンケネルクラブHPより

まとめ

ビション・フリーゼ,ボロニーズ,犬種,小型犬
ビション・フリーゼとボロニーズはどちらも小型でフワフワした被毛をまとうかわいらしい犬種ですが、起源や性格、注意したい病気にも違う点がいくつかあります。

一般的な2犬種の特徴を紹介してきましたが、同じ犬種でも一頭一頭性格や体型、被毛の状態なども変わってきます。愛犬の個性を尊重し、かかりやすい病気には注意しながら家族として大切に過ごして欲しいと思います。

関連記事

こちらの記事も読まれています

いぬ」の記事をさがす