短い足が印象的なマンチカン。その性格から「犬のよう」だといわれることもあります。猫の人気品種ランキングでは常に上位にいるマンチカンには、一体どのような魅力があるのでしょうか。
今回はマンチカンの歴史や特徴、飼い方のポイントについて解説していきます。
この記事の目次
マンチカンの歴史
マンチカンは1944年にイギリスで初めて報告されたといわれており、遺伝子の突然変異により自然に発生した猫種です。その後、ロシアやアメリカでも短足の猫の存在が知られていましたが、1983年にアメリカで発見された短い足の猫の子どもの足も短く生まれてきました。
遺伝子検査により健康上問題ないことが判明したため、本格的にブリーディングが開始されました。初期には遺伝子的な欠陥や免疫力の弱さが懸念されましたが、足の短い猫がさまざまな場所で見つかり、近親交配のリスクが低下したことから、1995年にはアメリカの猫の血統登録団体に新しい猫種として登録されました。
名前の由来
「マンチカン」という名前は『オズの魔法使い』に登場する、小柄で短足な種族「マンチキン」に由来しています。「マンチキン」には「小柄」「子ども」といった意味があり、少し幼く見えるマンチカンにぴったりな名前と言えるでしょう。
マンチカンの特徴
身体的特徴
マンチカンの体長は60cm程度、体重はオスで3.0〜4.5kg、メスで2.3kg〜3.6kg程度です。足が短いイメージが強い猫種ではあるものの、短足のマンチカンは全体の2割ほどしかおらず、普通の猫と同じくらいの長さの長足や、短足と長足の間の中足の子が多いです。
被毛
マンチカンの被毛の構造はダブルコートで、短毛種と長毛種が存在します。短毛種の抜け毛はあまり気になりませんが、長毛種は密度が高く抜け毛が多いため、毎日のブラッシングが必要です。
毛色や柄はさまざまで、クリーム色や黒、茶色などを1色、または複数の色の毛をもち、バリエーションは大変豊かです。
性格
マンチカンは、犬のような性格をしていると言われるほど甘えん坊で、飼い主のことが大好きです。おだやかで社交性も高く、初めて会う人や猫にも懐きやすいため、多頭飼育に向いている猫種でもあります。
好奇心が旺盛で活発な性格をしており、運動神経も抜群です。
マンチカン立ちとは?
マンチカンは突然立ち上がり、二足で直立不動になることがあります。これを「マンチカン立ち」といい、大変かわいらしくマンチカンファンの間でも人気のポーズです。
では、マンチカンはなぜ二足で立ち上がるのでしょうか。理由は複数考えられます。
- びっくりした
- 周囲を見渡している
- 威嚇している
- 甘えている
- おねだりしている
警戒心の強いマンチカンは、大きな音がしたり想定外のことが起こった時に、びっくりして思わず立ち上がることがあります。また、普段とは違う気配を感じた時に、周囲を見渡すために二足立ちすることもあります。
多くの動物は、威嚇する際に自分を大きく見せようと二足立ちをしますが、マンチカンや他の猫も同様に、二足立ちをすることで自分の存在を大きく見せて威嚇することがあります。
また、甘えたりおねだりしたい時にも、飼い主の気を引くために二足立ちをすることがあります。
マンチカンのかかりやすい病気
マンチカンにはかかりやすい病気がいくつかあります。遺伝的な病気の予防は難しいですが、生活環境の整備や普段のお手入れで予防できるものもあります。
- 多発性嚢胞腎
- 肥大型心筋症
- 骨軟骨異形成症
- 変形性関節症
- 毛球症
- 椎間板ヘルニア
詳しくは以下の記事をご参照ください。
【獣医師監修】手足が短いマンチカンの好発疾患と予防法
https://cheriee.jp/cats/26961/
マンチカンの飼い方のポイント
肥満に注意
マンチカンの短い足で大きな体を支えるのは負担がかかります。肥満にならないように食事の管理をしっかり行い、運動も十分にできる環境を整えてあげましょう。
高い場所が大好きなため、キャットタワーやキャットウォークもおすすめですが、足が短い子には少し低めのタワーを用意してあげましょう。
スキンシップは毎日行う
マンチカンは飼い主に甘えるのが大好きです。どんなに忙しくても毎日スキンシップを取りましょう。撫でたり抱っこしたりするだけでも構いませんが、おもちゃを使って一緒に遊ぶことで運動にもなります。
浴槽の水は必ず抜いておく
猫は暖かい浴室を好む傾向があります。しかし、浴槽にお湯を入れたままにしてしまうと、足の短いマンチカンは浴槽から出られず、溺れてしまう恐れもあるため、浴槽のお湯は必ず捨てましょう。
まとめ
マンチカンは突然変異により生まれた足の短い猫に由来します。遺伝子解析により健康上の問題がないことが判明したため、1995年に登録された比較的新しい猫種です。
短い足が印象的ですが、実際には短足の子は、マンチカンの2割程しかおらず、長足や中足が多くを占めています。被毛の長さや色・柄はさまざまなバリエーションがあります。
特に足が短い子は、肥満になると体への負担が大きいため、食事や運動管理はしっかり行いましょう。飼い主とのスキンシップも大好きなため、一緒に遊びながら運動を取り入れていくことをおすすめします。