ペットを飼っていると、その最期の時を想像することもあると思います。なるべく長生きしてほしいと考えるのは当然ですが、亡くなってしまったあとのことを事前に考えられているでしょうか。
庭に埋める土葬、自治体による火葬、セレモニーホールや寺院での火葬など、その選択肢はさまざまです。ペットの死に気が動転してしまい後悔が残らないように、事前に家族で相談しておくことをおすすめします。
今回はさまざまな方法の中でも、寺院での葬儀や供養について解説し、東京都内で葬儀や供養ができる寺院をご紹介します。
この記事の目次
ペットの遺体の扱い
人間の場合は、「墓地、埋葬等に関する法律」により火葬や埋葬の仕方は法律により定められています。しかし、ペットにはそのような法律はなく、どのように葬儀・供養をするかは飼い主次第です。
今までは自宅の庭に埋める土葬が主流であったものの、売却や譲渡によりその土地が他人の手に渡る可能性があることや、マンションなどの住宅事情によりそもそも自宅で土葬ができないなどの理由から、火葬する家庭が多くなりました。
火葬は、自治体やペット専用のセレモニーホール、寺院などで行うことができます。今回はその中でも、寺院での火葬や供養について詳しく見ていきます。
寺院での供養とは
ペットの火葬は、立ち会い、個別一任、合同などの種類があり、値段や立ち合える工程が異なります。寺院により細かい部分は異なりますので、依頼する際はよく確認することが大切です。
立ち会い火葬
多くの飼い主が行うのが、立ち合い火葬です。
人間の葬儀と同じように、寺院もしくは提携業者の火葬場に行って、ペットをお見送りしてから火葬を行います。火葬後の遺骨も、人間を火葬した時と同じように家族でお骨拾いをします。そして、その後は遺骨を持ち帰るか、霊園や納骨堂に納骨します。
個別一任火葬
飼い主の立ち会いはなく、葬儀、火葬後のお骨拾い骨壷への収納、お墓や納骨堂への納骨を全て寺院に任せるプランです。希望によって、ペットの遺骨を持ち帰ることも可能です。寺院によっては別料金になることもあるため、どこまでプランに含まれているか事前によく確認しておきましょう。
合同火葬
他のペットの遺骸と一緒に火葬してもらい、園内の合同納骨所に納骨されます。
費用は個別葬より安く抑えられますが、遺骨の判別が困難になるため、返骨はできません。しかし、ペットが一人で寂しくないようにという理由で合同火葬を選択する人も少なくありません。
東京都の葬儀や供養ができる寺院
今回は、東京都の葬儀や供養ができる寺院を紹介します。立地だけでなく、プランの内容や金額も把握しておくと良いでしょう。
深大寺動物霊園
深大寺動物霊園は、深大寺そばで有名な深大寺の境内に位置しています。開園した1962年には、南極観測隊に同行した22匹のカラフト犬の慰霊祭と納骨が行われました。
深大寺動物霊園では、東京、神奈川、埼玉、千葉、山梨のかなり広い範囲でペットの送迎を無料で行ってくれます。また、事前相談や24時間対応の電話での相談も可能なのも心強い点です。
深大寺動物霊園
東京都調布市深大寺元町5-11-3
https://www.musashinokk.co.jp/tomonokai/
慈恵院附属多摩犬猫霊園
慈恵院附属多摩犬猫霊園は日本最大級のペット霊園として100年以上の歴史があります。府中市に本山、足立区に別院がありますが、足立別院では土日祝日のみの受付であったり、個別供養は予約制であったりと制限があります。しかし、府中本山で火葬したお骨は、3回忌までの2年間、足立別院の納骨堂を無料で利用可能です。
なお、ペットの他にもぬいぐるみや人形の供養も行っています。
慈恵院附属多摩犬猫霊園
府中本山:東京都府中市浅間町2-15-1
足立別院:東京都足立区加平1-14-3
https://www.jikeiin.jp/flow/
龍泉寺ペット霊園
龍泉寺ペット霊園は杉並区に位置しています。霊園内に火葬施設はないため、業者の火葬施設または火葬車にて僧侶が読経をあげます。火葬車が入れる場所であれば自宅近くの火葬も可能なため、お寺まで行くのが大変な家族がいる場合もおすすめです。
もちろん、お寺で葬儀を行い、業者により火葬することも可能です。
龍泉寺ペット霊園
東京都杉並区下高井戸2-21-2
https://kuyou.pet/
感応寺
感応寺は世田谷区に位置する小さな寺院で、境内に世田谷ペット斎場があります。
プランは3種類あり、料金はペットの体重によって決められています。49日や回忌法要は、時勢に合わせたWeb法要も可能なため、家族が遠方にいる場合はありがたいですね。
感応寺
東京都世田谷区上馬4-30-1
https://www.kannouji.com/
世田谷妙法寺 大蔵動物霊園
世田谷区の妙法寺にある大蔵動物霊園は、“人とペット”のよりよい最後の関係づくりを目標として、葬儀や供養を行ってくれます。
料金はプランやペットの種類により細かく決められており、わかりやすく安心です。霊安室で1週間から10日ほどの預かりも可能であるため、家族が揃ってしっかり送り出すことができます。
世田谷妙法寺 大蔵動物霊園
東京都世田谷区大蔵5-11-8
http://www.ookura-ac.jp/
火葬の仕方を決める際のポイント
あとになって「ああしておけばよかった」とならないように、どこでお願いし、どのようなオプションを選択するのかを、あらかじめ考えておきましょう。
- 送迎は可能か、いくらかかるのか
- お骨を返してもらえるのか
- 火葬場が寺院内にあるか
- 棺に思い出の品を入れられるか
- 分骨は可能か
また、お寺で火葬する際に気になるのが宗派ですが、多くの場合、ペットの供養を行う場所は人と区別されており無宗教とするところが多いです。しかし、やはり読経などはそのお寺の宗派がベースになっているため、気になる方はあらかじめ調べておいた方が良いでしょう。
最期に
命あるものはかならず死が訪れます。それはとても悲しいことですが、後悔することのないように送り出すことも大切です。
お見送り方は人それぞれです。時間やお金をかければいいというわけでもなく、家族がしっかりとその死を受け入れられる方法を話し合っておきましょう。
寺院で供養可能なところは意外にも少なくありません。由緒あるところにお願いしたいと考える場合は、お住まいの地域で検索してみてください。