動物愛護法で定められているペットの8週齢規制をご存じですか?
人間と同様、子犬や子猫にとっても、母親やきょうだいと過ごす時間はとても重要です。健康な身体と健全な精神を育むためにも、幼いうちに親元から引き離さないほうが良いというのは、直感的にも理解しやすいのではないでしょうか。
この記事では、ペットの8週齢規制の内容と、私たちにできることを解説していきます。
この記事の目次
ペットの8週齢規制とは?

8週齢規制とは、生後56日(8週齢)を経過しない子犬や子猫の販売を禁止する規定です。2021年6月から施行され、子犬・子猫を早く親元から引き離して売ることができなくなりました。
ただし、天然記念物に指定されている日本犬6種(秋田犬・甲斐犬・紀州犬・柴犬・北海道犬・四国犬)には特例があり、これらを専門に繁殖する業者が飼い主へ直接販売する場合に限り、生後49日(7週齢)が適用されます。
子犬や子猫が生後56日まで母親やきょうだいと過ごすことには、心身の健やかな成長を支える大切な意味があります。欧米のペット先進国でも幼齢のうちに早く引き離さないための規制が設けられており、日本もようやくその水準に近づいたといえるでしょう。
なぜ8週齢なのか?

生後間もない時期を母親やきょうだいと過ごすことには、身体面で大きな意味があります。
その代表が免疫です。母乳には、病原菌から身体を守る免疫力を高める働きがあります。すぐに親元から引き離すよりも、母乳をもらいながら幼い時期を過ごすことで、感染症にかかりにくくなるなど、その後の健康状態に良い影響が期待できるのです。
また、この時期は離乳して自分で食べられるようになる過程でもあり、心身の発達にとって重要な期間です。
さらに、母親やきょうだいと一緒に過ごすなかで、子犬や子猫は社会性の土台を育んでいきます。こうした成長の機会を十分に確保するうえでも、8週齢はあくまで最低限の基準だといえるでしょう。
社会化にも欠かせない期間

「社会化」という言葉を聞いたことはありますか?ここでは、犬の社会化について解説していきます。ざっとまとめると、以下のようになります。
- 社会化期は生後3週〜13週齢ごろとされる
- 社会化を通じて、人間の生活環境に慣らすことができる
- 犬にも人にもストレスがかかりにくくなる
この社会化に適した時期が、実は8週齢規制の期間と重なっていることに気づくのではないでしょうか。
生まれてしばらくは、親やきょうだいと過ごし、ほかの犬と一緒に生活するなかで、噛む力の加減やふれあい方といった犬社会のルールを身につけていきます。その後、人間のもとに引き取られ、人間社会での過ごし方を学んでいくのです。
反対に、この時期を待たずに早く引き離されると、十分な社会化ができず、恐怖心や警戒心が強くなる傾向が指摘されています。犬の問題行動の背景には、遺伝や育つ環境などさまざまな要因がかかわりますが、早すぎる引き離しもその一つと考えられているのです。
だからこそ、この時期に親やきょうだいと過ごして社会性を育むことが、その後の人との暮らしをより良いものにし、犬自身が安心して穏やかに過ごすことにもつながります。
社会化については、以下の記事でも取り上げていますので、興味のある方はご覧ください。
https://cheriee.jp/articles/1721/
https://cheriee.jp/articles/1905/
子犬・子猫を迎えるときに確認したいこと

ペットショップやブリーダーから子犬・子猫を迎えるときは、いくつか確認しておきたいポイントがあります。
- 生年月日を確認する:生後56日を過ぎているか、いつ生まれた子なのかを尋ねてみましょう
- 親やきょうだい、飼育環境を見せてもらう:どのような環境で育ったかを実際に見ることで、健康状態や育ち方を知る手がかりになります
- 説明が丁寧かどうかを見る:質問にきちんと答えてくれるか、健康や飼い方について十分に説明してくれるかも、信頼できる店・ブリーダーを見分ける目安になります
法律で義務化された現在でも、一部の悪質な業者による出生日の偽装が指摘されており、表示された日齢を鵜呑みにできない場合もあります。気になる点があれば遠慮せずに質問し、納得したうえで迎えることが大切です。
迎えたあとに後悔しないためにも、そして子犬・子猫が健やかに育つためにも、迎える側がしっかりと目を持つことが、その子との幸せな暮らしの第一歩になります。
まとめ

8週齢規制は、子犬や子猫が心身ともに健やかに育つために設けられた、大切なルールです。生後56日まで母親やきょうだいと過ごすことで、免疫を獲得し、社会性を身につけ、その後の人との暮らしの土台がつくられていきます。
法律として完全に施行された今も、十分に理解されているとはいえず、一部では守られていない実態が残っています。だからこそ、迎える側である私たちが正しい知識を持つことが大切です。
一人ひとりの飼い主が関心を持ち、納得したうえで子犬・子猫を迎えること。その積み重ねが、ペットをめぐる環境をより良いものへと変えていく力になります。
これから家族を迎えようとしている方は、ぜひこの8週齢規制を心にとめておいてください。

































