イタリアの歴史が見える!イタリア起源の犬種7選。

2024.09.26
イタリアの歴史が見える!イタリア起源の犬種7選。

古くは紀元前の時代から、イタリア人の生活には常に犬が寄り添ってきました。犬たちはイタリアの文化や芸術の中で多くの場面に登場し、人々の暮らしと切り離せない存在として重要な役割を果たしています。

イタリアの歴史と同様に、イタリア原産の犬種も非常に深い歴史を持ち、知れば知るほどその魅力を感じられます。今回は、イタリアが起源の7犬種とその歴史を紹介します。

この記事の目次

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ボロニーズ

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  • 体高:オス27~30cm/メス5~28cm
  • 体重:2.5~4kg

ボロニーズという名前は、この犬種の原産地であるイタリア北部の都市ボローニャに由来しています。その起源は明らかになっていませんが、フランス原産のビション・フリーゼや、中央地中海沿岸地域原産のマルチーズと共通の祖先を持つと考えられています。

スペイン国王フェリペ2世(在位:1556年~1598年)は、貴族から贈り物として2頭のボロニーズを受け取り、その感謝の意として「この2頭の小さな犬は、人々が皇帝に贈ることのできる最高の贈り物だ」と記した礼状を送ったと伝えられています。

また、15世紀以降、ティツィアーノ、ブリューゲル、ゴヤといった画家たちの絵画にも、ボロニーズが描かれています。

イタリアン・コルソ・ドッグ

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  • 体高:オス64~68cm/メス60~64cm
  • 体重:オス45~50kg/メス40~45kg

イタリアン・コルソ・ドッグの歴史は古代ローマにまで遡ります。ローマ軍はこの犬の祖先を戦地から持ち帰り、自国で繁殖させました。その結果、イタリアン・コルソ・ドッグとナポリタン・マスティフという2つの犬種が誕生し、軍用犬として活躍しました。

やがてローマ帝国が滅亡すると、イタリアン・コルソ・ドッグは活躍の場を農場へ移し、家や家畜の警備、害獣の追い払い、重い荷車の牽引などに従事しました。しかし、農業形態の変化や世界大戦の影響を受けイタリアン・コルソ・ドッグは急激に減少し、19世紀半ばには絶滅の危機に瀕しています。

その後、多くの人々の努力によってイタリアン・コルソ・ドッグは復活し、1996年にはFCI(国際畜犬連盟)によって犬種として公認されました。

イタリアン・コルソ・ドッグは、「カネ・コルソ」や「イタリアン・マスティフ」とも呼ばれます。犬種名は「農家の保護や守護をする者」を意味するラテン語の「cohors」に由来しています。

ロマーニャ・ウォーター・ドッグ

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  • 体高:オス43~48cm/メス41~46cm
  • 体重:オス13~16kg/メス11~14kg

ロマーニャ・ウォーター・ドッグは、イタリア語でこの犬種を指す「ラゴット・ロマニョーロ」や略称の「ラゴット」などとも呼ばれることがあります。

この犬種の起源はルネサンス期(14世紀~16世紀)のイタリアに遡り、北イタリアの広大な湿地帯で水鳥回収犬として活躍していましたが、20世紀初頭に湿地帯が干拓され、アヒルの生息地が失われると、このレトリーバー犬種の需要は減少しました。

しかし、現代では、その卓越した嗅覚を活かし、トリュフ探索犬としてその能力を発揮しています。

イタリアン・グレーハウンド

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  • 体高:オス、メス共に32~38cm
  • 体重:オス、メス共に5kg以下

イタリアン・グレーハウンドの祖先は、古代エジプトのファラオの宮殿で飼われていた犬にまで遡ると言われています。現存する多くの食器や花瓶に描かれた絵柄から、この犬種がエジプトからギリシャを経て、紀元前5世紀頃にイタリアに到達したと推測されています。

イタリアン・グレーハウンドが最も広まったのはルネサンス期の貴族の宮廷で、その優美な姿は当時の多くの絵画に描かれています。その美しさから、イングランド王ジェームズ1世、プロイセン国王フリードリヒ2世、ロシアのエカチェリーナ2世、イギリスのヴィクトリア女王など、ヨーロッパ諸国の王族たちにも愛されました

ベルガマスコ・シェパード・ドッグ

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  • 体高:オス60cm/メス56cm
  • 体重:オス32~38kg/メス26~32kg

ベルガマスコ・シェパード・ドッグは、アルプスのふもとで古くから飼育されていたとされ、羊の飼育が盛んだったベルガモ地方を原産とする犬種です。

この犬種は丈夫な体と厚く特殊な被毛を持ち、アルプスの岩だらけの斜面で羊を追い守るのに適しています。また、この被毛は山地の厳しい寒さや、羊を狙うオオカミなどの捕食者から身を守る役割も果たします。

ベルガマスコ・シェパード・ドッグは、イタリアの有名な画家ロレンツォ・ロット(約1480年~1557年)のものとされる絵画にも描かれており、その起源を裏付ける証拠となっています。

マレンマ・シープドッグ

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  • 体高:オス65~73cm/メス60~68cm
  • 体重:オス35~45kg/メス30~40kg

マレンマ・シープドッグの祖先である北イタリアの白い牧羊犬については、紀元前100年頃にはローマの作家によってその存在が言及されています。現在でも牧羊が盛んなアブルッツォ地方の牧羊犬とマレンマ地方の牧羊犬が基になり、この犬種が生まれたと考えられています。

また、マレンマ・シープドッグは、フランスのグレート・ピレニーズやハンガリーのクーバースなど、似た容姿を持つ牧羊犬の源流とも言われています。

この犬種は古くから羊などの家畜を護衛し、牧場を守る番犬として活躍しており、イタリアでは今もその本来の役割を果たしています。

ヴォルピーノ・イタリアーノ

  • 体高:27cm~30cm
  • 体重:オス5~7kg/メス4~5kg

ヴォルピーノ・イタリアーノは、「イタリアン・スピッツ」や「イタリアン・ヴォルピーノ」とも呼ばれています。名前に含まれる「ヴォルピーノ」は、イタリア語で「小さなキツネ」を意味します。

その起源は定かではありませんが、ミケーネ文明(前16世紀~前12世紀)の壺には、ヴォルピーノ・イタリアーノに似た犬が描かれています。イタリアでは古くから、貴族の宮殿や庶民の家で愛玩犬や番犬として飼育されてきました。

特にトスカーナ地方の農村では、侵入者を知らせる「アラーム・ドッグ」として活躍していました。ヴォルピーノ・イタリアーノは、侵入者を見つけると吠えて警告し、飼い主がその侵入者を追い払う際には、イタリアン・コルソ・ドッグのような大型犬と協力して、チームプレーで農場や飼い主を守っていたとされています。

しかし、その後個体数が減少し、1965年頃には絶滅の危機に瀕しました。1984年にイタリア・ケネルクラブが復興プロジェクトを開始し、徐々に個体数が増加しましたが、完全には復活しておらず、現在も希少犬種として扱われています。

まとめ

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今回は、イタリア原産の7つの犬種をご紹介しました。中には初めて知った犬種もあったのではないでしょうか。

イタリア原産の犬種は、大型犬から小型犬までさまざまな役割を担っており、バラエティに富んでいます。また、古い歴史を持つ犬や、絵画などに描かれ、その歴史が伺える犬種が多いのも、イタリアならではの特徴かもしれません。

今後も彼らの魅力に触れながら、犬種の多様性と奥深さを楽しんでいただければ幸いです。

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