もし、猫の妊娠から出産までの知識がなければ、猫が妊娠をした際にびっくりして慌ててしまいます。今回は、猫の出産タイムスケジュールを添えて、妊娠から出産までの道のりをご紹介します。
注意
いくら可愛い子だからと言って、自分で繁殖させることはオススメできません。多頭飼育崩壊は、このような無計画な繁殖により、どんどん頭数が増えてしまい、最後は自分では面倒が見きれなくなり、保護活動を行っている方のお世話になっているケースがほとんどです。あくまで知識として、知って頂くための記事であり、繁殖をススメている記事ではないことをご理解ください。
この記事の目次
受精
猫は生後6ヶ月から1年で妊娠することができます。つまり、メス猫は生まれて半年でお母さんになることができます。
猫の6ヶ月は、人間の年齢に換算するとおよそ9歳にあたります。すこし早い気がしますよね。
しかし、猫は人間に比べて成熟速度が早いので、生後半年で妊娠することは可能です。
いつまで妊娠できるの?
猫に閉経はないので、シニア猫でも妊娠は可能です。猫の年齢で10歳は人間の年齢の50代後半にあたりますが、それでも妊娠して出産することはできます。
人間の場合、高齢出産となると死産や母体への負担が大きいことは知られていますが、猫は、シニア猫になっても出産できるそうです。
しかし、それでも若い猫に比べるとリスクはあるので、シニア猫になっての出産はさせないほうが良いでしょう。
受精の時期
基本的に猫の妊娠は発情期が重要な役割を果たしています。猫の発情期とは、春と秋の年2回起こる排卵期のことで、交尾して妊娠可能な時期のことです。
発情期に妊娠可能なため、年に2回出産することが可能です。一回の出産でおよそ4匹の子供を産みます。ですから、年間でだいたい8匹の子猫を出産します。
猫の妊娠期間は、約2ヶ月です。受精からおよそ9週間から10週間で出産します。
妊娠初期
猫の妊娠初期は、特に目立った変化が見られないことが多いです。しかし、妊娠の最初の2週間は、吐き気を催し、食欲が落ちることがあります。
普段与えている食事を残すようでしたら、じっくりと観察する必要があります。
妊娠中期
妊娠中期に入ると、食欲不振から一転して、食欲旺盛になり、体重が増え始めます。これは出産する準備を始めたことでもあります。
また中期には、乳首がピンク色に変わり、サイズも大きくなります。これは“ピンキングアップ”と呼ばれる変化のことで、妊娠している母体にしか現れない現象です。
普段は乳首は体毛で隠れていますが、“ピンキングアップ”は乳首が大きく膨らむ現象なので、探さなくても肉眼でわかります。この“ピンキングアップ”が見られたら、妊娠は確実です。
乳首が大きくなるだけでなく、この頃からお腹も大きくなってきます。食欲が旺盛になり、体重が増え、全体的に体はふっくらとしてきますが、特にお腹の周辺が異常に膨らんできます。
それもそのはず。猫は一回の妊娠で4匹出産することができるので、体に4匹の子猫を身ごもることになります。
出産準備
およそ出産1週間前から出産準備が始まります。落ち着きつきがなくなったり、鳴くことが多くなりますが、静かに見守ってあげましょう。
この時期になると、自分の出産場所や子猫のための巣を作るために、暖かくて安全な場所を探し始めます。また、出産の2日前になると食事を摂るのをやめます。
出産
出産の兆候はとても簡単にわかります。猫は性器周辺を舐めるようになります。
猫が性器を舐め始めて約1時間後に最初の子猫の出産をします。そして15分から20分ごとに他の子猫が誕生します。
すべての子猫の出産が終わったあと、親猫は子猫のお世話をします。親猫は生まれたての子猫を舐めたり、自分の胎盤を食べたりします。ごく自然の動物の行動ですので、飼い主さんは安心して見守ってください。
飼い主さんがすべきこと
飼い猫が出産ともなれば、飼い主さんも心配で仕方がないですよね。しかし、基本的に飼い主さんは何もしなくて良いです。むしろ手を出さないようにしましょう。
これは、動物によく見られる現象なのですが、妊娠中もしくは出産後の親猫はとても敏感になり、攻撃的になります。これは、子猫を敵から守るための行動です。
いくら飼い主さんでも、出産したばかりの子猫に手を出そうとすると攻撃される危険があります。
また、逆の現象なのですが、飼い主さんが生まれたばかりの子猫に手を出すと、親猫が育児放棄をしてしまうケースもあります。
ですから、妊娠中や出産後は静かに見守ってあげる程度にしましょう。
慌てないで!見守るだけで十分
少々心配ですが、猫は比較的安産が多いと言われています。我が子が出産する気持ちで、温かく見守ってあげましょう。
このように、猫は繁殖能力が比較的高い生き物です。冒頭でも述べた通り、無計画な繁殖は、すぐに多くの悲しい命を生むことになります。一般の飼い主さんが飼育する場合は、やはり去勢・避妊手術を受けさせることが、保護活動の面からも一番良いでしょう。
それでも、野良猫ちゃんや保護した猫ちゃんが妊娠しているということもあり得るでしょう。また、繁殖能力の高さを知る機会としても良いでしょう。そんな時に、この記事が参考になれば幸いです。