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ねこ健康

【獣医師監修】猫の呼吸がいつもと違う!呼吸困難を起こす病気とは?

相澤 啓介
相澤 啓介 獣医師

猫を飼っているみなさんは、猫が苦しそうに呼吸をする様子を見たことがある、あるいは、これから見ることがあるかもしれません。
生物にとって呼吸は、生命維持に直結します。呼吸が苦しいと、例え死に至らないとしても、生活の質(QOL)が著しく低下してしまいます。

猫での呼吸困難は意外と遭遇することが多い臨床徴候です。
自宅で苦しそうな愛猫を見た時に、慌てないようにしておきましょう。

今回は、猫の呼吸困難について、獣医師が詳しく解説します。

そもそも呼吸困難とは

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「呼吸困難」と聞くと、おそらく窒息を想像する方が多いでしょう。

しかし臨床的に呼吸困難とは、息苦しい状態、呼吸がしにくい状態を指します。

普段よりも呼吸が荒い、胸を上下させて呼吸をしているのは立派な呼吸困難です。

猫の開口呼吸は要注意

猫の場合、口を開けて呼吸をしていたら、それは異常です
猫は犬とは異なり、パンティング(口を開けて「ハッハッ」と呼吸する様子)による体温調節を行いません。

強い興奮などの思い当たる節がない限り、すぐに動物病院を受診した方がいいでしょう。

また、その際に舌の色を確認してみてください。酸素が足りていない時には、舌は青くなっています

猫の呼吸困難で受診した際に動物病院で聞かれること

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呼吸と生命活動は密接に関係しているため、異常があるならできる限り速やかにそれを除去する必要があります。
検査も行いますが、動物に無理なストレスや負担をかけないためにも、問診は重要となります。

また、呼吸困難に陥っている猫を前にして、ゆっくり近況を聴取している時間はないかもしれません。
予め何を説明すべきかを把握しておきましょう。

  • いつから: 急に起こったのか、起こりやすい時間帯、週にどのくらいの頻度かなど
  • 呼吸数: 安静時における1分間の呼吸数
  • 開口呼吸の有無

呼吸数は、リラックスした状態のものを測定します。
15秒間に何回胸が上下するかを数え、4倍して1分間の呼吸数を算出します。

ただし、急に呼吸が荒くなったり、開口呼吸が起きたら、呼吸数測定の前にすぐに動物病院を受診してください

考えられる疾患

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これから紹介する疾患は、いずれも怖いものばかりです。
愛猫に呼吸困難が起きた時に、これらの疾患のことを考える余裕はないかもしれません。

しかし、飼い主さんが前もって病気の知識を有しているかいないかで、対応に差が生まれるかもしれません。

鼻腔内腫瘍

鼻から入った空気の通り道である鼻腔に腫瘍が発生すると、空気の通過が障害されます。
肺での酸素交換ではなく、物理的に呼吸がしにくくなるパターンです。

一般的に鼻腔内腫瘍による呼吸困難は、腫瘍がある程度大きくならないと認められません
その前に鼻汁や鼻出血などが見られることが多いため、特に中高齢の猫では見逃さないようにしたいですね。

鼻咽頭ポリープ

特に若齢の猫で、鼻咽頭にポリープができることがあります。
このポリープの位置や大きさによっては咳や呼吸困難、いびき、くしゃみなどが症状として見られます。

また、鼻咽頭は耳道にも繋がっているため、内耳炎や中耳炎が波及することもあります。

気管の管外性圧迫

甲状腺やなどの気管に近い臓器に腫瘍が発生した場合、腫瘍が大きくなるにつれて気管を圧迫します。
腫瘍の大きさによって症状が現れます。

気管内異物、食道内異物

何かを飲み込んだ時にそれが気管内に入り込んでしまう、または食道にへばりついてしまうことがあります。
すると、猫は急いで飲み込んだものを吐き出そうとするため、呼吸がおかしくなります。

何回かの咳や嘔吐の仕草で異物が出てくればよいのですが、中々出てこないこともあります。
異物が大きく、気道が完全に閉塞していると非常に危険です。

また、異物が小さくても食道内異物の場合には、異物の慢性的な刺激のために食道壁が大きなダメージを受けます。
食道壁の細胞は、受けた損傷が回復しにくいため、異物は速やかに取り除かなくてはなりません。

猫喘息

猫でよく見られる、慢性的な気管支炎症状を呈する疾患です。
気道への慢性的な刺激は気道を肥厚させ、さらに気管支の筋肉を収縮させて空気の通り道を狭くします。

また、痰などの粘液性分泌物の産生によっても、空気は通過しにくくなります。
咳の症状が付帯することが多いため、そこに気付いて早期治療を行うことが大切です。

肺腫瘍

肺の原発腫瘍、または他臓器からの転移によって肺に腫瘍ができると咳や呼吸困難が見られるようになります。

酸素などのガス交換を行うため、肺は血管が多い臓器です。
そのため、肺は他の臓器からの腫瘍が血流に乗って転移しやすいと言われています。

肺炎

ウイルスや細菌などの微生物やアレルギー、誤嚥などによって肺に炎症が起きている状態です。

ヒトでも、風邪から肺炎に罹ると危険だというように、猫でも肺炎は危険です。
大抵は、肺炎が診断されると入院での治療が必要になります。

胸水症

うっ血性心不全、低蛋白血症、胸腔内の腫瘍病変などによって胸腔内に液体が貯留している状態です。

液体によって肺は圧迫を受け、膨らみにくくなります。
その結果、呼吸が妨げられ、呼吸数の増加や咳の症状が見られるようになります。

猫伝染性腹膜炎(FIP)

猫コロナウイルスによって引き起こされる感染症で、治療法は確立されていません。
胸水や腹水の貯留が症状として見られる場合があり、その時は呼吸が荒くなります。

また他にも発熱、嘔吐、下痢、黄疸、ぶどう膜炎などが確認できます。
ワクチンもないため、他の猫との接触を避けることが一番の予防となります。

横隔膜ヘルニア

胸腔と腹腔を隔てている横隔膜に穴が開き、腹腔内臓器(肝臓や腸管など)が胸腔に移動することがあります。

横隔膜の穴は、生まれつき開いている場合もあれば、事故などの外傷で後天的に開く場合もあります。
移動してきた腹腔内臓器に肺が圧迫され、呼吸困難を引き起こすことがあります。

猫の呼吸困難は早めの受診が大事

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猫の呼吸困難はほとんどが緊急の処置を必要とします。
動物病院に付いた段階で開口呼吸が見られた場合には、すぐに酸素を吸入させます。

苦しい時間を長引かせないためにも、開口呼吸および呼吸困難を見つけた場合には、速やかに動物病院に連れていきましょう

まとめ

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呼吸器の異常が主ですが、その中でも猫に呼吸困難を引き起こす原因は多くあります。
特に基礎疾患を持っている子では、日頃から健康の観察をしていきましょう。

愛猫に突然呼吸困難が現れたら、パニックになってしまうかもしれません。前もって猫の呼吸困難に関する知識をもっておくことで、いざという時に適切な対応ができるようにしましょう。

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