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コラム

あなたは大丈夫?知らない間に「ペットハラスメント」していませんか?

和田 千智 シェリー編集部

みなさんは「ペットハラスメント」という言葉を聞いたことはありますか?

「パワハラ」や「セクハラ」といった○○ハラスメントという言葉が広く認知されるようになりましたが、中にはあまり聞きなれない名前のハラスメントもあるかもしれません。

今回は、ペットを飼っている人に特に知ってもらいたい「ペットハラスメント」についてご紹介いたします。

ペットハラスメントとは


「ハラスメント」とは、いろいろな場面での「嫌がらせ、いじめ」のことです。

ペットハラスメントには大きく分類すると、以下の2種類があります。

  1. 他者へのペットを通してのハラスメント
  2. ペットに対してのハラスメント

一般的には前者を指す場合も多いようですが、後者も広義の意味でペットハラスメントに含まれると言われています。

他者へのペットハラスメント

ペットを飼っている人の中には、無意識のうちに「みんなペットを好きに違いない」という考えや、「うちの子なら大丈夫」という気持ちになってしまうことがあります。

しかしこの世の中には、どうしても動物が苦手な人や、過去にトラウマがあって見ることも触ることも辛い人など、さまざまな人がいます。ペットを通して、動物が苦手な人やそうでない人であっても周りの人にとって迷惑になるような行為はすべて「ペットハラスメント」に当たります

例えば、あなたは以下のような行為をしていませんか?
「私は十分に気をつけているから大丈夫!」と思っていても、もう一度確認してみましょう。

他者へのペットハラスメント① 長すぎるリード、ノーリードで散歩

犬が怖いと感じる人は、散歩中の犬のリードが長すぎたり、ノーリードで歩いていたりすると、「自分に襲いかかってくるのではないか」と不安になります。

犬を自由に歩かせたい気持ちはわかりますが、リードを離すのはドッグランなど犬が自由に走り回っても良いところだけにし、散歩中はしっかりとリードをつけましょう

他者へのペットハラスメント② トイレマナーを怠る

お散歩中、ペットの排泄物を持って帰らなかったり、おしっこをそのままにしておいては、他の人が嫌な気分になります。時にはご近所とトラブルになることも。

私はきちんと水で流しているから大丈夫だと思っていても、実はそれだけでは足りないケースもあります。そもそもペットに外で排泄させること自体、都市部ではNGとされるようになってきています。

犬の散歩中のトイレマナーについては、さまざまな意見があります。詳しくは以下の記事をご参照ください。

犬の外トイレはアリ?ナシ?人間と犬の共生社会を考える

他者へのペットハラスメント③ 他者に向かって吠えさせる

ご近所さんとの問題にもなりやすいのが騒音トラブル。大きな音が苦手な人や、犬を飼ったことのない人は嫌な思いをしているかもしれません。

吠えは、なくすことが難しい面もありますが、しつけによって改善できる可能性も高いです。幼い頃からしつけを行い、それでも無駄吠えがなくならない場合にはしつけ教室に通ったり、ドッグトレーナーに相談するのも一つの手でしょう。

他者へのペットハラスメント④ 他者に飛びつかせる

特にペットが苦手な人にとっては、ペットに飛びつかれることはものすごく恐怖を感じます。ペットにしてみれば、はしゃいでいるだけかもしれませんが、相手の人は怖い思いをしているかもしれません。

愛犬の様子を注意深く見ながら、相手に飛びつかないように飼い主さんが制御しましょう。

他者へのペットハラスメント⑤ 野良犬・野良猫への餌付け

野良犬や野良猫に餌をあげることもハラスメントになります。糞尿による被害もありますが、そこヘまた多くの野良犬・猫が集まってきてしまったり、繁殖しすぎてしまうなど、徐々に地域の深刻な問題へと発展していく可能性があります。

かわいそうだという気持ちはわかりますが、野良犬や野良猫を発見したら、餌をあげるのではなく、まずは近くの愛護団体や獣医師に相談してみましょう。

ペットへのハラスメント


ペットへのハラスメントは、ペットに対して飼い主が行うべき責任を果たさず、ペットが不健康になったり、ストレスを受けたりすることをいいます。ペットへの暴力などもペットハラスメントに含みますが、無意識にやってしまっているかもしれないペットハラスメントもあります。

ペットへのハラスメント① ごはんをあげない/あげすぎる

ペットにごはんを与えなかったり、栄養バランスを考えずに偏った食事を与えたりと、ペットの健康管理を怠ることはハラスメントにあたります。

逆に、ペットがかわいいからといって食べ物をあげすぎても肥満の原因になるためよくありません。同様に、お饅頭やケーキをあげてみたり、味の付いたお菓子を与えることも危険です。

飼い主さんが責任を持って、ペットの健康管理をしてあげる必要があります。

ペットへのハラスメント② 運動、散歩を十分にさせない

ペットも、人間と同じように運動をしなければ不健康になってしまいます。ペットによって、またそれぞれの種類によっても、適切な運動量は異なります。

例えば、大型犬の散歩ですと、一般的には「1日2回、1回あたり30~60分ほど」の散歩が必要と言われています。

このように、必要な運動をさせてあげることができず、「忙しくて散歩に行く時間はないから」「部屋で自分で動いているから大丈夫でしょ」と、散歩に全く行かないでいることはハラスメントにあたります。

ペットへのハラスメント③ 留守番が長すぎる

毎日長時間留守番をさせられていると、ペットにストレスがたまったり、不安症になったりする恐れがあります。また、排泄物が放置されて不衛生な環境に置かれたり、ペットの異変に気づけなかったりと、さまざまな問題も起こり得ます。

どんなに元気でお利口なペットでも、お留守番は長くても10時間以内にしましょう。これも個体によって限界である時間は異なりますし、お留守番する環境や時間帯によっても変わってきます。

海外では、6時間以上のお留守番は動物虐待とされ、罰則規定が設けられている国もあるほどです。理想論としては、お留守番の時間は短ければ短いほど良いでしょう。

ペットへのハラスメント④ 嫌がることをしつこくする

蹴る、殴るなどの暴力行為は論外ですが、嫌がっているのに服を着せたり、長時間撮影をしたりと、ペットがストレスを感じることをするのも立派なペットハラスメントです。

ペットはおもちゃではありません。ペットの様子をよく観察して、ペットが嫌がることは極力しないようにしましょう。

ただし、犬種によっては服を着せること自体が良い場合もあります。そのような場合は、トレーニングを積むことで、服を着ること自体が徐々に好きになっていきます。当然ですが、これはここで言うペットハラスメントには当てはまりません。獣医療も同様です。

最後に

犬や猫が苦手な人ももちろんいますし、過去に辛い経験があってトラウマがある人もいるかもしれません。自分がペットを飼っていると忘れてしまいがちですが、「ペットに対してさまざまな想いを抱いている人がいる」ということは忘れてはならないでしょう。

また、ペットに対しても、無意識のうちにストレスをかけて「ハラスメント」をしてしまっているかもしれません。ペットの気持ちをよく考えて、ペットが嫌がることやストレスがたまること、健康を害することはしないように注意しましょう。

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