リアルファーは絶対悪!?毛皮製品の実態と自身のポリシーを考える

リアルファーは絶対悪!?毛皮製品の実態と自身のポリシーを考える

厳しい寒さが続く中、暖かいコートの襟元や袖口のファー(毛皮)にぬくもりを感じた方もいらっしゃるかもしれません。ファーは古くから主に防寒用に使われてきた長い歴史があります。

本記事では、ファッションに使用されるリアルファーの問題に焦点を当て、ファーにされる動物たちの運命や様々な意見についてご紹介いたします。これらを知ることで、ご自身のポリシーについて考えていただければ幸いです。

この記事の目次

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リアルファーとは

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ファーが使われている洋服は主に冬物衣類であり、以下のような製品に広く使用されています。

  • つけ襟
  • 襟巻き
  • 袖口
  • 帽子
  • ミュール
  • 手袋
  • アクセサリー
  • コート
  • ジャケット
  • バッグ

また、ファーには「リアルファー」と「エコファー」があり、次のような違いがあります。

  • リアルファー…実際の動物の毛皮を用いたファー。ミンク、ウサギ、タヌキ、キツネ、チンチラといった動物が使われている。
  • エコファー…フェイクファーとも呼ばれる人工のファー。素材はアクリルやアクリル系繊維、ポリエステルが主流。

リアルファーの問題点

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「毛皮農場」と呼ばれる場所では、毛皮を取るためにさまざまな小動物たちが狭い檻に閉じ込められ、飼育されます。劣悪な環境の現場では、動物たちはストレスから精神に異常をきたし、自傷行為や共食いすることも指摘されています。

最期は、二酸化炭素で窒息させたり、口と肛門から電気を流して感電させたりするなど、毛皮を傷つけないような方法で、動物たちは人間のファッションに利用されるだけの短い一生を終えるのです。

※リアルファーの問題点は、こちらのサイトもご参照ください。

イラストでわかる毛皮の実態 | 動物実験の廃止を求める会(JAVA)
https://www.java-animal.org/fur/illustration/

日本の現状は

NPO法人アニマルライツセンターの発表によると、2016年に日本における最後の毛皮用のミンク農場が閉鎖され、これにより日本国内の毛皮製造がゼロになったことが確認されています。

とはいえ、世界では依然として多くの毛皮が生産されており、日本でも需要があるため、多くを輸入しています。生産地が変わっただけで消費の変化がなければ、たくさんの動物たちが毛皮のために殺され続けている現状は変わらないのです。

リアルファーが悪と言い切れない理由

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しかし、リアルファーには全てが悪いと言い切れない側面があります。例えば、古来、人間は寒さから身を守るために動物の毛皮をまとって生活してきました。そのため、リアルファーを使うことは悪ではないという意見もあります。

確かに、どんな動物も生きていく上で、命を奪うことからは逃れられません。食用に肉を利用し、その動物の毛皮を製品に加工するといった工程は、犠牲になった命を最大限に大事に扱っている行為といえるでしょう。

また、亡き祖母が使っていた毛皮製品を、手入れをしながら大事に使っているという方の意見もネット上にアップされていました。こういったケースも一概に悪とは言えないのではないでしょうか。

大切なのは、リアルファー反対派、賛成派、両方の意見を冷静に聞き、自身のポリシーを決めることであって、「リアルファーは動物虐待だから絶対NG!」などと、感情的に判断するものではないと思います。

以下のリンクは、リアルファー賛成派の意見です。

Q&A | 一般社団法人 日本毛皮協会
https://www.fur.or.jp/eco_qa/

リアルファーを使いたくないと思ったら

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リアルファーの実態や様々な意見を知った上で、リアルファーを使いたくないと考える方もいらっしゃるでしょう。しかし、ファー製品を購入する時、リアルファーなのかエコファーなのか判別できない場合もあります。

衣類などの繊維製品の品質を定めた「家庭用品品質表示法」では、使っている繊維の種類や割合を表示することが義務づけられていますが、ファーはこの法令の対象外であり、表示義務がありません。そのため、表示するかしないかは製造メーカーの判断に委ねられているのが現状です。

リアルファーを使わない方法①購入時に店員に尋ねる

毛皮製品を購入する際に、リアルファーかエコファーかの表示がない場合は、店員さんに尋ねてみましょう。人によっては、自社商品の素材がリアルファーかエコファーかを把握していない可能性もあります。

ファーの素材を教えてもらえた場合、リアルファーであれば買わないという選択ができます。素材がわからない場合でも、そういった問い合わせを通じて、店員さんの意識を変えるきっかけになるかもしれません。

もっと踏み込んだ意思表示をするのであれば、「リアルファーだったら買いたくない」と伝えるのも一つの方法です。一人ひとりの行動は小さなものかもしれませんが、多くのユーザーの声があれば、企業のスタンスが変わる可能性もあります。

リアルファーを使わない方法②FUR FREEブランドの製品を購入する

リアルファーを使わないようにしたい場合、「FUR FREEブランド」の製品を購入するという方法もあります。

FUR FREEブランドとは、リアルファーを使用しないことなどを宣誓し、毛皮に反対する国際連盟「Fur Free Alliance」(FFA、事務局:オランダ・アムステルダム)に、承認されたブランドを指します。

※日本で購入できるFUR FREEブランドは、こちらのサイトから確認ができます。

毛皮を扱わないブランドリスト | 動物実験の廃止を求める会(JAVA)
https://www.java-animal.org/fur/ffrlist/

2023年11月の時点では、ZARA、H&Mなどのカジュアルブランドから、グッチ、プラダ、バーバリーなどの高級ブランドまで、世界では1600近いブランドがリアルファーを使用しないことを宣誓しています

まとめ

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リアルファーとエコファーの違いや問題点などを知っておくことは、動物愛護や生態系、地球環境を考える上で非常に重要です。また、リアルファー賛成派、反対派双方の意見を聞いた上で、ご自身のポリシーを決めてみてください。

いずれにせよ、残酷な運命をたどる動物がいなくなることを心から願っています。

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