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コラム

「新型コロナウイルス探知犬」誕生なるか。英団体が探知犬の訓練開始

Risa
Risa シェリー編集部

私たちの心をいつも癒してくれる犬たちですが、中にはその優れた鼻の機能を活かし、警察犬、災害救助犬、麻薬探知犬などとして働いてくれている犬がいることは広く知られています。

そんな犬の鼻の機能が今、世界的なパンデミック「新型コロナウイルス」の感染者の探知に役立つのではないかと期待されています。

イギリスの慈善団体「メディカル・ディテクション・ドッグス」は、ロンドン大学公衆衛生学・熱帯医学大学院(LSHTM)と、ダラム大学と協力をし、研究を急ピッチで進め、6週間以内に探知犬の訓練を目指すと発表しました(3月27日)。

訓練された犬が、現段階で探知できる病気とは

探知犬が探知できる病気とは

犬の鼻が優れた機能を持っていることはよく知られていますが、「病気を嗅ぎ分けられる」犬がいることは、知らなかった方も多いかもしれません。

イギリスの慈善団体「メディカル・ディテクション・ドッグス」はこれまでに、マラリア、がん、パーキンソン病を見つけられる探知犬の訓練に成功しています。

人間の体から放出される、疾患ごとに異なるにおい嗅ぎわけることで、病気を見つけられるのです。

新型コロナウイルスはにおいがするの?

新型コロナウイルスはにおいがするの?

インフルエンザや、その他の色々な病気は、人間の免疫システムと交わることで、人体から特有のにおいを発生させることがわかっています。

新型コロナウイルスに感染することで身体のにおいが変わるかどうかはまだ調査段階ですが、メディカル・ディテクション・ドッグスは、可能性は十分に高いとしています。

体温の微妙な変化も探知できる

探知犬は、人間の皮膚の温度の微妙な変化にも気づくことができます。

同団体は、もしも新型コロナウイルスによる身体のにおいや体温の変化を探知できるようになれば、高確率で感染者を見つけ出せるだろうと述べています。

期待されていること①不足する検査キットを有効的に使えるように

新型コロナウイルス探知犬で検査キットを有効活用

特に日本においては、「あれ、ちょっと体調が悪いかも…?」と思っても、なかなか新型コロナウイルス感染症の検査を受けることができないという状況があることは、みなさんもよくご存知のことでしょう。

海外でも、現在では検査キットが増える患者数に追いつかず、必要な人に検査が十分に行き届いていないのが現状のようです。

もし、犬が新型コロナウイルスを探知できるようになれば、犬がウイルスを探知した人を優先的に検査することで、検査キットをより有効的に利用することができます。

期待されていること②無症状者からの感染拡大防止にも期待

新型コロナウイルス探知犬が無症状者による感染拡大防止に期待される理由

新型コロナウイルスに感染していても、症状が出ていなかったり、軽かったりした場合、感染に気づかず、他の人にうつしてしまう可能性があります。感染者との濃厚接触者や、海外から帰国した人など、特定の人は無症状でも検査されるため、感染を発見することができますが、そうでなければ検査をするのは難しいのが現状です。

新型コロナウイルス探知犬は、うまくいけば無症状の人からも探知できる可能性が示唆されており、無症状の人からの感染拡大も抑えられるのではないかと期待されています。

実際、マラリア感染症については無症状でも探知することが可能だそうです。

期待されていること③空港などに感染者が入るのを防げる

新型コロナウイルス探知犬で空港での感染を防ぐ

空港やテーマパークなどの人が多く集まるところでは、サーモグラフィーを用いて体温をチェックするなどして感染の拡大防止に努めていますが、症状がなくても感染している可能性があるため、誰も気づかないうちに感染が広がってしまうのが新型コロナウイルスの怖いところです。

もし、無症状でも新型コロナウイルスを探知できるよう犬をトレーニングをし、こうした探知犬が空港などの公共の場入り口で働くことができれば、無症状者が公共の場で活動して感染を広げるのを防ぐことができます。

「新型コロナウイルス探知犬」今後の計画は

新型コロナウイルス探知犬の今後の計画

この世界的な危機に立ち向かえる可能性が期待されている新型コロナウイルス探知犬ですが、実際にいつから活躍し、その後、どのように活動範囲を広げていく予定なのでしょうか?

まず、6週間で探知犬を訓練

新型コロナウイルスに感染している人の身体のにおいのサンプルと、感染していない人の身体のにおいのサンプルを用い、すでに探知犬の訓練を受けてきた犬など5匹をトレーニングします。

訓練後の厳格なテスト等を含め、うまくいけば6週間以内(3月27日発表)に新型コロナウイルス探知犬の誕生が期待できるとしています。

スケールアップ

新型コロナウイルス探知犬は、早急に空港の入り口やその他さまざまな公共空間に出向き、感染者の発見に努めます。

探知犬は1時間に750人ほどを調べることができるとしており、検査が必要な人を素早く見つけ、感染拡大を抑止できると期待されています。また、検査の手順などを整備することで、国内外の他の団体と協力をして、探知犬の訓練をするチームを増やすことが計画されています。

さらに長期的に

一度、新型コロナウイルスの感染拡大が収束しても、世界中を巡り、「第二波」がやって来る可能性もあります。

この第二波に備え、今後も空港などを中心に探知犬を配属し、新型コロナウイルスの感染者の発見に注力するとのことです。

訓練のための基金も立ち上げ

新型コロナウイルス探知犬を訓練するための基金

メディカル・ディテクション・ドッグスは、研究・訓練のために、100万ユーロの寄付を募る基金を立ち上げました。同団体は、使われずに余ってしまった寄付金が出た場合は、それらを「COVID-19 Response Fund」に寄付するとしています。

メディカル・ディテクション・ドッグス基金
https://igg.me/at/dogsfightcovid19/x#/

まとめ

新型コロナウイルス対策にも探知犬が活躍する日が近いかもしれない
今回は、優れた犬の鼻の機能を活かして新型コロナウイルス感染者を探知する「新型コロナウイルス探知犬」の誕生の可能性についてお伝えしました。

メディカル・ディテクション・ドッグスはこれまでに他の病気を「におい」で発見できる探知犬の訓練に成功しており、新型コロナウイルスに関しても探知犬の訓練成功の可能性は高いとしています。

もしも新型コロナウイルス感染者を発見できる探知犬が生まれ、世界中に広がれば、このパンデミックの収束に向け、大きな力を発揮することでしょう。今後の動向に注目するとともに、実際に活躍する日が来ることが分かり次第、追ってレポートしたいと考えています。

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