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コラム

戦禍のウクライナ、飼い主たちの選択と様々な動物保護活動

千葉 綾
千葉 綾 シェリー編集部

ロシア軍によるウクライナ侵攻が始まってから、一年が経とうとしています。

当然のことながら、ウクライナの人々は想像を絶する苦難に立たされ、また人間と同様にウクライナのペットたちも大変な困難にさらされています。

今回は、そんな戦禍に見舞われたウクライナの人々とそのペットたちについて、ご紹介していきます。

飼い主たちの選択

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戦争の中、避難を余儀なくされた人々の多くが、ペットと共に避難することを望んでいます。今まで家族同然に暮らしてきたため、当然の願いと言えるでしょう。

しかし、戦争の激しさは地域によって差があり、ペットの飼い主たちに迫られた選択も様々です。ここでは多く見られた4つのパターンをご紹介します。

パターン①ペットと一緒に避難する

ペットと共に国外に避難出来れば、運の良い方なのかもしれません。ウクライナとの国境近くにあるポーランドの避難所周辺には、世界各国からやってきた動物愛護団体のテントが存在し、必要な物資の提供や、獣医師の診察など、手厚いサポートを受けられる体制が作られています。

パターン②保護団体に預ける

ウクライナの一部の地域やポーランド、ドイツなどの周辺地域には、避難民たちのペットを預かり、保護をしている施設があるそうです。これから難民となって、住む場所や資金の確保などが必要な状況であれば、一旦、保護施設で預かってもらうしかない場合もあるでしょう。

そういった保護施設は避難民のペットだけではなく、飼い主とはぐれたり、置き去りにされたペットたちも保護しようと懸命に活動しています。

パターン③ペットと共に戦地に残る

環境の変化でストレスを溜めやすい猫を飼っている場合や、飼い主自身が高齢で長距離の移動に耐えられない場合、危険を承知で戦地となっている地元に留まっているケースもあるそうです。しかし、物流が滞り混乱しているため、ペットフードなどの生活に欠かせない物資すら入手困難な地域もあります。

パターン④ペットを置いて避難する

2022年2月にロシアの侵攻を受けて以来、11月の時点で約1200万人がウクライナから逃れ、そのうち少なくとも約30%の人がペットを置いて逃げる選択をせざるを得なかったと言われています。

過酷な激戦地でミサイルが飛んでくるような状況の中で避難するには、まず人間が優先され、荷物を持っていくことすら許されない場合もあったそうです。そのような状況では一緒に連れていくことは不可能だったでしょう。

取り残されたペットたち

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飼い主と離れざるを得なかったり、飼い主を亡くしてしまったりしたペットたちは、居場所も食べ物もなく街をさまよい、爆弾やミサイルの攻撃にさらされています。

また、ウクライナは北海道よりも北に位置する国で、冬が長く、真冬にはマイナス20度にまで達することがあるそうです。

取り残されたペットたちは、戦争の危険と厳しい寒さ、飢えなど多くの困難にさらされています

新たな方法の保護活動

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そんな行き場を失ったペットたちの危機を救うため、ウクライナの人々や世界各国の団体が動物たちの保護活動を行っています。資金や物資の支援、保護施設の運営など様々な方法がありますが、ここでは今までになかったような活動をご紹介します。

ペットたちのデータベースを作成

UWARF(Ukrainian War Animals Relief Fund)では食料や医療品、物資の支援の他、移動式のクリニックで飼い主を失った犬、猫に対する治療や避妊去勢手術、マイクロチップの挿入、ワクチン接種などの保護活動を行っています。

さらに、マイクロソフト社から技術提供を受け、動物の発見場所や顔写真などの情報が照会できるデータベースを作成、公開し、はぐれた飼い主の元に返したり、新たな飼い主を見つけたりするために活用しています。

UWARFのホームページ
https://uwarf.com/

QRコードで飼い主とつながる

犬猫用のマイクロチップを作る会社を経営するウクライナ人男性は、ペット用のQRタグを開発しました。個体識別のためのマイクロチップは、専用のリーダーがないと情報を読み込むことが出来ず、リーダーがあるのは公営の施設や動物病院などに限られてしまいます。

一方で、QRタグはキーホルダーのような形状をしているので装着が簡単で、スマートフォンでQRコードを読み取れば誰でも簡単にペットの情報にアクセスできます。そのため、戦争で飼い主とペットが離ればなれになったとしても、飼い主の元に帰るまでの過程が簡単に行えるのです。

開発した男性はスーパーマーケットやガソリンスタンドで、このQRタグを無償で配布し、その数は5万個にものぼるそうです。

最後に

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今回は戦禍のウクライナのペット事情をご紹介してきました。
ペットを置いて避難せざるを得ず、取り残された動物たちが放浪している姿は、東日本大震災時の福島の警戒区域内を彷彿とさせるものがあり、とても他人事とは思えません

ウクライナの動物たちを支援する方法は数多くあります。世界各国が支援疲れや物価高騰で疲弊し、ウクライナへの援助が減る中、今一度、支援方法を考えてみてはいかがでしょうか。

人間にとっても動物たちにとっても、平和な世界が早く訪れることを願ってやみません。

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