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愛犬が人にかみついてしまった!咬傷事故を起こさないために知っておきたいこと

yuri シェリー編集部

ドッグランや散歩中などに、少し目を離した隙に愛犬が他人にかみついてしまった!そんな咬傷事故は犬の飼い主さんなら他人事ではないでしょう。

突然加害者になってしまったときに何をしなければならないのか。また、被害者にならないためにも咬傷事故について知っておきましょう。

統計から見る犬による咬傷事故


犬を飼っている人も飼っていない人も実は身近に起こりうる咬傷事故。実際に日本ではどのくらい起こっているのでしょうか?

平成28年度は咬傷事故の件数は4,341件でした。同年の咬傷犬数は4,353頭で、その内訳は、飼い主判明4,038頭、飼い主不明271頭、野犬44頭です。ほとんどの場合は飼い主が判明していますが、飼い主が不明であったり野犬による被害も少なくありません。

被害者数


犬による咬傷事故の被害者のほとんどは「飼い主・家族以外」の人でした。自分や家族ならまだよかったのに、と考える方も多いかもしれませんが、残念ながら多くの場合は他人をケガさせてしまったという結果です。外出の際、人と関わるような場面があったときは気を引き締めなければいけませんね。

ただし、これらはあくまで届出があった件数であり、飼い主やその家族の場合は、咬まれてしまっても届けを出さなかったであろうことは想像に難くありません。よって、この調査結果だけを見て、飼い主や家族の方が咬傷事故に遭っていないということは言えません。

咬傷事故発生時における犬の状況


咬傷事故発生時における犬の状況は、「けい留して運動中」に起こる咬傷事故が最も多いことが分かりました。けい留とは、リードなどにつなぎとめておくことを指します。日本ではノーリードで散歩等をすることは禁止されています。そのため、外出時には自然と「けい留」します。運動中の詳細はわかりませんが、日本での犬の飼い方から判断すると、「散歩中」に咬傷事故を起こしている可能性が最も高いと言えるでしょう。

犬舎等にけい留中の事故は、飼い主に対して興奮状態になった可能性が考えられますが、犬を屋外で飼育している場合、目の届かないところで近所の子どもが近づき、犬を怖がらせてしまったことが原因で咬傷事故につながるケースもあります。

咬傷事故発生時における被害者の状況


咬傷事故発生時における被害者の状況を見てみると、「通行中」が圧倒的に多いことが分かります。被害者側は特に犬に刺激を与えるようなことをしていなくても、何らかの外的要因により咬傷事故を起こしているということです。

トラブルを避けるためにも、なるべく人の多いところは避け、愛犬がのびのびできる場所で散歩させてあげてください。止むを得ず人の多い場所に行く必要がある場合は、手綱を短く強く持ち、常にコントロールできる状況にしておきましょう。

また、「犬に手を出した」という数値も高く、犬舎に繋がれている犬や散歩中の犬に手を出したことが要因で咬傷事故が発生していることも分かります。飼い主さんとしてはなかなか防ぐのが難しい状況ではありますが、それでも事故が起これば加害者になってしまいます。散歩中であれば「犬が怖がるから」と触らないようにしてもらい、犬舎に気軽に近づけないようにするなどして、自己防衛をしていきましょう。

咬傷事故発生場所


咬傷事故発生場所は、犬舎等の周辺と比べて公共の場所が二倍近い数値を示しました。やはり、普段とは異なる環境であり、刺激になるものが多い公共の場所は犬にとってもストレスなのでしょう。一方で、犬は縄張り意識もあるため、犬舎周辺での事故も決して少なくありません。咬傷事故の可能性は常につきまとっていると考えておいたほうがいいでしょう。

出典:環境省 犬による咬傷事故状況(全国計:昭和49年度~平成28年度)

咬傷事故が起きてしまったら


咬傷事故は起きないのはもちろん一番ですが、もし起きてしまったらどうすればいいのでしょうか。
東京都では条例により以下のように定められています。

東京都動物の愛護及び管理に関する条例
第二十九条 飼い主は、その飼養し、又は保管する動物が人の生命又は身体に危害を加えたときは、適切な応急処置及び新たな事故の発生を防止する措置をとるとともに、その事故及びその後の措置について、事故発生の時から二十四時間以内に、知事に届け出なければならない。
2 犬の飼い主は、その犬が人をかんだときは、事故発生の時から四十八時間以内に、その犬の狂犬病の疑いの有無について獣医師に検診させなければならない。

要約すると以下の通りです。

  1. 被害者の救護と新たな事故を防止する措置を行う
  2. 24時間以内に事故発生届出書を提出する
  3. 48時間以内に狂犬病の疑いがないか、獣医師に検診してもらう

今回は東京都の条例を掲載しましたが、ほとんどの地域で同様のことが定められています。
もし咬傷事故を起こしてしまった時は、その地域の情報を調べ、落ち着いて対応しましょう。

また、一般的には加害側が治療費を全額負担し、傷の程度にもよりますが10万円程度の慰謝料を支払うケースもあります。しかし、状況によっては数千万円以上の支払いが命じられた判例もありますので、不安な方はペット保険に入っておくのもいいかもしれません。

咬傷事故を起こさないために


誰だって咬傷事故を起こしたくありませんし、被害に遭いたくもありません。
以下は、咬傷事故の起こりやすい状況の一覧です。咬傷事故の起こりやすい状況を把握して、そのような状況にならないように心がけましょう。

  1. 放し飼い(あるいは逃走中)
  2. 犬にさわろうとした
  3. 犬のけんかを止めようとして、飼い犬をかばった
  4. 誤って犬に接触した
  5. 散歩中に犬を制御できなくなった
  6. 引き綱が長すぎた
  7. 食事中の犬に手を出した
  8. 玄関近くにつないでいた
  9. 出産後の警戒状態であった
  10. 引き綱をつけないで散歩

参考:茨城県 犬の咬傷事故について

咬傷事故に遭わないために


咬傷事故の原因は犬や飼い主さんだけでなく、近寄っていく人に原因があることがあります。お互いが不幸にならないためにも、犬と出会ったときは以下のことを気をつけて、自己防衛をするようにしましょう。

  1. 急にかけださない
  2. 食事中や犬舎の中には手を出さない
  3. 見知らぬ犬には手を出さない
  4. 仔犬がいるところに近寄らない
  5. しっぽを持ったり、いたずらをしない
  6. 目を合わせない
  7. 大声を出したり、いじめない

参考:茨城県 犬の咬傷事故について

最後に


これらの結果(事故が起きた状況が、リードを付けた運動中に、公共の場で、通行中の人であること)を見ると、多くの咬傷事故は犬を散歩中に起こっていると言えるでしょう。いくら普段はおとなしい犬であっても、突然の不安や恐怖で凶暴になってしまうこともあるでしょう。そんな時、飼い主さんがコントロールできるのが理想ですが、今の日本では、全ての飼い主がそれができるかというと何とも言えません。

万が一、愛犬が人を傷つけてしまった場合は、誠意を込めて被害を受けた方に謝罪し、しっかり対応してください。場合によっては慰謝料の支払いも必要です。そして、そういう事態になることが不安な場合は、ペット保険等に加入するなどし、万一の備えをしておくのも良いでしょう。

咬傷事故は関係者の全員が辛く悲しい気持ちになってしまう事故です。犬の飼い主さんはもちろん、犬と遭遇する可能性のある人も事故に合わないように双方で気をつけるようにしたいですね。

  • ケガ
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