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いぬ健康

犬と猫の予防医療。防ぐことのできる病気を知ろう!

Kei シェリー編集部

飼い主のみなさんは愛犬の予防医療について考えたことはありますか?予防医療とは簡単に言えば、「病気にかからないように予防する」という考え方です。

つまり、病気にかかってから治すのではなく、病気になりにくい体作りを推進して健康を維持しようとすることです。この考え方は人間にもペットにも同じことが言えます。

今回はペットの予防医療について考えていきたいと思います。

予防医療の重要性

アニコムホールディングス株式会社の「アニコム 家庭動物白書2019」によると、この10年で犬の寿命は0.7歳、猫は0.5歳延びており、人間に換算すると犬は約4〜5歳分、猫は約3〜3.5歳分にもなります。
これは人間の同時期の平均寿命の延びよりも大きいため、犬猫の平均寿命は飛躍的に延びていると言えるでしょう。

しかし、平均寿命が延びるということは、高齢である期間が長くなるということでもあります。

ペットも人間と同様、高齢になるにつれ病気や怪我のリスクも増えていきます。ペットが少しでも健康で長生きができるように、私たち飼い主が「健康」と「病気」について学ぶ必要があります。

犬の予防医療〜ワクチン〜

犬の混合ワクチン

犬のワクチンには、全ての犬が接種を行うべきであると考えられている「コアワクチン」と、生活環境によって接種が推奨される「ノンコアワクチン」があります。

コアワクチンで防げる病気

  • 犬ジステンパー
  • 犬パルボウイルス感染症
  • 犬伝染性肝炎(犬アデノウイルス1型)
  • 犬伝染性喉頭気管炎(犬アデノウイルス2型)

ノンコアワクチンで防げる病気

  • パラインフルエンザ
  • レプトスピラ症
  • コロナウイルス感染症

混合ワクチンは2種から8種があり、それぞれ含まれているワクチンが異なります。動物病院によって取り扱っているワクチンの種類も異なりますので、各病院に問い合わせください。
どの混合ワクチンを接種すべきかは、生活スタイルをお話した上で、獣医師と相談しましょう。

狂犬病ワクチン

狂犬病は人獣共通感染症で、発症すると犬も人もほぼ100%死亡する病気です。

狂犬病予防法に基づき、日本では飼い主が犬に毎年狂犬病のワクチンを接種させることを義務付けています。

生後91日以上の犬は、飼い始めてから30日以内に1回、その後は毎年1回接種を受けなければいけません。また、ワクチン接種の際に交付された注射済票を必ず犬につけておく必要があります。

猫の予防医療〜ワクチン〜

猫の混合ワクチン

猫の混合ワクチンで防げる病気は以下の5つです。

  • 猫伝染性鼻気管炎
  • カリシウイルス感染症
  • 猫汎白血球減少症
  • 猫白血病
  • クラミジア感染症

混合ワクチンには、含まれるワクチンの数によって3種4種5種があり、コアウイルスと呼ばれる「猫ウイルス性鼻気管炎、カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症」の3つは、全ての混合ワクチンに含まれています。

なお、混合ワクチンの接種前には、血液検査をして猫白血病に感染していないかを確認する必要があります。万が一、検査結果が陽性であった場合は、猫白血病の入っていないワクチンを選択します。

また、製薬会社によっては、猫カリシウイルス感染症の強毒株に対応したワクチンもありますので、接種前に獣医師とよく相談しましょう。

猫の単味ワクチン

1種類のみの病気を予防できるのが単味ワクチンです。主に以下の病気を防ぐことができます。

  • 猫免疫不全ウイルス感染症
  • 猫白血病ウイルス感染症

猫免疫不全ウイルスは、屋外で生活する猫や、飼い猫が脱走してしまった際の保険として接種が推奨されています。このウイルスは地域によってサブタイプの流行が異なるため、猫の生活する地域に合わせて選択しましょう。

猫白血病ウイルス感染症は、混合ワクチンに含めることができますが、単体でも接種できるように用意されています。

ワクチン接種時の注意点

ワクチンを受ける際は犬猫が元気であることが重要です。
治療中の病気や服用中の薬がある場合は、獣医師に相談しましょう。

注意をしていても、アレルギー反応やアナフィラキシー反応が起こることがあります。
元気がない、嘔吐、発作、顔の腫れなど、異常がみられる場合は躊躇せずすぐに動物病院を受診してください。そのため、ワクチンの接種は午前中がオススメです。

また、接種後は、以下の点に気をつけましょう。

  • 接種後できれば30分は動物病院付近で様子を見る。
  • 接種後半日以上は屋外に出すことを避ける。
  • 接種日の投薬を避ける。
  • 接種後1週間はトリミングを避ける。

犬猫共通の予防医療

フィラリア予防

フィラリア症は蚊に刺されることによって感染します。心臓に糸状のフィラリアが寄生し、咳、呼吸困難、吐血などの症状を引き起こします。命に関わることもありますが、注射や投薬で確実に防げる病気でもあります。

蚊の発生時期に合わせて、毎年4、5月から11、12月まで、月に一度の投薬(飲み薬あるいはスポットタイプ)で予防が可能です。犬猫ともに室内飼いであっても蚊に刺される可能性はあるので確実に予防しましょう。

なお、すでにフィラリアに感染している場合は、予防薬によりショック症状を呈することがあるため、その年初めての投薬前には血液検査が必要です。

ノミとマダニ予防

ノミやマダニは草むらを中心に生息し、貧血や皮膚炎を引き起こします。人間に感染することもあり、特にマダニに感染した場合は、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)を引き起こして死に至ることもあります。

ノミやマダニは春から秋にかけて多く見られ、特に夏は1回の散歩でも感染する可能性があります。室内では冬でも見られますので、1年を通して予防することをおすすめします。

ノミの予防薬にはスポットタイプ、スプレータイプ、飲み薬などの種類があるため、どの薬を使うかは獣医師に判断してもらいましょう。

健康診断(ペットドック)

定期的な健康診断は予防医療の基本です。犬や猫は本能的に痛みを我慢し、苦しいそぶりを見せないため、飼い主さんだけでは全ての病気や怪我に気がつくことは難しいでしょう。

犬猫は人間よりも老化が早いため、こまめな検診が予防につながります。目安として犬猫と共に、年齢6歳までは年に1度、6歳異常は年に2度の健康診断が推奨されています。

歯の手入れ

歯周病は犬における最も一般的な疾患で、3歳以上の犬の80%に見られると言われています。また、猫の歯周病も増加しています。

歯周病は歯垢が歯石に変わり、そこに菌が繁殖することで引き起こされます。歯周病は歯茎の炎症・出血、口臭、食欲の低下などの症状を起こし、さらに進行すると歯が抜けたり、顎の骨が折れたりします。また、腎臓や心臓などにも問題を引き起こすこともあります。

飼い主さんができる歯の手入れは、歯石に変わる前の「歯垢」を取り除くことです。

毎日の歯ブラシでのケアが望ましいですが、苦手な犬猫は歯ブラシほどではないものの、ガーゼや歯磨きペーストによるケアでも有効です。

歯ブラシでのケアは成犬、成猫になってからでは慣れるまでに時間がかかりますので、幼い頃から歯磨きに慣れさせることが大切です。

まとめ

今回は犬や猫の病気を未然に防ぐために、飼い主さんができる「予防医療」についてまとめました。

ペットの健康寿命を延ばすためには日々のケアが大切です。私たちが正しい知識を身に付け、ケアの方法を学ぶことで防げる病気や怪我があります。

これを機にペットの生活習慣を見直し、体調管理についてもう一度振り返ってみてはいかがでしょうか?

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【獣医師監修】正しく理解できてる?猫のワクチンの種類と注意点
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