1800年代まで、ロシアに生息するあらゆるスピッツタイプの犬はライカと呼ばれていました。ライカとは、ロシア語で「吠える」という意味の動詞のラヤートから派生した名詞です。
現在、国際畜犬連盟(FCI)が認定する犬種の中には「ライカ」を含むものが三種類あります。
今回の記事ではロシアの狩猟犬、ライカの犬種を3つ紹介していきたいと思います!
この記事の目次
ラッソ・ヨーロピアン・ライカ
歴史
フィンランド原産のヘラジカや狼に用いられた勇敢な狩猟犬と、ロシアのウトチャク・シェパードとの交配によってこの恐れを知らない勇敢な犬種が誕生しました。
この種は熊などの狩猟に使われることもありますが、主人に付き添って野ウサギやテンなどの小型哺乳類を単独で狩ることのほうが多いようです。
現在も多くは実用犬として飼育されていて、原産地ではとても人気の高い犬種です。
身体的特徴
白と黒の二色の被毛を持ちます。体の大半が覆いかぶさるような黒い被毛で覆われています。胸から前脚の先、そして下腹部と後ろ足の先に白い毛が生えています。
カレリアン・ベア・ドッグという犬種も非常に似た被毛を持ちますが、この犬種とは違って額にも縦に白い毛が生えていることが異なります。
被毛は真っすぐで、硬いオーバーコートでおおわれており、たくましく発達している前脚に比べて後脚はあまり発達した筋肉を持ちません。
小さく突き出した耳は中までびっしりと毛が生えており、褐色の小さな目は警戒しているかのような印象を抱かせます。
性質
攻撃的な犬種で、大型の獣を恐れずに大胆不敵に追跡するような勇敢さを持ちます。いかにも猟犬です。
大きくて活動的なこの犬種はコンパニオンアニマルとしてはあまり向いていないかもしれません。
イースト・シベリアン・ライカ
歴史
1800年代のロシアの犬種改良者たちがシベリア原産のスピッツ犬種に人為的とう汰圧を加えた結果誕生したのがこのイースト・シベリアン・ライカです。
この犬種は高緯度の地域に住む人々の土着のそり犬と狩猟犬をもとに作り出され。1947年に犬種として固定されました。
身体的特徴
白・黒・グレー・黄褐色のかかった赤の四色の毛が全身を覆っています。
中くらいの長さのオーバーコートと密生した水を弾くアンダーコートの二重構造になっており、極寒の地でも体温を外に逃がしません。
首回りの筋肉がよく発達しており、とてもたくましく、かみついた獲物を逃さないようになっています。
性質
見た目は狼に似ていますが、この性格は静かで穏やかなので、都会のコンパニオンとしても適していると言えます。
また、よく服従するように訓練もできます。
ウエスト・シベリアン・ライカ
歴史
ロシアのライカの中で最も定着し、根強く人気のあるウエスト・シベリアン・ライカは、主にトナカイ、ヘラジカ、クマといった大型の獣の狩猟に用いられています。
さらに力がとても強く、かなりの重量をけん引できるので、そり犬としてもその能力を十分に発揮できます。
身体的特徴
白・黒・黄褐色のかかった赤の3色で被毛が構成されています。
骨組みのしっかりとした四肢は分厚い皮膚に覆われていて、その皮膚には密生したアンダーコートが生えています。
耳は熱を逃がさない被毛にびっしりと覆われていて、両眼の間隔はあまり離れていません。
性質
家族に対しては友好的に接しますが、見知らぬ人や動物に対しては強い警戒心を見せます。
狩猟のコンパニオンとしてとても優れた性質を持ち、落ち着いていて、めったに動じることはありません。
しかし、吠え声が大きく、また吠えさせないようにしつけるとストレスをためてしまうため、都会で飼育するにはあまり向いていないと言えるでしょう。
最後に
今回の記事ではシベリアの狩猟犬、ライカと名前につく3つの犬種を紹介しました!
クマやトナカイなどの大型の獣にもひるむことのない勇敢な性格はとてもかっこいいですよね!ライカのような渋い犬と一緒に狩猟をする生活には憧れすら感じてしまいます。
しかし、残念ながら、極寒の地で活躍する狩猟犬のため、いずれも都会で飼育することは難しいと言えるでしょう。広い庭があり、その豊富な運動量を補うことができる環境、そして大きな声で吠えてもあまり迷惑にならないような場所で飼う必要が出てきます。それこそ、狩猟ができるような環境があればベストですが、都会では難しいですよね。
犬種によって、彼らがストレスなく住める環境を作ってあげることも、私たち、飼い主の責任です。犬種の特性を知る手がかりとなれば幸いです。