いつも室内でトイレをする犬は、外出先でトイレをしたくなっても我慢してしまうことがあります。
近年は、散歩中にトイレをしないことは寧ろマナー的に好ましいと考える人も増えていますが、旅行やお出かけなど、長時間の外出では犬の負担となってしまいます。
また、慣れないところでトイレができないと、災害時などに困ることも想定されます。
今回の記事では、外出先でもトイレができるようになるためのトイレトレーニングをご紹介します。
なお、ここで言う外出先とは、道路などの公共のエリアではなく、外出先のホテルやトイレなど、排泄行為を行っても他の方に迷惑をかけない場所を指しています。
この記事の目次
犬が外出先でトイレを我慢する理由
犬は本来、どこでもトイレをする習性があります。
では、犬が外出先でトイレを我慢してしまうのにはどのような原因があるのでしょうか。
1. 特定の場所以外でしてはいけないと思っているから
飼い始めのとき、室内の決まったところでのみトイレをするようにトレーニングをしたかもしれません。
決まったところ以外でトイレをして叱られた経験のある犬は、それ以外の場所でトイレをしてはいけないのだと思ってしまいます。
飼い主さんに忠実なお利口な犬ほど、外出先でトイレをしたくても我慢してしまうのです。
2. 長時間じっとしているから
犬は野生で暮らしていたとき、外敵に狙われる危険と常に隣り合わせでした。自分の存在がわからないように、トイレをも我慢してじっとしている必要がありました。
そのため、車の中や知らない家などで長時間じっとしていると、ある程度はトイレを我慢できると言われています。ただし、膀胱の発達していない幼犬はこの限りではありません。
外出先でトイレができることのメリット
せっかく室内の特定の場所以外で粗相をしないようにトレーニングをしたのに、違うところでするように教えることに抵抗がある方もいるかもしれません。
しかし、外出先でトイレができるとメリットもたくさんあるのです。
1. 健康面のメリット
いくら「犬が長時間トイレを我慢できる」と言っても、我慢しすぎてしまうと腎機能に悪影響を及ぼし、膀胱炎になるリスクも高まります。
また、犬に精神的なストレスがかかってしまう可能性もあります。
外出先でもトイレができるようにすれば、病気のリスクやストレスの軽減が期待できます。
2. 災害時にも
決まったところでしかトイレができないと、災害で避難したときなどに、避難先などでもトイレがなかなかできずに困ってしまいます。
どこでもトイレができるようにしておくことで、いざという時、トイレを我慢せずにすむでしょう。
外出先でトイレができるようになるには?
それでは、今まで室内でしかトイレをしなかった犬が、外出先でもトイレをできるようにするためのトイレトレーニングや工夫をご紹介します。
トイレトレーニングをしても、実際にできるようになるまでの期間には個体差がありますので、出来るようになるまで根気強く続けていくことが大事です。日頃からトレーニングを積み重ねていきましょう。
いつものトイレのとき合言葉をかける
まず、犬が家でトイレをするとき、「トイレ、トイレ」「ワンツー、ワンツー」など、決まった合言葉をかけます。
そして、トイレが終わったら、すぐに褒めながらおやつをあげましょう。
これを何度か繰り返すことで、合言葉が「トイレの合図」だと理解し、「合図でトイレをしたら褒められる」と学習します。
外出先でも同じ合言葉をかけてあげることで、「トイレをしてもいいんだ」と思うようになります。
「トイレをしたい!」仕草に気をつける
トイレをしたいときの仕草は犬によって異なりますが、代表的なものとしては次の3つが挙げられます。
1.急にくるくる回り始める
2.床の匂い嗅ぎ始める
3.後ろ足がいつもと違う動きをしている
また、犬は朝起きたとき、ご飯を食べ終わった後、そして夜寝る前にトイレに行くことが多いです。これらの時間帯を狙って、愛犬がおしっこの前にどんな仕草をするか、日頃から観察してみましょう。
愛犬の「トイレをしたい仕草」があらかじめわかれば、合言葉でのトレーニングがスムーズになりますし、外出先でもトイレをしたいサインを察知することができます。
外出時は使用済みのトイレシーツを持参する
犬は自分のおしっこの匂いに敏感です。そのため、おうちの決まった場所以外でも、自分のおしっこの匂いがついたトイレシーツがあれば、そこを「トイレ」として認識する可能性が高いです。
外出先にも匂いのついた使用済みのトイレシーツを持参してあげることで、何もないところや新品のトイレシーツよりもおしっこがしやすくなるはずです。
外出先で実践しよう
室内で、人間の掛け声でトイレが出来るようになったら、実際に外出先でも試していきましょう。
犬が外出先で「トイレをしたい仕草」を始めたら、使用済みのトイレシーツを広げ、普段通りのおしっこの合言葉をかけてあげます。
なかなかできなくても、焦らずに時間を置いてまた掛け声をかけていきます。どこかのタイミングで我慢ができなくなるはずなので、その時を待ちましょう。
そして、トイレができたらすぐにご褒美をあげることで、犬は「外出先でも、掛け声があればトイレをしてもいいんだ」と学習してくれるようになります。
まとめ
長時間トイレを我慢すると、病気やストレスの原因となりますし、いざという時にトイレができなくて大変な思いをしてしまうかもしれません。
外出先でもスムーズにトイレができるようになることで、愛犬とのお出かけの選択肢も広がり、楽しい思い出がたくさん作れるようになります。
ぜひ、根気強くトレーニングを続けてくださいね。