みなさんは、ハリネズミの餌と聞いて何を思い浮かべますか?
野生でハリネズミが食べているものを考えると、やはり「昆虫」の印象が強いでしょう。特によく耳にするのが「ミルワーム」や「コオロギ」です。しかし、虫があまり得意ではない人にとってはあまり家に常備しておきたいものではないでしょう。
そんな、「ハリネズミは飼いたいけど餌が心配」という方や、「既に飼っているが今の餌で良いのか疑問」と思っている方のために、ハリネズミの餌の疑問にお答えし、オススメのハリネズミ専用フードをご紹介します。
この記事の目次
ハリネズミの食べるもの
今回は日本で飼育できるヨツユビハリネズミ(以下、ハリネズミ)という種類についてご紹介します。
そもそもハリネズミは「肉食」なのでしょうか?それとも「草食」なのでしょうかか?
結論から言いますと、どちらでもない「雑食」で、肉や植物・果実などを食べて暮らしています。
野生のハリネズミが食べるもの
ハリネズミの生物学的な分類は食虫目ハリネズミ科ハリネズミ亜科です。
野生のハリネズミは地中にいる小型の昆虫や、地上にいる昆虫などを主に食べています。
多くの論文はナミハリネズミについてのもので、ヨツユビハリネズミが必ずしも同じとは限りませんが、そこまで大きな差異はないと考えて問題ありません。
具体的には以下のような昆虫を食べています。
- イモムシ
- ミミズ
- ナメクジ
- ミルワーム
- ムカデ
- コオロギ
- バッタ 等
昆虫の他にもカエルなどの爬虫類や、植物の葉や果実・種子などを食べていることが確認されています。
ペットのハリネズミの餌は何がいい?
家庭で飼っているハリネズミには、ハリネズミ用のフードをあげている方が多いです。最近ではいろいろなメーカーがハリネズミ用のフードを出しており、種類も豊富になりました。
犬猫用のフードでも可
実は、ハリネズミ用のフード以外にも、犬や猫用のフードをあげても問題はありません。犬や猫のフードは、ハリネズミのフードに比べ嗜好性が高く、普段食いつきの悪い子でも喜んで食べてくれることが多いです。ハリネズミ用のフードをなかなか食べてくれない場合は、試しにあげてみてはいかがでしょうか?
犬や猫のフードをハリネズミにあげる際は、量や栄養に注意が必要です。犬や猫のフードは、ハリネズミ用のフードに比べて栄養価が高いため、50キロカロリーを目安に調整してあげましょう。特に脂肪分の少ないフードがオススメです。種類によっては粒が大きく、食べにくくなってしまうため、小さく刻むか、ふやかしてあげてください。
ミルワームやコオロギをあげる必要はある?
ミルワームやコオロギなどの昆虫はあげなくても問題ありません。ハリネズミのメインの餌は上記で書いたように、専用のフードのみで十分です。
ミルワームなどの幼虫はとても栄養があり、フードと同じ量をあげてしまうと栄養の取りすぎになってしまうため、おやつ程度にあげるのが良いでしょう。
一方でコオロギなどの昆虫は栄養が偏っており、それのみを与えていると栄養が不足しがちです。ミルワームと同様に、おやつ程度にあげることをオススメします。
ハリネズミの餌おすすめ1. ハリネズミセレクション(イースター株式会社)
犬や猫を始め、ウサギなどの小動物のフードなど幅広く出しているイースター株式会社のハリネズミ専用フードです。
栄養素
- カロリー:430Kcal/100g
- タンパク質:29.0%以上
- 脂質:5.0%以上
- カルシウム:1.4%以上
少し長めの小粒タイプのため、ハリネズミの骨格でも食べやすく作られています。個体によっては少し硬く感じ食いつきが悪いこともあるようなので、食事が進まない時はお湯でふやかして与えてください。公式でもふやかすことを推奨しており、ふやけやすく作られています。
ハリネズミの健康を考え、栄養のバランスがよく作られています。このフードのみで足りるようにカロリーも十分ありますので、他にもおやつをあげる際には、栄養を取りすぎないよう食事を調整してください。
ハリネズミの餌おすすめ2. ハリネズミ恵(ハイペット株式会社)
ウサギなどの小動物のフードをメインに製造しているハイペット株式会社のハリネズミ専用フードです。
栄養素
- カロリー:320Kcal/100g
- タンパク質:31.0%以上
- 脂質:10.0%以上
- カルシウム:1.2%以上
恵はキューブ型のフードで、口の中でほぐれやすく、ふやかしてあげる必要がありません。ふやかしてあげる餌は、乾いてしまうとお皿に付いて食べにくくなりますが、ハリネズミ恵の場合はその心配がないことも魅力的です。
柔らかいため、顎の弱い子にはとてもおすすめです。また、必須アミノ酸の多いタンパク質の原材料にミルワームとチーズを使うことで、ハリネズミの食い付きがとても良いフードです。
ハリネズミの餌おすすめ3. ハリネズミフード(Mazuri)
Mazuriはアメリカの100年以上の歴史のある品質管理の会社です。
そんなMazuriで栄養学や獣医学の研究チームによって開発されたフードがこちら。世界中の動物園や水族館でも扱われている、業界で有名なとても信頼のできるフードです。
栄養素
- タンパク質:28.5%以上
- 脂質:12.0%以上
- カルシウム:6.5%以上
栄養強化を目的として作られており、基本的にはフードのみで十分栄養があります。とても小さい丸い形状をしているため、ふやかさなくても食べやすいフードです。顎の小さい子でも問題なく食べることができます。
ハリネズミの餌おすすめ4. ハーリーの主食(R.D.B)
栄養素
- カロリー:430Kcal/100g
- タンパク質:34.0%
- 脂質:7.0%
- カルシウム:1.1%
ハーリーの主食は、ドーナツ型をしており、手で割れるくらいの柔らかさです。小さい子にはふやかしてあげることを推奨されていますが、ドライのままの方が好きな子もいます。ビタミンDが強化されているため、カルシウムを吸収しやすいフードです。
ハリネズミの餌おすすめ5. FAY(フェイ)(Tiny Tot Tail)
栄養素
- タンパク質:30.0%以上
- 脂質:9.0%以上
- カルシウム:13mg/kg
ハリネズミは、体が麻痺し、うまく歩けなくなったり食べられなくなったりしてしまう「ふらつき症候群」を発症することがあります。現時点では治療法は確立されていませんが、ビタミンやカルシウムの摂取で予防できるのではないかと考えられています。
通常のペットフードは製造過程でビタミンやミネラルが失われてしまうことが多いですが、FAYはビタミンやミネラルをバランスよく配合し、ふらつき症候群と歯周病の予防をコンセプトとして作られています。
ハリネズミの餌おすすめ6. ハリネズミフード(三晃商会)
- タンパク質:30.0%以上
- 脂質:10.0%以上
- カルシウム:1.5%以上
ハリネズミを飼育したことのある人ならほとんどの人が知っているフードです。タンパク質源として、鶏肉だけでなくコオロギやミールワームの成分も含まれているため、ミルワームが好きなハリネズミには最適です。粒が小さいため、赤ちゃんのときでも食べやすく作られています。
ドライフードを与える時の注意点
先ほども申したとおり、ハリネズミの中には、硬い餌があまり得意でない子もいます。その場合、ドライフードを小さく砕いてあげるか、ぬるま湯でふやかしてあげましょう。なお、ふやかしたフードはすぐに傷んでしまいます。特に夏場は長時間放置することのないよう気をつけましょう。
また、ドライフードを選ぶ時は、酸化を防ぐためにパウチタイプで小分けになっているものがおすすめです。
まとめ
最近ではハリネズミをペットとして飼う人も増え、ハリネズミ専用のフードも多く販売されています。これらはハリネズミに最適な栄養を考えて作られており、基本的には専用のフードのみで問題ありません。しかし、ハリネズミは食にこだわりの強い子も多く、好き嫌いをしたりフードに飽きたりする子も多くいます。その際はフードを切替えるか、ふやかしてあげるなどの工夫をしてみると良いでしょう。
昆虫をあげる際は、ミルワームなどの幼虫は栄養が豊富のため、あげすぎると肥満になるので注意が必要です。また、フードを食べなくなってしまうこともありますので、おやつとしてあげると良いでしょう。
近年人気のハリネズミですが、犬や猫に比べるとまだまだ情報は少ないのが現状です。一般的な印象で判断せず、正しい知識を身につけてハリネズミと楽しい毎日を過ごしてくださいね。