花火大会に犬を連れて行くのは危険!?3つのリスクと対策を解説

花火大会に犬を連れて行くのは危険!?3つのリスクと対策を解説

夏の風物詩である花火大会。愛犬と一緒に楽しみたいと考える方もいるかもしれません。しかし、犬にとって花火大会は本当に楽しいイベントなのでしょうか。大きな花火の音を怖がる犬は多く、場合によってはショック死や事故につながることもあります。

今回は、犬を花火大会に連れて行かない方が良い3つの理由と、花火大会の日の自宅での過ごし方についてご紹介します。花火が平気な犬であっても、病気などをきっかけに恐怖症を引き起こすこともあるため、ぜひご一読ください。

この記事の目次

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犬を花火大会に連れて行くリスク①花火が苦手な犬は多い

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犬は人間よりも優れた聴覚を持つため、花火の大きな音に強い恐怖を感じることがあります。加えて、私たち人間は花火の仕組みを理解していますが、犬はそのような知識を持っていません。人間でも、突然大きな音や光を感じれば恐怖を覚えるのは自然なことです。

犬が花火を怖がる理由には、生まれつきの性質や社会化期(生後3~13週齢)の経験不足、トラウマなどが考えられます。ノルウェーで実施された調査によれば、約23%の犬が花火や雷、銃声などの大きな音に対して恐怖を抱いていると報告されています。

花火を怖がっている時のしぐさ

犬が花火に恐怖を感じているとき、次のようなしぐさが見られます。

  • 吠える
  • 震える
  • 呼吸が荒くなる
  • よだれをたらす
  • 落ち着きがなくなる
  • 身を堅くして動かなくなる
  • 排泄や嘔吐をする
  • 飼い主から離れようとしない
  • 逃げようとする
  • 狭い場所に隠れようとする

最悪の場合は命を落とすことも

犬に花火を見せる危険性について、獣医師は次のように警鐘を鳴らしています。

「花火の音が引き金で、けいれんを起こして意識が飛んでしまい、ガタガタと震えだす場合があります。てんかんの発作を起こすこともあるでしょうし、意識がなくなっているので吐いたものがのどに詰まって呼吸が止まり、最悪の場合は亡くなってしまうことがある」

出典:「愛犬にも花火を見せてあげたい」はNG コロナ禍でペットを飼い始めた人、気を付けて! – RKBオンライン

さらに、大きな音や振動が原因で、下痢、嘔吐、膀胱炎、心臓発作などの症状が引き起こされる可能性があるため、十分な注意が必要です。

犬を花火大会に連れて行くリスク②脱走する可能性

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もし愛犬を花火大会に連れて行き、花火の音に驚いてパニックを起こした場合、暴れて逃げ出す恐れがあります。花火大会の会場は人混みが多く、夜は視界も悪いため、逃げた犬を見つけるのは非常に困難です。

犬がパニックになると、首輪やハーネスから抜け出し、飼い主の声が届かず、全力で走ってどこかへ行ってしまうこともあります。「リードをしっかり握っているから大丈夫」と過信することが、一生の後悔につながる可能性もあるのです。

犬を花火大会に連れて行くリスク③会場でのトラブル

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多くの人が集まる花火大会の会場には、何が落ちているかわかりません。屋台の食べ残しやアルコール、子供が落としたおもちゃなど、犬にとって有害なものを口にしてしまう恐れがあります。

「犬から目を離さなければ大丈夫」と思うかもしれませんが、人混みや暗い環境では視界が悪く、どんなに注意していても犬の安全を完全に守るのは難しいでしょう。

さらに、花火大会には犬が苦手な人もいます。他人に吠えたり、会場で排泄してしまうなど、迷惑をかける可能性も考えておかなければなりません。

以上のように、愛犬を花火大会に連れて行くことには、さまざまなリスクが伴うため、おすすめできません

海外の事故事例と対策

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犬に花火を見せる危険性について、参考になる海外のニュースをご紹介します。

2017年、南アフリカでは新年を祝う花火が原因で、少なくとも30頭の犬が死亡したと報道されています。死因は様々で、花火に驚いて脱走した犬がパニック状態で車にひかれたり、外につながれていた犬が暴れて鎖が巻き付いて窒息死したケースが多かったとされています。

こうした事例は南アフリカに限らず、他国でも報告されています。アメリカの独立記念日やイギリスのガイ・フォークス・ナイトなど、花火が多く打ち上げられる祝日には、犬の脱走や事故が倍増するため、各国の獣医師協会や動物保護団体などが注意を呼びかけています。

花火大会までに準備すること

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ここからは、花火を怖がる犬を飼っている方に向けて、花火大会当日に自宅でできる対策をご紹介します。花火が始まる前に、次のような準備をしておきましょう。

迷子対策

花火の音や閃光の影響で犬がパニックになると、脱走する恐れがあります。万が一に備えて、マイクロチップや迷子札を装着し、特に心配な場合はGPSの使用も検討しましょう。

安全な場所づくり

音や光の刺激を受けにくい場所に、犬の避難場所を作っておきましょう。押し入れやクローゼット、お風呂の脱衣所などがおすすめです。クレートを設置し、長時間噛めるおやつを与えて、そこを安全な場所だと認識させます。

花火の音に慣れるトレーニング

花火大会に備えて、数か月かけて花火の音に慣れるトレーニングをすることをおすすめします。

花火の音が入ったCDや動画を用意し、聞こえるかどうかわからないほどの小さな音量から始め徐々に音量を上げて、音に慣れさせます。この方法は「系統的脱感作」と呼ばれる行動療法です。

犬が落ち着いているときは、褒めながらおやつを与えます。これは「拮抗条件付け」と呼ばれる方法で、嫌な音が鳴っている時に「快」の要素であるおやつを与えることで、音への印象を変える効果があります。

ただし、犬が不安で鳴き始めたり、吠えたりしたときはおやつを与えないでください。不安や警戒心を強めてしまう可能性があります。その場合は、音量を下げるか消し、犬が落ち着いたらおやつを与えましょう。

もし愛犬が重度の花火恐怖症の場合、症状が悪化する可能性があります。その場合はトレーニングせずに、ドッグトレーナーや獣医師に相談してください。

子犬は成犬よりも音に慣れやすい傾向があります。花火の音に慣れさせることは「社会化トレーニング」の一環です。

花火大会の当日にやること

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花火大会の当日には以下のような対策を取りましょう。

散歩・排せつ・食事を済ませる

花火を怖がる犬の場合、花火が始まると散歩や排せつ、食事が難しくなります。事前に全て済ませておきましょう。

戸締りを確認する

花火の音に驚いてパニックを起こし、脱走する犬が多くいます。脱走防止と音を遮断するため、しっかりと戸締まりを確認してください。

音や光の刺激を遮断する

カーテンを閉めて光を遮断し、音の刺激を和らげるために、テレビやリラックスできる音楽を流しましょう。次の『Through a Dog’s Ear』という音楽は、犬を落ち着かせる効果があるとして、海外のさまざまなメディアで紹介されています。

犬のそばに寄り添う

怖がっている犬に接するときは、飼い主が落ち着いた態度を保つことが重要です。興奮したり、叱ったりすると、かえって逆効果になるので注意しましょう。犬が助けを求めている場合は、優しく抱っこして安心させてあげてください。

前章で紹介したクレートを使用する際は、厚手のバスタオルや毛布で覆い、外部の刺激をさらに遮断しましょう。ただし、夏場は熱中症に注意してください。

犬が家具の隙間やソファの下など狭い場所に入りたがることもあります。その際は、無理に引っ張り出さず、そっと見守ってあげましょう。

花火への恐怖心が強いときは

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あらゆる対策を取っても花火恐怖症が改善しない場合は、獣医師に相談しましょう。不安を和らげる薬やサプリメントを処方してもらえることがあります。その際、愛犬がどのように怖がっているかがわかる動画があれば、診断の助けになるかもしれません。

また、病気が原因で恐怖心が強くなっている可能性もあるため、獣医師の診察や健康診断を受けることをおすすめします。特に、持病がある犬の場合は、感覚が過敏になることがあるため、適切な治療やケアが必要です。

場合によってはドッグトレーナーに相談し、恐怖心を少しずつ和らげるようにトレーニングすることも一つの方法です。その子の環境や経験に合わせたトレーニングプランを立てることで、愛犬のストレスを軽減できる可能性があります。

恐怖心を和らげるグッズ

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花火を怖がる犬向けに、恐怖心を和らげるためのグッズが販売されています。絶対に効果があるとは言えませんが、試してみる価値はあるかもしれません。

サンダーシャツ

サンダーシャツは、花火や雷、動物病院での診察、分離不安などの際、犬を落ち着かせるために開発されました。公式サイトによると、赤ちゃんを包むように、穏やかな一定の圧力をかけることで、不安や恐怖、興奮しすぎた状態を和らげる効果が期待できるとされています。

ウェイトブランケット

質の良い睡眠や不安感の軽減効果があるとして、人間にも人気のウェイトブランケットは、犬にも効果が見られるかもしれません。犬の体重の約10%に相当する重さのものを選び、頭や首に圧力がかからないように注意して使用しましょう。

イヤーマフ(スヌード)

イヤーマフは完全に音を遮断することはできませんが、聞こえる音の大きさを減少させることで不安を和らげる効果が期待できます。犬がイヤーマフに慣れるまで時間がかかることがあるため、着用中におやつを与えるなどして、徐々に慣れさせると良いでしょう。

ホワイトノイズマシン

ホワイトノイズは、赤ちゃんが母親のお腹の中で聴いていた音に似ていることから、赤ちゃんの寝かしつけにも使われています。犬が敏感に反応する音をカバーできるため、不安を和らげる効果が期待できます。

ホワイトノイズマシンだけでなく、YouTubeの動画やスマホアプリを利用することもできます。

まとめ

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人間にとって楽しい花火大会ですが、犬を連れて行くことはリスクが多いため、控えることをおすすめします。日本国内だけでなく、海外でも犬の脱走や死亡事故が報告されており、注意が呼びかけられています。

花火が苦手な犬には、花火大会の前から準備をし、当日は不安感を最小限に抑える対策を講じてください。恐怖心が強い場合は、専門家にアドバイスを求めることも一つの方法です。

犬の不安を軽減するグッズもありますので、上手に取り入れ、愛犬の恐怖心を少しでも和らげてあげましょう。

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