大人の野良猫を保護したいと思ったとき、まず初めに何をすれば良いのでしょうか。
もともと外で過ごしていた野良猫だからこそ、最初にやるべきことやお世話の際の注意点がペットショップなどからお迎えした猫とは異なります。
今回は、大人の野良猫を保護してまず初めにすべきことや、保護したあとの飼い方・注意点をわかりやすくお伝えします。
これから大人の野良猫を迎える方や、野良猫を飼い始めたばかりの方はぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
大人の野良猫を保護したらまず初めにやること
野良猫を保護したら、最初にすべきことが3つあります。
1.動物病院へ連れて行く
2.迷い猫かどうか確認する
3.飼育できる環境を整える
特に、野良猫は元気そうに見えても何らかの病気を持っている可能性があるので、動物病院に必ず連れて行きましょう。
それでは、3つの項目について詳しく見ていきましょう。
1.動物病院へ連れて行く
野良猫を保護したら、まずは動物病院に連れて行く必要があります。
近くの動物病院で、ノミ・マダニの駆除や健康状態の確認のほか、マイクロチップの有無なども確認してもらいましょう。
また、野良猫は、これまでに各種予防接種や予防薬の投与を受けていないことが多く、寄生虫がいたり、何らかの感染症にかかっている可能性があります。治療や今後の予防接種の必要性について、獣医師とよく相談をしましょう。
先に飼っている猫がいて野良猫を保護した場合は、野良猫が病気や感染症を持っていることがあるので、病院で診察して結果が分かるまでは猫同士を引き合わせないように隔離してください。
2.迷い猫かどうか確認する
「野良猫」だと思って保護した猫は、もしかしたら飼い主がいる「迷い猫」かもしれません。
SNSやネット掲示板の情報のほか、保健所や警察署に連絡をとるなどして、保護した猫を探している飼い主さんがいないかをよく確認しましょう。
特に、愛想が良く人懐っこい猫は人間に飼われていた可能性が高いので注意が必要です。
3.飼育できる環境を整える
野良猫を保護する前に、最低限の飼育環境を整えましょう。
初めに用意すべきグッズは、以下の5つです。
- 水飲み
- キャットフード
- トイレ(猫砂・トイレ本体)
- ケージ
- 毛布
人馴れしていない猫は、初めはケージの中に閉じ篭ってしまう場合も少なくありません。そのため、猫が十分に運動できるような広めのケージがおすすめです。1段タイプでは、トイレやご飯・水の容器を置くとスペースがほとんどなくなってしまうので、2段〜3段タイプが望ましいです。
そのほかにも、爪とぎやおもちゃ、キャリーバッグなども徐々に揃えていきましょう。これらのグッズは、ペットショップやホームセンターですべて揃えることができます。
大人の野良猫を保護した後のお世話のポイント
野良猫を保護したら、どのようにお世話をしていけば良いのでしょうか。
初めはあまり関わりすぎない
野良猫にとっては、慣れない環境下で急に人間とたくさん接するのはストレスとなることがあります。初めのうちは様子を見ながら、お世話は「ごはん」「水」「トイレ」といった必要最低限のものにとどめ、あまり関わりすぎないようにしましょう。
特に、大人の野良猫は子猫よりも警戒心が強いため、人間に慣れるまでに時間がかかります。人馴れしていない猫は半年以上かかる場合もあるようです。大人の野良猫を保護したら、辛抱強く、ゆっくりと時間をかけて接していく必要があることを理解しておきましょう。
ケージを置く場合は、ケージに毛布をかけるなどして、猫が落ち着けるスペースを作ってあげると良いです。
お風呂や爪切りは慣れてから
野良猫は手入れをされていないので、体が汚れて臭っていたり爪が伸びている場合があります。すぐにでもきれいにしたい気持ちはわかりますが、ただでさえ環境が変わって緊張している中、よく知らない人間にお風呂に入れられてしまっては、猫は大きなストレスを感じてしまいます。
猫に嫌われないためにも、お風呂や爪切りは猫が新しい環境に慣れてからにしましょう。
体の汚れがどうしても気になる時は、拭くタイプのシャンプーがあるので、猫に威嚇されないようでしたら使ってみてください。
ちなみに、人に慣れていて触らせてくれる猫は、ブラッシングをしたり、撫でてあげたりするだけでもかなり汚れが落ちます。
爪とぎは数カ所に設置しよう
爪とぎは1つではなく、猫が行動する場所にいくつか設置しましょう。
野良猫でも爪とぎの習慣はあるので、専用の爪とぎを数カ所に用意しておかないと、猫は壁やソファで爪をといでしまうかもしれません。
もし、猫が壁などで爪とぎをしようとした場合は、優しく手で払うように止めて、猫が爪をとごうとした場所に爪とぎを設置します。これで爪とぎを覚えさせることができます。
大人の野良猫を保護する前に知っておきたい注意点
最後に、野良猫を保護してお世話をするにあたって、知っておきたい注意点をご説明します。
これらの注意点を事前に知っておくことで、保護をした飼い主さんの不安も和らぎ、野良猫のストレスもできるだけ減らすことができるでしょう。
1.数日間夜鳴きをすることがある
野良猫を保護して数日間は、たとえ大人の野良猫であっても、不安になって夜鳴きをしてしまうことがあります。中には夜鳴きが数ヶ月に及ぶケースもあるようです。
猫が夜鳴きをすると、飼い主さんが睡眠不足になってしまうだけでなく、近所から苦情が来ることがあります。
夜鳴きをするたびに猫に構うと悪化してしまうため、辛抱強く家に慣れてくれるのを待ちましょう。また、あらかじめご近所さんに野良猫を保護したので飼うことを伝え、理解しておいてもらうことで、ご近所トラブルも回避できます。
2.飲食やトイレは数日間しないことがある
大人の野良猫を保護して数日間は、トイレをしなかったり、何も口にしないことがあります。
環境の変化による緊張やストレスが原因であれば、慣れてくるとだんだんごはんを食べたり、トイレをしたりするようになります。
猫の様子を見つつ、あまり長いこと何も食べなかったり、ぐったりとして具合が悪そうな様子があれば、獣医師に相談してみましょう。
筆者が野良猫を保護した際は、家に来て2日ほどは何も食べず、4日目まではウンチも一切しませんでした。その後も1ヶ月ほどは小食で、ウンチも2日に1回程度しかしませんでしたが、半年後には食欲旺盛かつ毎日快便になり、今でも元気に過ごしています。
3.避妊・去勢は早めにした方が良い
猫は、繁殖力が非常に強い動物です。
子猫が増えすぎて飼えなくなってしまう事態が起こらないよう、不妊手術は早めにしましょう。
また、子猫を増やす予定がないのに去勢手術・避妊手術をしないままでいると、発情期に猫にストレスが溜まりやすくなります。
去勢手術・避妊手術は、生後6ヶ月頃から受けることができます。自治体によって手術費用の援助をしてくれる場合もありますので、事前に調べてみてください。
まとめ
今回は、大人の野良猫を保護する前に知っておきたいことや、お世話の仕方をご紹介しました。
野良猫を保護しようかどうか、まだ悩んでいる方もいるかもしれません。
慣れたり仲良くなるまでは時間がかかるかもしれませんが、その分絆も深まります。
敵に追われたり、暑さや寒さに耐え辛い思いをしている野良猫が少しでも家で幸せに過ごせるように、辛抱強く、少しずつ猫との距離を縮めていきましょう。