ペットが食べたら危険な植物とは?身近なアジサイやユリにも注意

ペットが食べたら危険な植物とは?身近なアジサイやユリにも注意

暖かくなって、お花や植物が生い茂る季節になりました。ペットとの散歩の途中できれいな花を見つけたり、庭やベランダで植物を育てたりしている方も多いと思います。

しかし、身近にある植物の中には、ペットにとって中毒となるものがたくさんあるのをご存知ですか?植物中毒の症状には、軽症から重症まで様々なリスクがあります。

今回は、ペットが食べてしまうと危険な植物をご紹介します。

この記事の目次

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ペットの植物中毒とは?

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ペットが特定の植物や部位を食べたり触れたりすることで、様々な症状が現れ、場合によっては命に関わることもあります。
主に見られる症状は以下の通りです。

  • 軽度の皮膚症状
  • 嘔吐、下痢などの消化器官症状
  • 神経症状

これらに加え、心臓や呼吸器の症状など重症化のリスクもあります。

飼い主が植物について知ることの必要性

単に植物といっても、花・葉・根や球根・種子など有毒な成分が含まれる部分は、それぞれ異なります。

トマトを例に見てみましょう。完熟したトマトの実は犬に与えても基本的に悪影響はありません。しかし、 花・葉・茎・ヘタにはトマチンという、殺虫成分のある毒素が非常に多く含まれており大変危険です。
花や葉をあえて与えることはないと思いますが、ご家庭で育てている場合は、落ちた花びらや葉を誤飲する可能性は十分にあります。

このように、一見大丈夫そうな植物もペットにとっては毒となりうるため、飼い主が危険な植物の知識を持っておくことはとても重要です。

ペットにとって危険な植物5選

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以下ではペットにとって危険な植物の代表を5つ紹介します。

1. ユリ(百合)

ユリは非常に中毒性の高い植物で、少量でも強い症状が出ることがあります。
植物全体に毒性があり、生けていた水を摂取することも危険です。

また、ユリの花粉は粘着質で、被毛についたらなかなか取れません。

【症状】
ブドウと同じように、急速な腎不全を起こします。
初期は多飲多尿、次第に乏尿や無尿になります。嘔吐や食欲不振なども見られます。

2. アジサイ(紫陽花)

アジサイは、つぼみ(最も毒性が強いとされる)・葉・茎・根に毒性があります。

【症状】
嘔吐、下痢、痙攣、ふらつき、昏睡など。

3. スイセン(水仙)

公園や庭先でよく見かけるスイセンですが、植物全体、特に球根に強い毒性があります。

【症状】
嘔吐、下痢、よだれや血圧低下、心不全など。重症化すると昏睡状態や麻痺など。
また、触れることで皮膚炎を発症することがあります。

4. アサガオ(朝顔)

小学校でも育てることの多いアサガオですが、種子を食べてしまうと中毒症状が起こります。

【症状】
食欲不振、幻覚、嘔吐、下痢、血液低下など。

5. カーネーション

母の日の定番であるカーネーション。部屋に飾る機会が多いかと思いますが、実は毒性があります。

【症状】
接触による皮膚炎、軽度の胃腸障害など。

その他中毒性のある植物(部位)とその主な症状

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植物 部位 症状
チューリップ すべての部分、特に球根 嘔吐、下痢、心臓麻痺
キキョウ 嘔吐、下痢、胃腸炎、血圧低下
種子、葉、樹皮、果肉 粘膜の充血、呼吸促迫、嘔吐、痙攣
シクラメン すべての部分、特に根 胃腸炎、ケイレン、神経麻痺
ツツジ 花、葉 嘔吐、下痢、よだれ
ジンチョウゲ 花、根 皮膚炎、嘔吐、下痢
パンジー・ビオラ 根茎、種子 嘔吐、神経麻痺
ポインセチア 樹液、葉 嘔吐、下痢、皮膚炎、痙攣
ヒガンバナ すべての部分、特に球根 嘔吐、下痢、昏睡
アザレア すべての部分、特に葉 嘔吐、痙攣
カラー 口内炎、皮膚炎
イヌサフラン すべての部分、特に球根 よだれ、嘔吐、下痢、呼吸低下、ショック症状
アロエ 皮下の乳液 下痢、血尿、貧血
ポトス すべての部分 口内炎、皮膚炎
アイビー すべての部分 嘔吐、下痢

本記事で紹介している植物以外にも、中毒性のあるものはたくさんあります。

新しい植物を生けたり、知らない植物がある場所にペットを連れて行く際は、事前に危険がないか調べることをおすすめします。

その他に気をつけたいこと

植物の堆肥栄養剤防虫剤なども身体に悪影響を及ぼすため、ペットの手が届かない場所に保管しましょう。

ペットの植物中毒の事故を未然に防ぐために

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最も安全なのは、ペットにとって中毒性のある植物を、そもそも家や庭に置かないことです。
しかし、しっかりと対策を講じれば、ペットを飼いながら植物を楽しむことができるでしょう。

1.植物に近づかせない

ペットが来ない部屋に置く固定された倒れにくい花瓶に生ける庭に出さないなどの対策ができます。

しかし、それでも枯れた花びらが落ちてしまうなど、確実に防げないことは留意しておく必要があります。

いたずら好きの子犬や、どこにでも登り、拾い食いしてしまう猫の場合は、部屋に中毒性のある植物を置くことを控えましょう。

2.散歩やお出かけ時に目を離さない

犬との散歩中やお出かけ中に、外に生えている植物を口にしてしまう可能性もあります。
植物が多いところでは愛犬から目を離さないようにしましょう。

特に普段から拾い食いをする子は注意が必要です。
飼い主の指示(マテやヤメテ、あるいはチョウダイなど)に従うようなのトレーニングをすることで、危険な植物を口にする前やくわえている時にやめさせることができます。

3.ストレスを解消する

ペットが植物を食べてしまう理由のひとつに、ストレスが挙げられます。
運動不足、環境の変化などの原因が思い浮かぶ場合は、日頃からストレス解消を意識してあげてください。

万が一食べてしまったら

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万が一ペットが危険な植物を口にしてしまった時は、焦らず迅速に以下の行動をしましょう。

1.それ以上食べないようにする

すぐに危険な植物から距離を取り、口にくわえているものは取り上げるようにしてください。
食べてしまった量によって症状が大きく変わるため、それ以上摂取させないことが大切です。

2.「何を、いつ、どのくらいの量を食べたか」を把握する

飼い主がペットの状況を的確に伝えることで、獣医師が早急に処置を行えます。

動物病院に行く前に、何の植物を、いつ、どのくらいの量を食べたのか、確認しておくことが大切です。可能であれば植物の写真を撮っておきましょう。

3.動物病院に連れて行く

有毒植物が吸収される前に、吐き出させなければなりません。
食べた直後に症状が出なくても、後から重篤化することもあるため、すぐに動物病院へ連れていきましょう。

また、飼い主の知らないところで、ペットが有毒な植物を口にしていることもあります。
家にある植物の様子は毎日確認し、ペットの様子がおかしいと思ったらすぐに動物病院へ行きましょう。

まとめ

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今回は、ペットにとって危険な植物は身近にたくさんあることをお伝えしました。場合によっては命に関わることもありますので、ペットを飼っている方は十分注意してください。
基本的にペットは園芸用・鑑賞用の植物を食べてはいけません。

ペットを飼いながら植物も育てたい方は、危険がないか事前に確認しながら楽しんでくださいね。

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