猫が窓の外を見ながら、小さく「カカカ」「ケケケ」と不思議な声を出しているのを聞いたことはありませんか?
普段の鳴き声とは随分様子が違うため、驚く飼い主さんも多いのではないでしょうか。
これは「クラッキング」と呼ばれている猫の鳴き声の一種で、多くの猫に見られる行動です。
猫は、どのような時になぜクラッキングをするのでしょうか?
今回は、不思議な猫クラッキングの意味についてご紹介します。
この記事の目次
猫のクラッキングとは?
猫は様々な鳴き声を使って自分の気持ちを伝えます。
クラッキングはそんな猫の鳴き声の一種で、口を小刻みに開閉しながら、「カカカ」「ケケケ」と小さく声を出します。
中には、うまく声が出せずに口とひげだけ動いていたり、歯をカチカチと鳴らすだけだったり、「ニャニャニャ」と声も一緒に出たりしてしまう猫もいるようです。
実際にどのような鳴き方なのか、動画で見てみてください。
ちなみに、日本では、英語で「カタカタ・カチカチと音を立てる」を意味する「clack(クラック)」から名前がつけられています。
英語圏の国では「おしゃべり」を意味する「chatter」から「chattering(チャタリング)」と呼ばれているようです。2つ目の動画はまさに、猫同士がおしゃべりをしているようで面白いですね。
初めて聞く方は驚かれるかもしれませんが、クラッキングは猫特有の鳴き方で、どの猫にも起こりうる正常な反応です。
猫がクラッキングをする意味
猫は、何か動いているものに反応している時によくクラッキングをします。
そのため、窓から鳥など小動物が動いているのを眺めている時や、室内で虫などを見つけた時によく見られます。また、おもちゃで遊んでいる時にも見られることがあるそうです。
猫がクラッキングをする際の気持ちとしては、以下が考えられます。
- 獲物を見つけて本能的に興奮している
- 獲物が見えているけれど捕まえることができず、もどかしく思う気持ち
- 獲物を見て警戒・不安な気持ち
猫に備わる狩猟本能から、獲物を見て興奮し声が漏れてしまったり、捕まえられないもどかしい気持ちからクラッキングをするのですね。
頻繁なクラッキングは要注意
クラッキングは病気などではなく、本能的な行動です。しかし、もどかしい気持ちから行っていることが多いため、あまりに頻繁に行うとその分ストレスが溜まってしまうことがあります。
おもちゃで遊ぶなど適度に構ってあげることで、ストレスを発散させてあげるよう心がけてください。
飼い主さんに向かってクラッキングをするのはなぜ?
猫は獲物を見てクラッキングをすることが多いのですが、なんと、飼い主さんに向かってすることもあります。
これにはどのような意味があるのでしょうか。考えられる2つの理由をご紹介します。
1. 飼い主さんを信頼している
獲物を見つけた時や得体の知れない何かを見つけた時に、「何かがいる!」と飼い主さんに伝えようとしてクラッキングをすることがあります。
そのため、飼い主さんへのクラッキングは信頼を表していると読み取ることもできます。
何か危険なものから「飼い主さんを守りたい」という気持ちも混じっているのかも知れません。
2. 何かを要求している
猫は捕まえたいものが捕まえられないもどかしい時にクラッキングをすることが多いですが、それが発展して、欲求不満の際にもクラッキングをすることがあります。
飼い主さんに向けてクラッキングをすることが多いと感じたら、不満やストレスの表れかもしれません。
欲求不満の原因になっているものはないか、気にかけてみると良いでしょう。
クラッキングへの過剰な対応は避けましょう
猫がクラッキングをする度に、気にかけたりおやつをあげたりしてしまうと、「クラッキングをすれば飼い主さんの気を引くことができる」と学習してしまうことがあります。
基本的にクラッキングは自然な行動のため、そのまま様子を見ていれば収まります。
最初は心配してしまうかもしれませんが、過剰な反応は避けましょう。
クラッキングは飼い猫特有の行動
クラッキングは、飼い猫に多く見られる行動です。
野良猫でも稀に見られることがあるそうですが、一般的には野良猫や同じネコ科のライオン、トラなどはクラッキングをしません。
理由は、「狩りをしている時にクラッキングをしてしまうと、獲物にバレてしまうから」だと考えられています。
クラッキングをしない飼い猫もいる
野良猫から飼い猫になった猫は、野生時代の習性からクラッキングをしないこともあります。
また、幼い頃からの飼い猫でも、性格によってはクラッキングをしない子もいるようです。
クラッキングの有無や頻度は、猫の個性といえるでしょう。
まとめ
クラッキングは猫の狩猟本能によるもので、目の前の獲物を捕まえたいけれど捕まえることができないもどかしい気持ちが表れていることがわかりました。
猫にとっては自然な行動なので、心配する必要はありません。
ただし、それ以外のことを意味する場合もあります。
愛猫がどのような理由でクラッキングをしているのか、観察しながら考えてあげると良いでしょう。