犬を連れて散歩をしていると、「かわいい〜」などと声をかけられる経験がある方も多いのではないでしょうか。「かわいい」と言われるだけでばあれば飼い主としてもうれしいですが、突然犬を触られてドキッとすることもあると思います。
また、「触ってもいいですか?」と聞かれると、本当は嫌だけどなかなか断れなくて困っているという方もいるかもしれません。
今回の記事では、愛犬を触りたい人の声の掛け方と、触られたくない場合の断り方、上手に触ってもらう方法について解説していきます。犬を飼っている人も、他人の犬を触りたいと思うことがある人も、ぜひご一読ください!
この記事の目次
触ってほしくない飼い主さんの意見
飼い主さんが愛犬を触ってほしくないと考えているのは、嫌がらせやケチだからという理由ではありません。
犬が人を傷つけてしまうかもしれない
ほとんどの飼い主さんは、愛犬が人や他の動物を傷つけてしまわないよう細心の注意を払っています。
どんなに穏やかな犬であっても、犬が絶対に人を傷つけないとは言い切れません。その時にたまたま機嫌が悪かったり、触り方が悪くて攻撃的になることも考えられます。
特に小さい子どもは、力の加減ができなかったり、予測不能な動きをしたりするため、犬がびっくりしてしまうことから、触ってほしくないという飼い主さんは多いのです。
咬傷事故は飼い主の責任
日本国内では、報告されているだけでも咬傷事故が毎年4,000件以上起こっており、その多くは散歩中に発生しています。
もし相手が勝手に犬を触ってきても、ケガを負わせてしまったら、その責任は飼い主さんにあります。場合によっては愛犬が殺処分されてしまうかもしれません。そのようなことを未然に防ぐためにも、触らせないようにするのが安心です。
犬のストレスになるかもしれない
何かしらの理由で人が苦手だったり、人見知りする犬は、知らない人に触られるのを嫌がったり、怖がったりします。
攻撃的にならないとしても、触られるだけでストレスになってしまいますし、ヘルニアなどの病気を抱えている場合は肉体的負担になることもあります。
単純に接触したくない
最近では特に、新型コロナウイルスの影響で、愛犬を触られたくないという人が増えています。
触っても良い飼い主さんの意見
そうは言っても、愛犬が「かわいい」と言われるのはうれしく、一声かけてくれれば触っても良いと考える飼い主さんも少なくありません。
人が好きで喜ぶ
犬にも性格は個体差があり、人のことが好きで、触られたりするのも大好きだという子もいます。
いろいろな人と触れ合うと社会性も身につけられ、犬にとってプラスになることもあります。
人同士の交流にもなる
犬の飼い主にとって、散歩の時間は他人との大切な交流の時間でもあります。飼い主さん自身が人との交流を楽しみにしているという場合もあります。
触る側の声の掛け方、触られる側の答え方
犬を触りたい側の声の掛け方
かわいいと思っても、人の犬を勝手に触るのはマナー違反です。
「かわいいですね。撫でても大丈夫ですか?怖がりませんか?」と一言声をかけるようにしましょう。また、触られて嫌がる部位があるかなどを聞いておき、少しずつ優しく撫でてあげることで、咬傷事故のリスクをできるだけ押さえましょう。
犬を触りたいと言われた側の答え方(OKの場合)
「別に触るくらいなら大丈夫」と思う場合は、「大丈夫ですよ」と答えた上で、次の章でご紹介する「上手に触ってもらう方法」を参考にして、ゆっくりと犬との距離を縮めてもらいましょう。
また、噛み癖のある犬の場合はむやみに触らせないようし、きちんと断ることも大切な責任です。
犬を触りたいと言われた側の答え方(NGの場合)
本当は断りたいけど断れないという方のために、断りやすい理由を考えてみました。普段から悩んでいるという方は参考にしてみてください。
- 「人に慣れていなくて、びっくりしてしまうので」
- 「怖がりで、ケガをさせてしまうかもしれないので」
- 「病気の治療中なので」
もし、それでも触ろうとする人がいる場合は、愛犬を引き寄せたり抱き上げたりして触らせないようにしましょう。
上手に触る/触ってもらう方法
犬に上手に触る、あるいは触ってもらう方法を知っておくことで、お互いが嫌な思いをしたり、犬がストレスを感じないように心がけましょう。
1. しゃがんで犬と同じ目線になるようにする
上から覆いかぶさるように見られると、私たち人間でもびっくりすることがありますよね。犬も同様ですので、しゃがんで犬と同じ目線の高さになるようにしましょう。
この際、正面からじっと見つめると敵意があるとみなされてしまうため、横に回り込むようにしゃがみ、視線を少しずらすことが大切です。
また、飼い主さんはリードを短く持ち、愛犬のそばにいて安心させてあげてください。
2. 匂いを嗅がせる
手を犬の前に出して匂いを嗅いでもらいましょう。手を「パー」にして出す人が多いですが、「グー」の方が警戒心を与えないとされています。
3. 下の方からそっと触る
つい頭を撫でてしまいがちですが、やはり上から来られると犬はびっくりしてしまいます。まずは犬の体の側面や首元をそっと触るようにしましょう。
飼い主さんは、犬が触られると嫌がるところがあればあらかじめ伝えるか、「ここを触ってね」と場所を指定すると良いでしょう。触る側は、尻尾や後ろ足など、多くの犬が触られるのを嫌がる場所を知っておくことも大切です。
4. 犬の気持ちも読み取る
愛犬の尻尾が下がっていたり、耳が後ろに倒れている場合は恐怖を感じていたり緊張したりしていることが考えられます。危険ですので、そんな時はきっぱりと断りましょう。
ジャーキーテロにも気をつける
ジャーキーテロとは、飼い主に許可をとらずに勝手に餌やおやつを与えてしまう行為です。
良かれと思ってやっている場合がほとんどですが、アレルギーやカロリー管理の面からも良いことではありません。
他人に食べ物を与えられそうになった場合は、「ダイエット中なんです」などと言って断るか、自分で持ってきたおやつをあげてもらうようにしましょう。
まとめ
愛犬を触らせる・触らせないの判断は飼い主が決めるべきことであり、どちらが正しいということはありません。
「ちょっとくらいいいじゃない」「触らせてくれないなんてケチ!」なんて思われることを避けたくて、渋々承諾している飼い主さんは勇気を持って断りましょう。それが飼い主さんや愛犬の幸せだけでなく、相手の安全にも繋がります。触ってもいいと考えている方は、愛犬から目を離すことなく一緒にいてあげてくださいね。
触りたい側の方も、許可なく勝手に触ったり、犬が嫌がる触り方をするのはマナー違反です。
お互いが気持ちよく生活できるように、適切な対話を心がけましょう。