赤ちゃんがいるご家庭で猫を飼い始めたり、猫を飼っているご家庭に赤ちゃんを迎えることになったりすることがあるかもしれません。「猫と赤ちゃんって一緒に暮らして大丈夫なの?」と疑問に思われる方は多いのではないでしょうか。
基本的に、赤ちゃんに猫アレルギーや病気などの事情がない限り、猫と一緒に暮らすことは可能です。しかし、同時に、赤ちゃんの衛生面や猫のストレスなど、気をつけなければいけないこともたくさんあります。
今回は、猫と人間の赤ちゃんが一緒に暮らす際の衛生面の注意点や猫のストレス対策をご紹介します。
この記事の目次
猫と赤ちゃんの生活【衛生面での注意】
「猫がいる環境は赤ちゃんにとって衛生上問題があるのでは?」と心配される方は多いと思います。
しかし、事前に注意するべき点を明確にしておけば、可能な限りトラブルを避けることができます。
以下では、猫と赤ちゃんの生活における衛生面の注意点を6つご紹介します。
ただし、赤ちゃんの病気や体質によっては、猫との生活が難しい場合もあるので、不安な点があれば医者や獣医師と相談することをお勧めします。
1.居住スペースを分ける
接触を完全に断ち切る必要はありませんが、猫が勝手に赤ちゃんの寝室に入ってしまわないよう、居住スペースは分けましょう。
赤ちゃんがハイハイをして部屋を動き回るようになったら、猫のおもちゃやお皿などは赤ちゃんの手の届かないところに置くようにしましょう。
2.猫のブラッシング・シャンプーを丁寧に
室内に舞い散る猫の抜け毛を減らすため、こまめにブラッシングやシャンプーをしましょう。
特に猫の排泄後は、毛や体に汚れが付いてる場合があるので綺麗に拭いてあげましょう。
3.赤ちゃんを猫のトイレに近づかせない
赤ちゃんがハイハイで移動できるようになった際には、ベビーガードを利用するなどして猫のトイレには近づかせないようにしましょう。
4.猫に触れた後赤ちゃんを触る際は、手洗いを
猫のケアをした後や猫のトイレ掃除をした後は、必ず手洗いをしてから赤ちゃんを触りましょう。衣類についた毛もなるべく取り除きましょう。
5.ハウスダスト対策を徹底
猫の抜け毛やフケ、ダニなどのハウスダストが、赤ちゃんのアレルギーの原因となることがあります。普段以上にこまめな掃除をしましょう。空気清浄機を利用するのもお勧めです。
6.猫の爪を切る
爪切りのケアをしていないと、猫がじゃれついた拍子に赤ちゃんの肌に引っ掻き傷をつけてしまう可能性があります。
「猫引っ掻き病」という感染症にかかってしまうこともあるので、万が一猫が赤ちゃんを引っ掻いてしまった時は、傷口をよく洗い、様子によっては病院に連れて行きましょう。
妊婦さんはトキソプラズマに注意
トキソプラズマ症とは、トキソプラズマという原虫に寄生されることで感染する人獣共通感染症です。
トキゾプラズマ症に感染した猫の糞便に含まれる、オーシストと呼ばれる寄生虫の卵のようなものを経口摂取してしまうことで感染します。(猫がオーシストを排出するのは初感染した時のみといわれています。)
妊婦さんがこれに初感染してしまうと、赤ちゃんに流産や死産、先天性の障害が起こることがあります。
感染予防法
予防策として、以下の4つを徹底することで感染リスクを下げることができます。
- 猫を完全室内飼いにする
- 猫に生肉を決して食べさせない
- 猫のトイレ掃除は使い捨てのビニール手袋を使い、手洗いをしっかりする。または、他の家族に任せる
- 猫の糞便はなるべく早く掃除する
猫と赤ちゃんの生活【猫のストレス対策】
新しい家族が増えると、猫はその環境の変化に慣れることができずにストレスを感じてしまいます。
猫が赤ちゃんと良い関係を築けるように、猫のストレスに気を使ってあげることが大切です。
猫だけのスペースを作る
猫が赤ちゃんと適度に距離を置いて、くつろげる空間を作ってあげましょう。
特に、猫は赤ちゃんの鳴き声などの大きい音が苦手です。なるべく声が届かない場所に居場所を整えてあげると良いでしょう。
コミュニケーションは毎日とる
赤ちゃんのお世話で忙しくなり、猫にかまってあげられる時間が以前と比べてどうしても少なくなってしまうのは仕方のないことです。
しかし、猫が「飼い主さんがかまってくれなくなった」と思ってしまうと、赤ちゃんへの嫉妬やストレスの原因となってしまいます。
忙しい毎日でも、猫とコミュニケーションを取ることは決して忘れないようにしましょう。
猫と赤ちゃんを少しずつ慣れさせよう
猫は初めて見る赤ちゃんの存在に戸惑ったり、興味を持ったり、怖がったりと様々な反応を見せるでしょう。猫と赤ちゃん、お互いへの危険を避けるためにも、猫と赤ちゃんの面会は慎重に行いましょう。
面会の開始時期などに決まりはないため、余裕ができた時に行うのが良いでしょう。
以下に3つのポイントをまとめました。様子を見ながら、焦らずに猫と赤ちゃんを慣れさせていきましょう。
1.赤ちゃんの泣き声に慣れさせる
猫が最も驚くのは、赤ちゃんの泣き声かもしれません。猫はただでさえ大きな音が苦手ですから、慣れていないとストレスに感じてしまう可能性が高いです。
赤ちゃんが家に来る前から、youtubeなどで赤ちゃんの鳴き声を聞かせてみてください。最初は小さな音から始めてくださいね。
2.赤ちゃんの存在に慣れさせる
赤ちゃんを抱っこして猫に見せたり、赤ちゃんの匂いのするものを嗅がせたりするなどして、赤ちゃんの匂いや見た目に少しずつ慣れさせることが大切です。
また、赤ちゃん用品も増えるので、その都度、見せたり匂いを嗅がせたりして環境の変化にも慣れてもらいましょう。
3.触れ合いは大人が見守る中で
赤ちゃんは動けるようになると、猫を驚かせる行動に出てしまう可能性もあります。触れ合う際は必ず大人が側でサポートしてあげましょう。
また、触れ合うタイミングは猫と赤ちゃんが落ち着いている時がよいでしょう。
猫との生活が人間の赤ちゃんに教えてくれること
猫と一緒に生活することで人間の赤ちゃんは様々なことを学ぶことができます。
最後に、猫との生活が赤ちゃんにもたらす3つの良い影響をご紹介します。
1.相手の感情を想像して行動できるようになる
言葉の通じない動物と暮らすことで、相手の感情を想像して行動をすることが学べます。
親御さんが愛情や優しさを持って猫の世話をする姿を見て、人や動物への接し方を学びながら成長することができるでしょう。
2.命に対する責任感を持てる
幼い頃から「飼い主として猫をお世話する」ことを実践することで、命に対する責任感を自然と学ぶことができるでしょう。
3.ストレスを抑制する
動物との触れ合いにはストレスホルモンを抑制する効果があります。
日々の触れ合いによって、猫と赤ちゃんが良い関係を結ぶことが期待できます。
まとめ
猫と赤ちゃんの共同生活は注意することがたくさんある反面、良い影響をもたらしてくれます。
赤ちゃんに衛生的悪影響を与えないためにも、猫自身を衛生的にケアしてあげることが大切です。
とはいえ、愛猫と赤ちゃんの世話を同時に行うことは大変ですよね。今回ご紹介したことを気をつけながら、家族や友人で協力して、愛猫と赤ちゃんが幸せに暮らせるよう工夫をしてあげましょう。