「ワンプロ」という言葉をご存知ですか?愛犬を紹介しているSNSなどで見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
ワンプロとは、犬同士が遊びとしてじゃれ合いをすることです。
初めて見ると「喧嘩かな?」と心配になる方も多いと思いますが、ワンプロは犬同士の社会勉強やコミュニケーションに繋がる遊びです。
今回は、ワンプロについて、そのメリットと注意点、喧嘩との見分け方をご紹介します。
この記事の目次
ワンプロとは?
ワンプロとは、「ワンちゃんのプロレス」の略で、犬同士が遊びとしてじゃれ合いや取っ組み合いをすることです。
ドックランに遊びに行く際や、多頭飼いをしている方は一度は見たことがあるのではないでしょうか。
見たことがないという方は、以下の動画をご覧ください。
ワンプロでは、甘噛みで噛み付く、前足で戦う、上に乗っかる、追いかけ合うなどの様子が見られます。
激しく取っ組み合いをすることも
初めて見ると「喧嘩しているのかな?」「怪我の危険性は?」と心配になる方も多くいると思います。
犬によっては、とても激しい取っ組み合いを見せる場合もあるのですが、お互いちゃんと力の加減をしています。
逆にいうと、お互いが力の加減をできる相手以外とのワンプロは危険です。怪我を防ぐために気をつけたいことは、「ワンプロの注意点」の章でご説明します。
ワンプロのメリット
ただ遊んでいるだけに見えるワンプロですが、実は子犬の社会性の発達や犬同士のコミュニケーション方法としてとても大切な役割を持っているのです。
1. 子犬が社会性を身につけることができる
子犬の時期に他の犬とじゃれ合うことで、コミュニケーションの方法や自制心などの社会性を身につけることができます。
犬とじゃれ合う中で、「ここまでなら噛んでも痛くない、これ以上は痛い、しつこいと嫌がられる」といったことを学んでいるのです。
これは犬同士で仲良くするためだけでなく、人間と一緒に暮らす上でも役に立ちます。攻撃的にならずに、他の犬や人間と上手に関係を築き上くために重要なことなのです。
2. 犬同士のコミュニケーションになる
子犬でなくても、犬同士でじゃれ合うことでお互いを理解し仲を深めることができます。
一方で、相性が合わないと喧嘩に発展する可能性があります。
怪我にならない程度のちょっとした喧嘩であれば、犬同士で和解したり適切な距離をとったりするためのコミュニケーション方法になることもあるようです。
次の章では、ワンプロによる怪我を防ぐために飼い主さんが注意したいことをご紹介します。
怪我を防ぐために!ワンプロの注意点
様々なメリットがあるワンプロですが、犬の安全を守るために注意しなければならないことを4つご紹介します。
1.体格差や年齢を考慮する
ワンプロ相手の体格や年齢を確認しておきましょう。
遊びでじゃれ合っているつもりでも、体格差のある犬同士だと思わぬ怪我につながる可能性があります。
特に、子犬やシニア犬がじゃれ合う際は、同じくらいの体格・体力・力量の相手に留めておくことが必要です。
2.犬同士の相性を見極める
犬同士の相性は、ワンプロの際に最も考慮するべきポイントかもしれません。
特に注意が必要なのは、生後6ヶ月から1歳前後のオス同士です。
犬の思春期とも言われるこの時期は、経験が浅く自己主張が激しいため、ワンプロが喧嘩に発展しやすいです。未去勢だとよりエスカレートしやすい傾向にあります。
実際に遊ばせる前に、愛犬の性格と相手の子の性格を把握しておきましょう。
3.休憩を挟む
遊んでいる最中に楽しくて興奮し過ぎてしまうと、怪我や喧嘩への発展に繋がりかねません。
興奮した様子が見られたら、一時的に休憩させましょう。「オイデ」などのコマンドや、興味を示す音や言葉を聞かせて、愛犬の注意を飼い主さんに向けさせると良いです。
4.喧嘩に発展する前に止める
最初は遊んでいるように見えても、だんだんと興奮して喧嘩に発展してしまうことがあります。
吠える声や噛み方の変化などをすぐに確認できるように、犬同士の様子をしっかり見守っておきましょう。そして、喧嘩に発展しそうな兆候が見られたら、速やかに相手の犬と距離を保つなどの対応をしてあげてください。
次の章では、遊びと喧嘩の見分け方についてご紹介します。
遊びと喧嘩の見分け方
遊びと喧嘩を飼い主さんが見分けることは、犬が適切にコミュニケーションを取り、怪我を回避するためにも重要です。
遊んでいる時の様子
- 甘噛み
- ずっと同じ所を噛まない
- 吠える声のトーンが普段のおもちゃ遊びの時と同じ
- 尻尾を元気に振っている
- ごろごろと地面を転がる
- プレイバウの姿勢を取っている(前足を地面につけ、お尻を高く持ち上げる姿勢)
- 追いかける/追いかけられるを交互に繰り返す
喧嘩をしている時の様子
- 歯茎を見せるほど牙をむく
- ずっと同じ所を噛んでいる
- ずっと馬乗りになる
- 毛が逆立つ
- 突進する
- 動きが強張る
- 一方的に追いかけ回す
個体差もあるため、愛犬の普段の様子に加え、過去に攻撃的になった際の様子も把握しておくことで、いざというときの変化に気がつきやすくなります。
まとめ
社会性が身につき、犬同士の仲が深まるワンプロ。子犬の時によくワンプロで遊んだ犬は、他の犬との関係の作り方が上手になります。
そのため、喧嘩だと決めつけて無闇に引き離すことはお勧めしません。
一方で、相性や体格差、犬の気分や体調を飼い主さんがしっかり考慮し、喧嘩に発展しないように見守ることも必要です。
注意点を守りながら、愛犬を安全に楽しく遊ばせてあげるようにしましょう。