1度開封したドッグフードは、食べ切るまでに何日間かかっていますか?
2週間以内という方もいれば、1ヶ月以内、中には4ヶ月以上かかるという方もいるかもしれません。
大容量のドッグフードは割安なのが魅力的ですが、その反面、「酸化が進んでしまう」というデメリットがあります。
酸化したドッグフードを与え続けてしまうと、下痢や嘔吐の原因や、時には大きな病気の原因になってしまうこともあり、侮れません。
今回の記事では、ドッグフードが酸化しやすい理由や、病気のリスク、酸化を防ぐ方法などをご紹介します。
この記事の目次
そもそも食品の「酸化」とは
一般的に「酸化」とは、「電子を失う反応」と説明されます。
いまいちピンとこないかもしれませんが、クギやコインが錆びるのも酸化の一例で、結構身近にあるものです。
食品の酸化は、食品に含まれる油分やフレーバー成分などと空気中の酸素が反応することで起こり、風味が落ちるだけでなく、健康に悪影響を及ぼすこともあります。
ドッグフードが酸化しやすい理由
ドッグフードの成分
ドッグフードには、特に酸化しやすい油分が多く含まれています。また、種類にもよりますが、ドッグフードに含まれることが多いタンパク質やフレーバー成分も酸化しやすいため、全体的にドッグフードは酸化しやすいものと考えましょう。
特に、トウモロコシなどの原料を使用したフードは価格が安い反面、酸化しやすいです。
また、健康に配慮してオメガ3脂肪酸を含んだドッグフードを選ぶ飼い主さんも多いようですが、サーモンオイルなどの脂肪酸も酸化しやすい成分です。
酸化防止剤は危険?
ドッグフードの酸化を抑えるため、酸化防止剤を使用しているものもありますが、化学合成酸化防止剤は継続的に摂取すると「がん」になりやすいとされているので、注意が必要です。
ローズマリー、トコフェロール(ビタミンE)、アスコルビン酸(ビタミンC)などの天然酸化防止剤であれば安心ですが、特にトコフェロールは酸化を防ぐ効果が弱いことに留意しましょう。
また、特に素材にこだわった高級ドッグフードでは、酸化防止剤を使用していないものもあるため、保存方法等に十分配慮する必要があります。
海外製のドッグフードに注意
素材の品質や栄養面を考慮して、海外製のドッグフードを選ぶ飼い主さんも多いでしょう。
もちろん、フードそのものの品質は良いものも多いでしょうが、湿度の高い日本の気候を配慮したパッケージでないと、すぐに酸化が進んでしまう恐れがあります。
海外製のドッグフードを与える場合は、開封後は密閉容器に移し替えるなどの工夫をした方が良いかもしれません。
酸化したドッグフードが愛犬の健康に及ぼす影響
酸化したドッグフードを食べ続けると
酸化が進んだドッグフードを継続的に与えてしまうと、嘔吐や下痢、腹痛、食欲不振など、消化器系の症状が現れることがあります。
さらに症状が進むと、肝機能低下や膵炎、腎泌尿器障害、動脈硬化、アトピー性皮膚炎などの病気のリスクが高まります。
酸化によって栄養が損なわれる
「総合栄養食」と書いてあるドッグフードは、ドッグフードと水を与えていれば、それで必要な栄養が基本的には全て補うことができます。
しかし、ドッグフードの酸化が進むと、栄養素が損なわれてしまい、犬が栄養不足に陥ってしまう恐れがあります。
ドッグフードの酸化を防ぐ方法
1. 長くても1ヶ月で食べきれる量を購入する
ドッグフードは、大容量のものを選ぶと割安ですが、何ヶ月間も開け閉めを繰り返すとどんどん酸化していってしまいます。
少し高く感じてしまうかもしれませんが、ドッグフードはできれば2週間以内、長くても1ヶ月以内で食べ切れるサイズのものを選びましょう。
少しずつ小分けになっているドッグフードを選ぶのもおすすめです。
2. 冷暗所で保管する
ドッグフードは、直射日光の当たらない冷暗所で保管するのが鉄則です。
ただし、たとえ夏場であっても、冷蔵庫にドッグフードを入れておくのはNGです。これは、冷蔵庫内と外の温度差が大きいために保存容器に結露が発生しやすく、カビが生えたり、フードが劣化しやすくなるからです。
なお、ウェットフードの場合は、開封後は冷蔵庫で保管し、数日以内に使い切る必要があります。
3. 容器はしっかり密閉する
ドッグフードは、密閉容器に入れたり、小分けにしたりして、空気に触れる時間を極力減らすことが重要です。
ドッグフード専用の保存容器でも、中には密閉性が低いものもあります。
ゴムパッキング付いているものや、真空保存ができるものなど、密閉性の高いものを選びましょう。
まとめ
愛犬の健康のために、品質の高いドッグフードを選ぶ飼い主さんは増えています。
その一方で、ドッグフードの酸化にも気をつけないと、せっかくこだわって選んでも結果的に愛犬の健康を害してしまうリスクが高まってしまいます。
できるだけすぐに食べ切れるサイズのドッグフードを選び、保管方法を工夫することで、ドッグフードの酸化を防ぎ、愛犬の健康を守っていきましょう。