みなさんは犬の毛色をどれくらいご存知でしょうか。街を歩くと、同じ犬種でも毛色の違う子たちを多く見かけますよね。
今回は、MIX犬を除く、人気犬種の毛色をジャパンケンネルクラブ(以下JKC)の基準を基に紹介します。犬種だけでなく毛色も言えると、愛犬家の中でも一目置かれるかもしれません。
この記事の目次
人気犬種TOP5
ペット保険で知られるアニコムの「家庭どうぶつ白書2021」による飼育頭数のランキングは以下の通りです。
1位・・・トイ・プードル
2位・・・チワワ
3位・・・ミニチュア・ダックスフンド
4位・・・MIX犬(毛色紹介からは除外)
5位・・・柴犬
6位・・・ポメラニアン
(アニコム「家庭どうぶつ白書2021」より)
街でもこれらの犬種をよく見かけるので、納得の結果です。
前編では、トイ・プードル、チワワ、ミニチュア・ダックスフンドの毛色について詳しく解説していきます。
トイ・プードルの毛色
街でも様々な毛色の子を見かけるトイ・プードルですが、大きくわけて5種類の毛色があります。
- ブラック:黒一色。
- ホワイト:白一色。
- ブラウン:深みがあり、非常に濃く、均一で、暖かみがある。
- グレー:均一な深い灰色。
- フォーン:金色がかった色。ペール・フォーンからレッド・フォーン、あるいはオレンジ・フォーン(アプリコット)まである。
JKCでは単色のみ認めており、ベージュ及びそこから派生した明るい色は非公認となっています。
また、一般的に知られているアプリコットやレッド・クリームはフォーンに属し、そこから派生された色であることがわかります。
チワワの毛色
チワワには非常に多くの毛色があり、マール以外の全ての色調及び組み合わせが認められています。毛色のパターンは大きく3種類にわけられます。
- 単色:ソリッドカラーとも呼ばれる
- 2色:パーティーカラーとも呼ばれる
- トライカラー:基本的にはブラックとタン(黄褐色)とホワイトの3色からなる
さらに詳しく見ていくと、多くの毛色の種類があります。
- ホワイト:白単色からややくすみがかった白まで様々で、白単色は珍しいとされている。多くは薄茶色やクリームっぽい色が混ざる。
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クリーム:薄くて明る目の黄褐色。基本的にはクリームが全体を占めるが、一部ホワイトが混ざったり、足先・耳などが部分的に濃くなることが多い。
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フォーン:金色がかった色で、黒い差し毛があったり、薄く黄色がかっていたりと様々な色の出方をすることが多い。
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レッド:赤みを帯びた茶色を指し、淡いものから濃いものまで様々。成長と共に色が退色することもよくある。
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チョコレート&タン:濃いレバー色に黄褐色の斑があることが多い。
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ブラック&タン:ブラックとタン(黄褐色)からなる2色。全体的にブラックで、タンが差し色として目や眉・頬など顔周りに斑点模様で入る。
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ブラック&ホワイト:ブラックとホワイトからなり、2色の割合は犬によって様々。
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ブラック&タン&ホワイト:ブラックとタン(黄褐色)からなる2色にホワイトが入る。色の割合は犬によって様々。
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イザベラ:薄い栗毛色(茶色がかった灰色)でチョコレートよりもさらに色味が薄く、チワワの中では珍しい。
マールはなぜ認められていないのか
マールとは「マール遺伝子」を持つ犬種で見られる毛色を指します。体表の色が線状または斑点状に薄く、全体的に退色したような毛色になることが多いとされています。
このマール遺伝子を持った犬同士が繁殖を行うと、高い確率で退色した毛色や盲目・難聴といった先天的な疾患を持った子が生まれてしまうため、マールは認められていません。
ミニチュア・ダックスフンドの毛色
ミニチュア・ダックスフンドの被毛はスムースヘアード、ワイアーヘアード、ロングヘアードの3種類があります。
今回は最もメジャーなロングヘアーの毛色についてみていきます。
毛色の特徴は大きく4種類にわけられ、その中でも複数の毛色の種類があるものもあります。
- 単色:基本の鮮明な1色のみ。
・レッド:レッドの地色にブラックのオーバーコート。小さなホワイトの斑が胸にある場合もある。 -
2色:濃いブラックまたはブラウンが毛色のベース。従来「チョコレート」としていた毛色もブラウンに含まれる。
・ブラック&タン:ベースの色はブラック。黄褐色の斑(タン)が目の上、あごの両側、下あご、胸や尾の下にあることが多い。
・チョコレート&タン:ベースの色がチョコレート色でブラック&タン同様に黄褐色の斑(タン)がある。 -
ダップル:ベースの色が濃いブラックまたはブラウンで、不規則なグレーまたはベージュの小さい斑がある。
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ブリンドル:ベースの色がレッドで、ダークなブリンドル(濃い縞)がある。
JKC公認と非公認の理由は
JKCが一部の毛色を認めないのは、主に2つの理由からです。
1. 標準的または理想的な容姿を保護するため
犬種ごとに決められた容姿を犬種標準またはスタンダードといいます。
このスタンダードを永続的に保つために、公式の色を含めた容姿が定められています。
2. 先天的異常を持つ個体が生まれるリスクを減らすため
前述のマールのように、遺伝子の組み合わせにより、生まれつきの疾患がある子が多く生まれることがわかっており、そういった組み合わせでの交配を防止する意味もあります。
もし新たに犬をお迎えする際は、一概には言えませんが、先天的な病気のリスクを検討する上で、毛色が公認・非公認かを判断材料のひとつにしても良いかもしれませんね。
また、毛色の扱いがJKCの規定上変更されることもあるようですが、一般家庭で飼う場合には大きな影響はないかと思います。
(毛色基準:一般社団法人ジャパンケネルクラブ 2022年4月時点)
前編はここまでです。
後編では柴犬とポメラニアンの毛色を詳しく見ていきます。お楽しみに!