日に日に日差しが強くなり、すっかり初夏を迎えました。愛犬は換毛期を迎え、抜け毛が増えているでしょうか。
日本の高温多湿な気候は、犬にとっても蒸し暑く、過ごしにくいことに間違いありません。そんなとき、暑さが少しでも和らぐようにとサマーカットを検討する飼い主さんもいるでしょう。しかし、一見涼しそうに見えるサマーカットですが、デメリットも理解した上で行わないと後悔してしまうこともあるかもしれません。
この記事では、犬のサマーカットのメリットとデメリットについて解説していきます。
この記事の目次
サマーカットとは?
サマーカットとは、犬の毛を本来の長さより短く切ることで、その長さや時期については特に決まりはありません。
日本の夏は特に暑く、全身が毛に覆われている犬は、熱中症の危険が常にあると考えていいでしょう。そのため、愛犬が少しでも夏を快適に過ごせるよう、サマーカットを行う飼い主さんが増えています。
では、サマーカットには、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
サマーカットを行う4つのメリット
犬のサマーカットは、適切な長さにカットすることで、たくさんのメリットが得られます。
1. 被毛に熱がこもりにくくなる
サマーカットをする一番の理由としては、暑さ対策でしょう。
被毛を短くカットすることで、風通しが良くなり熱がこもりにくくなります。
2. 見た目がかわいい
被毛を短くカットし、普段とは違った愛犬の姿はとてもかわいらしいですよね。
夏らしく、涼しそうな見た目に、おでかけが楽しくなること間違いなしです。
3. お手入れが楽になる
毛が短くなると、毛玉ができにくくお手入れが楽になります。
また、抜け毛も少なくなるため、毛球症の予防にもなり、掃除も楽になるでしょう。
4. 皮膚病の予防になる
皮膚の状態が見えるくらい被毛が短いと、皮膚の異常を見つけやすくなります。
特に皮膚の弱い子は、皮膚病の予防や早期発見に効果的です。
サマーカットを行う5つのデメリット
一方で、決して軽視できないデメリットもたくさんあります。これらのデメリットをしっかり把握し、本当にサマーカットをすべきかどうか、改めて考えてみましょう。
1. 熱中症の危険が高まる
被毛があることで皮膚と外気との間に空気ができ、断熱材としての役割をします。
しかし、その被毛が薄くなることで直射日光の影響を強く受け、かえって熱中症の危険が高くなることがあります。
2. 紫外線を受けやすくなる
皮膚が見えるくらい被毛をカットしてしまうと、紫外線を受けやすくなり、日焼けしやすくなります。
日焼けによって皮膚が黒くなったり、皮膚炎が起こったりすることもあります。
3. 蚊やダニ・ノミに刺されやすくなる
被毛は、外敵から皮膚を守る役割もありますが、被毛が短かったり、皮膚が剥き出しになっていると危険です。
もちろん、サマーカットにしなくてもフィラリアやダニ・ノミ対策は必須ですが、サマーカットにすると外敵にさらされるリスクが高まります。
4. 短くした部分の毛が元に戻りにくくなる
犬によって症状はさまざまですが、一度サマーカットにしてしまうと、被毛が伸びてこなかったり、伸び方がバラバラになったりしてしまうことがあります。
これを「毛刈り後脱毛症」といいます。原因はわかっておらず、大抵の場合は数年以内に元に戻ることが多いですが、冬でも被毛が短いままで寒さから守れなかったり、伸び具合がバラバラで見た目もイマイチになってしまう場合もあります。
また、カットした部分の毛質が変わり、いままでフワフワだった被毛がゴワゴワになってしまう子もいるようです。
サマーカットは適切な長さで
愛犬の被毛をサマーカットにする前に、シングルコートとダブルコートの違いを考慮する必要があります。
シングルコート
シングルコートの犬の場合は、アンダーコートが生えておらず、被毛を短くしすぎてしまうと皮膚を守るものがなくなってしまうため、サマーカットには向きません。極端に短くカットしすぎないように気をつけましょう。
ダブルコート
ダブルコートであれば、アンダーコートが生えているため、紫外線や虫刺されなどから皮膚を守りやすく、シングルコートに比べるとカットの影響は少ないと考えられます。
まずはトリマーさんに相談しよう!
サマーカットにしたいと思う人の多くは、愛犬が快適に過ごせるようにと考えているでしょう。しかし、SNSなどの影響もあり、外見重視でサマーカットを希望する人も少なからずいるかもしれません。
確かに、愛犬にはかわいくいてもらいたい気持ちもわかりますが、愛犬の健康を第一に考えて、地肌が見えるほどのカットは控えましょう。
もしサマーカットを希望する場合は、デメリットもしっかり理解した上で、トリマーさんと相談して、愛犬に大きな影響を与えない程度にカットするようにしましょう。また、熱がこもりやすい脇の下やお腹など、部分的にカットするのも効果的です。
まとめ
犬のサマーカットは、適切な長さにカットする程度であれば、高温多湿な日本において熱中症対策になったり、健康を維持する上でメリットがあります。
しかし、地肌が見えるほど短くしすぎてしまうと、かえって熱中症になりやすくなったり、冬になっても被毛が元に戻らなくなったりしてしまうこともあります。
単に見た目がかわいいから、涼しそうだからという理由だけでなく、メリットとデメリットをしっかりと把握した上で、どうすれば愛犬が快適に過ごせるかを考えてみてくださいね。