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傷つく動物をなくしたい!虐待事件の現状と「どうぶつ弁護団」の活動

傷つく動物をなくしたい!虐待事件の現状と「どうぶつ弁護団」の活動

動物保護団体の懸命な活動や法律の改正など、動物たちを守る機運が高まっている現代においても、動物への暴力事件や悪質な多頭飼育によるネグレクトなど、動物虐待事件はあとを絶ちません。

今回は、そんな動物への虐待問題に焦点をあてて、その現状と、今までにない動物保護を行う「どうぶつ弁護団」の活動をご紹介していきます。

この記事の目次

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年々増加する動物虐待事件

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警視庁の発表によると、令和3年(2021年)に全国の警察が検挙した動物虐待事犯は過去最多の170件。平成24年(2012年)は29件であったため、10年間で5倍以上検挙数が増えています。

この検挙数増加の背景には、単純に動物を虐待する人間が増えたというわけではなく、動物虐待を問題視する社会的な関心の高まりや、動物愛護管理法改正の影響により犯罪とされる行為の範囲が広がった影響が考えられます。

世論の追い風や法律の改正によって、動物たちにとってより良い世の中に変わりつつあるのかもしれません。しかし、未だ動物虐待を事件化するのには、高いハードルがあります。

動物虐待事件の認知や捜査の難しさ

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動物虐待事件が発覚しづらい点として、次のような問題が挙げられます。

  • 動物は虐待の被害を自ら申告できない
  • 飼い主から虐待されているケース、野良猫のような飼い主がいないケースなど、虐待を告発できる人間が存在しない
  • 密室で行われると、外部から虐待行為を認識できない

また、警察の捜査が難しくなってしまう点として、次のような問題が挙げられます。

  • 死亡した動物を発見した第三者が埋葬してしまうなど、虐待の証拠が残りにくい
  • 飼育放棄現場では死後時間が経過しているなど、死因がわかりにくい
  • 被害を受けた動物が逃げてしまい、犯人や犯行現場の把握が困難になることがある

弁護士による刑事告発の問題点

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動物虐待を発見し通報した人の中には、「通報しても警察が対応してくれない」、「本当に捜査をしているか不明」といった不満を持つ人も少なからずいると言われています。
各自治体には虐待を通報する窓口がありますが、警察と効果的な連携ができず、摘発につながっていないケースが多いのも問題点として指摘されています。

警察が動きやすくなるためには、民間人と警察がやり取りするのではなく、法律に精通した弁護士が間に入った刑事告発が非常に効果的ではありますが、ペット問題を取り扱う弁護士は少ないのが現状です。

また、弁護士に依頼することで弁護士費用の問題が出てきます。実際に動物虐待事件を扱う弁護士によると、依頼者のほとんどが個人や中小規模の動物保護団体であり、弁護士費用の捻出が難しい場合も少なくないそうです。

全国初の取り組み「どうぶつ弁護団」

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そんな中、2022年9月に動物虐待事件について刑事告発などを行うNPO法人「どうぶつ弁護団」が設立されました。動物への虐待を発見した人が通報しやすい環境を作り、警察の迅速な捜査により、深刻な虐待被害を防ぐことを目的としています。

「どうぶつ弁護団」が行う主な活動

  • 個人や動物保護団体などから提供された動物虐待の情報を独自に調査
  • 調査の上、必要と判断すれば動物愛護法違反罪などで証拠を集めて刑事告発
  • 不起訴になった場合は検察審査会に不服申し立て
  • 動物関係の法令や制度に対しての提言
  • 動物虐待の予防や動物愛護への理解を深める啓蒙活動

通報者は弁護士費用の心配がなくなる

「どうぶつ弁護団」の活動では、今までのように通報者が弁護士費用を工面する必要はなく、賛助会員の会費によって団体を運営していく方針とのこと。(2023年1月導入予定)

費用の心配がなくなることで、今まで見過ごされていた動物虐待事件にも適切な処罰が下される可能性が広がり、動物虐待を予防する効果も期待されています。

弁護士や各分野の専門家をメンバーに

メンバーは弁護士や獣医師で構成されており、今後獣医師はもちろん、医師や研究者など、広い分野の専門家との連携を目指して活動していくそうです。先述したように動物虐待事件は警察が動きづらいケースもありますが、法律や動物の専門家が警察への橋渡しになることで、スムーズに捜査へ繋げられる可能性が高くなります。

特定非営利活動法人 どうぶつ弁護団 ホームページ
https://animal-dt.org/

最後に

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今回は動物虐待問題に焦点を当ててお話してきましたが、動物虐待の処罰や防止は一概に動物のためだけではありません

凶悪な事件を起こした犯人の中には、人間に対する加害の前段階として、動物虐待を繰り返していた人物は少なくないのです。
また、悪質な多頭飼育の現場では、動物が発する臭いや鳴き声などにより、付近の住民が不快な思いをしながらの生活を強いられています。

傷つく動物を減らすことはもちろんですが、わたし達の安全で平穏な生活を守るという観点からも、動物虐待は見過ごしてはならない問題なのではないでしょうか。

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