日本の2023年の干支は「うさぎ」ですが、海外の十二支の動物は日本と少し違っています。中には2023年が「猫年」という国もあり、猫好きにはうれしい話題ですね。
そこで今回は、興味深い日本や海外の十二支の動物とベトナムの「猫年」について、紹介していきます。
この記事の目次
世界の十二支を見てみよう
十二支の起源は中国
十二支は古代中国で生まれました。その歴史は大変古く、元々は紀元前16世紀頃に作られた日付を表す為の記号だったと言われています。紀元前4世紀頃には日付を示すのに加えて年月時刻や方位を表すのに用いられるようになりました。
その頃はまだ「子」や「丑」という言葉だけが使われていましたが、紀元前3世紀頃には十二支に動物が使われるようになったと言われています。一説には、民衆がもっと干支に馴染めるように親しみやすい動物をあてがったそうです。
世界に広がって変化する十二支
十二支は東アジアや東南アジアだけでなく、ロシアなどの東欧にまで広がりました。そして、十二支に使われる動物は、国によって若干の違いが見られます。
大きく違うのは、12番目の動物が国によって「猪」と「豚」であることですが、なぜなのかはっきりとした理由はわかっていません。
中国語で「猪」と書くと日本語でいう「ブタ」の意味になります。また、干支が日本に伝わった時代、日本では豚があまり一般的ではなく「猪」になったという説もあることから、猪と豚は縁の深い生き物であることは分かります。
なぜ日本の十二支に「猫」がいないのか
日本の十二支に「猫」がいない理由は、簡単に言ってしまうと「ねずみ」のせいです。日本の昔話では、次のように語られています。
大昔のある年の暮れのこと、神様が動物たちにお触れを出しました。
「元日の朝、新年の挨拶に出かけて来るように。一番早く来た者から十二番目の者までは、順にそれぞれ一年の間、動物の大将にしてやろう。」動物たちは一番を狙って、それぞれ気合を入れて元日が来るのを待っていました。ところが猫は神様のところにいつ行くのかを忘れてしまったので、ねずみに日にちを尋ねました。すると、ねずみはわざと一日遅れの日を教えたのです。猫はねずみに聞いたことを信じきってしまいました。
元日になると牛は歩くのが遅いため、まだ辺りが暗いうちから一足早く出発しました。牛小屋の天井でこれを見ていたねずみは、牛の背中に飛び乗ります。そんなこととは知らず、牛が神様の御殿に近付くと、まだ誰も来ていません。
一番乗りだと喜んでいるうちに門が開きましたが、とたんに牛の背中からねずみが飛び降り、走っていって一番になってしまいました。そして牛は二番目、それから虎、兎、龍、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、猪の順で到着しました。猫はねずみに騙され、一日遅れで向かったため十二支の仲間に入れませんでした。そのため、今でもねずみを恨んで追い回すのだと言われています。
ちなみに中国の昔話では、猫はねずみに川の中に蹴落とされてしまい神さまの元へ辿り着けなかったと言われています。日本でも中国でも猫は可哀想な扱いですが、チベット、ベトナム、タイ、ベラルーシでは無事に十二支入りできたようです。
ベトナムの「猫年」とは
先述した「猫年」がある国の、タイ、ベトナム、ベラルーシ、チベットの中でも特に「猫年」を盛大に祝っているのがベトナムです。ここからはそんなベトナムの「猫年」について、紹介していきます。
なぜ「猫年」なのか
日本や中国の「うさぎ年」にあたる年が、ベトナムでは「猫年」になりますが、それには次のような説があります。
- 中国語で「うさぎ」を意味する”mao”の発音が、ベトナム語で「猫」を意味する”meo”に似ているから
- ベトナムでは草地が少なく、うさぎの飼育もあまり行われていないため、身近な動物ではないから
- 東南アジアの一部の地域では、猫が広く飼われるようになった時代の方が、十二支が普及した時代より早かったから
ベトナムの「猫年」グッズ
ベトナムでは旧正月になると、街は干支の動物の飾りつけであふれるそうです。「猫年」の2023年は街中に猫の飾りつけがされ、猫の置物などがプレゼントとして贈られました。ここからはベトナムの「猫年グッズ」を見ていきましょう。
猫の切手
ベトナムの郵便局では「猫年」にちなんで記念切手が販売されました。どこか東南アジアを感じさせる、可愛らしいデザインですね。
(画像参照:Vietnam Stamps Company)
スターバックスの限定グッズ
ベトナムのスターバックスでは毎年干支の限定グッズが販売されますが、2023年は猫グッズが販売されたそうです。すでに手に入れることは難しく、フリマサイトに出品されていた物も、かなりの高額がつけられていました。
(画像参照:ベトナムスターバックス公式Facebook)
まとめ
今回は、世界で違いのある十二支についてご紹介しました。
この記事で取り上げたベトナムでは、干支グッズが縁起物として喜ばれ、その動物をあしらったデザインの商品が増えるそうです。猫年に旅行してみると、可愛らしいお土産物が見つかるかもしれませんね。