デグーを飼育している方、またはこれから飼育しようと考えている方は、デグーがどのような病気にかかりやすいか知っていますか?
愛するペットに少しでも健康で長生きしてもらうためにも、かかりやすい病気について把握しておくことは非常に大切です。
今回はデグーがかかりやすい病気や健康な歯の色について解説します。
この記事の目次
デグーのかかりやすい病気
デグーのかかりやすい病気を事前に把握しておき、普段から予防を心がけましょう。スキンシップをしっかり取っておくことで、些細な変化にも気づけ、早期発見と治療に繋がります。
具体的にはどのような病気があり、どのような症状が見られるのか、詳しく解説していきます。
1. 不正咬合
げっ歯類であるデグーの歯は一生伸び続けます。通常であれば牧草などを食べることで歯がすり減っていきますが、歯のバランスが崩れると噛みあわせが悪くなり歯が伸び続けてしまいます。歯が伸びていくと、口の中で炎症が起こりご飯が食べられなくなっていき、徐々に衰弱していきます。
不正咬合は歯を切ることで治療を行いますが、多くの場合、完治することは難しく、伸びてきたら切るを繰り返すことになります。しかし、手術には全身麻酔が必要な場合があり、デグーに大きな負担がかかるため、安楽死をすすめられることもあります。
不正咬合の対策
ペレットや柔らかい野菜ばかりではなく、毎日の食事で牧草を必ず与えましょう。単に牧草といっても、収穫する回数や産地によっても硬さや味に違いがあります。一番刈りが硬く、三番刈りがやわらかいため、まずは一番刈りを与えてみて、食いつきが悪いようだったら二番刈りや三番刈りを与えてみてください。
また、ケージを齧る癖のある子は要注意です。何か要求したいときやストレスが溜まっているときにケージを噛むことがあり、それにより歯のバランスが悪くなってしまうことがあります。ケージから出して遊ぶ時間を増やすなど、ストレスがかからないよう気をつけましょう。
2. ビタミンC欠乏症
デグーは人間とは異なり体内でビタミンCを合成できないと考えられています(最近の研究では合成できるとする説もあります)。ビタミンCが欠乏すると、体重が増えない、足を引きながら歩く、歯茎などからの出血が見られます。また、免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなってしまいます。
ビタミンC欠乏症の対策
基本的にはデグー用のペレットを与えていれば問題ありません。サプリメントなどを追加で与える方もいるようですが、余計な糖分などが含まれているとよくありませんので、成分などもよく確認しましょう。
3. 糖尿病
デグーは血糖値を下げるホルモンであるインスリンが他の哺乳類と比較すると1〜10%ほどしか活性化しません。そのため、糖分やでんぷんを与えすぎると、血糖値が高い状態になり、糖尿病になってしまいます。
糖尿病になると、食欲や元気がなくなる、水をたくさん飲む、毛艶がなくなるなどの症状が見られます。また、腎臓病や白内障になってしまう危険も示唆されているため注意が必要です。
糖尿病の対策
ペレットや牧草以外のおやつはあまりあげないようにしましょう。野菜を与える場合も、少量をバランス良く与えることが大切です。
また、遺伝が原因である場合の予防はなかなか難しいですが、普段の食事を気をつけることで、発症を遅らせるなど多少は対策できるでしょう。
4. 皮膚糸状菌症
皮膚糸状菌症というカビが原因の皮膚炎にかかりやすく、毛がごっそり抜けてしまいます。
皮膚糸状菌症だと診断されれば、薬を与えて数週間で完治します。なお、皮膚糸状菌症は人にも感染してしまう病気のため、触る際は十分注意しましょう。
皮膚糸状菌症の対策
居住環境を清潔にし、なるべくストレスが溜まらないようにしてあげてください。
5. 尾抜け・尾切れ
デグーのしっぽは大変デリケートで、掴んだときなどにしっぽの皮膚が取れてしまったり、しっぽ自体が切れてしまったりすることがあります。これは敵から逃げやすくするためですが、切れてしまったしっぽは再び生えてくることはありません。
治療方法はケガの程度によってさまざまです。そのままでも問題ないこともあれば、外科的に尾を短くしなければならない場合もあります。まずは、なるべく早くデグーに詳しい獣医師に相談することをおすすめします。
尾抜け・尾切れの対策
しっぽを掴んだり部屋で散歩させているときに誤って踏んでしまわないようにしましょう。また、他のデグーとの喧嘩やホイール・ケージなどに挟まって抜けたり切れたりしてしまうこともあるため、デグーの行動範囲内の安全性に問題がないかよく確認することも大切です。
デグーの歯の色は健康の証?
デグーの歯の色は、他のげっ歯類や多くの哺乳類とは異なりオレンジ色をしています。これは、デグーの主な食事であるペレットや牧草に含まれているクロロフィル(葉緑素)が唾液と反応しているためです。
デグーのオレンジ色の歯は健康のバロメーターでもあります。もし、色が薄くなっていたり白くなっていたりする場合は、何らかの不調を抱えている可能性が高いと考えましょう。心当たりがある場合は早急に改善し、もし原因がわからない場合は獣医師に相談してください。
最後に
多くの人が、愛するペットには少しでも長く健康でいてほしいと考えるでしょう。そのためには、デグーがかかりすい病気について把握しておき、病気にならないような対策をする必要があります。
デグーはまだマイナーなペットであるため、診察できる獣医師も多くありません。デグーを飼う際には、デグーを診てくれる獣医師が通える範囲にいるかどうかも確認してくださいね。また、定期的な健康診断も欠かさないようにしましょう。