高齢猫は、遊ぶ必要がないと思っていませんか?しかし、実は高齢猫にも遊びは必要です。
適度に遊ぶ習慣は、脳への刺激になります。かといって激しい遊びは必要ありません。おもちゃの動きを目で追うだけでも高齢猫にとっては十分に遊びになるのです。まだ若い猫の飼い主さんも、今のうちに準備しておくことをおすすめします。
今回は、高齢猫におすすめの遊び方やコツをお伝えします。
この記事の目次
高齢猫にも遊びは必要!
高齢になっても、猫には遊びが必要です。猫は狩猟動物。高齢になっても本能は失っていません。ただ、筋肉の衰えなどで積極的に自分から遊ばなくなっています。飼い主さんが一緒に遊んだり、ひとり遊びをしたりする環境を作ってあげましょう。
狩猟本能を満たす遊びがあれば、退屈な時間もなくなります。遊びは脳への刺激にもなるので、猫の認知症である高齢性認知機能不全にもなりにくくなることも期待できるでしょう。さらに、昼間適度に遊ぶと、夜よく寝るようになります。
猫の高齢化は何歳から?
個体差はあるものの、7歳を過ぎたあたりから高齢になっていくといえます。7歳になったら、「年を取ってきている」と認識しましょう。ちなみに7歳から10歳までが中年期、11歳から14歳は高齢期、15歳以上は老年期と分類されています。
猫は仕草や顔がかわいいので、なかなか年を取ったとは思えないもの。しかし、まだまだ若いと思っていても、若いときと比べて少しずつ運動量などは減っているはずです。
遊び方のポイントと注意点
高齢の猫は、体力も衰えています。負担をかけないように遊ぶことがコツ。高齢猫の遊びのポイントや注意点を解説します。
遊びを取り入れる前に動物病院へ
高齢猫の暮らしに遊びを取り入れる前に、体調の変化や病気などがないか、動物病院で健康診断を受けると安心です。体調が悪かったり、病気があったりする場合は遊びについて獣医師に相談してください。体調の変化を見逃さないよう、定期的な受診をおすすめします。
激しい運動は控える
おもちゃに飛びかかったり、高いところから飛び降りたりなどの激しい遊びは控えましょう。高齢になると筋肉が衰え始め、関節の痛みなども覚えやすくなります。若いときのようにしなやかに体が動かないため、ケガのリスクが高まります。猫の様子を見ながら無理のないように遊びましょう。
無理強いしない
高齢猫と遊ぶときは、無理をさせないことが大切。猫は自分の生活ペースを乱されるのを嫌がります。くれぐれもしつこく誘わないようにしましょう。おもちゃを見せたときに興味を示したら遊ぶ、くらいのペースで大丈夫です。ご飯前の空腹時は「捕食タイム」なので遊びに誘導しやすいでしょう。
おもちゃを目で追うだけでもOK
単におもちゃの動きを目で追うだけでも、高齢猫にとっては十分に刺激になります。おもちゃに激しく飛びつく必要はありません。「走っておいかけないから興味がない」「触らないから好きではない」と決めつけないようにしましょう。
ひも類やビニールで遊ばせない
猫にとってひも類やビニールは、誤飲のリスクが高く大変危険です。猫が興味を示しても遊ばないでください。飼い主さんが見守っていても、じゃれているうちに飲み込んでしまうケースもあります。その他、ヘアゴムや針、竹串なども危険です。
特に、ひも類は消化管に絡んで壊死を引き起こす恐れもあります。高齢になって手術するのはリスクも高いので、必ず片付けておきましょう。
猫じゃらしなどは必ず片付ける
猫じゃらしなどのおもちゃは、遊び終わったら必ず片付けましょう。出しっぱなしにしておくと、勝手に遊んで誤飲する恐れがあります。いつでも遊べると飽きてしまうのもデメリット。
猫が簡単に開けられないように、フタにロックが付いたプラスチックケースに片付けるのがおすすめです。ただし、転がしてフードを食べるひとり遊び用のおもちゃは、出しておいてもかまいません。
おすすめのおもちゃ
高齢猫におすすめのおもちゃを紹介します。
ひとり遊びができるフードが出てくるおもちゃ
転がすとフードが出てくるおもちゃなら、猫が1匹でいるときも遊べます。「転がして食べる」行動は、猫の狩猟本能を満たすのにもぴったり。夜中にフードをねだる猫には、寝床近くに置いておけば勝手に転がして食べるはず。そうすると、飼い主さんが起こされる心配もありません。
いらないペットボトルで自作するのもおすすめです。古くなったらすぐに新しく作り直せるのもメリットですよ。使用済みのペットボトルを洗ってよく乾かし、ドライフードが出てくる程度の穴をカッターで開けます。300ミリリットルなど小さめのペットボトルなら猫が転がしやすいでしょう。穴を開ける時は、手を切らないように十分注意してください。
穴のフチは、シールやマスキングテープで覆うと安心です。あとはフードを入れてしっかりフタをしめます。転がしてフードが出てくるのを猫に見せてあげるといいですね。
高いところに登りたい気持ちを満たすおもちゃ
猫は高いところに登るのが大好き。しかし、高齢になった猫は、うまくキャットタワーに登れなくなっており諦めている場合もあります。キャットタワーにステップやスロープを付けるなどして、安全に高いところに登れるようにしてあげましょう。
これから購入するのなら、あまり背の高くないキャットタワーを置くのもおすすめです。床に滑り止めやマットを置くと、ケガの予防にもつながります。
シンプルな猫じゃらし
猫は猫じゃらしが大好き。シンプルな作りの猫じゃらしがおすすめです。なお、ヒラヒラしたリボンや羽などの飾りが付いたおもちゃは、誤飲のリスクがありおすすめできません。
体を隠せるトンネルおもちゃ
中に入って身を隠せるトンネルおもちゃは、多くの猫が喜びます。猫が入ったら、入り口でおもちゃをちらちら見せて誘ってみるのもいいでしょう。
電動のおもちゃは留守番中使わない
電動のおもちゃは猫が留守番する際は遊ばせないようにします。留守中に電池切れなどが起きる恐れがあるためです。また、電動のおもちゃは予測がつかない動きをするケースもあるので、飼い主さんが一緒にいるときに遊ばせてください。
まとめ
高齢の猫にも遊びが必要です。適切なおもちゃでの遊びは刺激になるため「夜よく眠る」「認知症になりにくくなることが期待できる」などのメリットもあります。ただし、高いところから飛び降りたり、おもちゃに飛びかかったりなどの激しい運動はケガのリスクがあるので禁物です。猫の体調や体力に合わせて遊びましょう。
フードが出てくる知育おもちゃは1匹でも遊べる上、狩猟本能を満たせます。飼い主さんと一緒に遊ぶおもちゃは、シンプルな作りのものやトンネルなどがおすすめです。高齢猫の暮らしを豊かにするために、安全に楽しく遊んでくださいね。