愛犬との生活は何にも代えがたいものですが、悩みや不安も尽きません。トレーニングのやり方がわからない、いつもと様子が違う、最近愛犬の老化が気になってきたなど、動物病院を受診するほどではないものの、相談する場所に困っているという飼い主さんも多いでしょう。
そんなときに頼りになるのが犬のサロンですが、一言で犬のサロンといっても、その業態や方針はさまざまです。
今回は、私たちシェリーが提供する犬の保育園向け予約システム「シェリービジネスポータル」をご利用頂いており、犬に関するさまざまなサービスを提供している埼玉県狭山市の「AUN for DOGS(アウンフォードッグス、以下AUN)」の取締役、和泉風花さんにお話を伺いました。
この記事の目次
犬のサロン「AUN」とは
もともとは、2016年に南大塚(埼玉県川越市)に開業したトリミングサロンのDog’s Barber LULUNCHIが始まりとのこと。
ホテル事業を始めるにあたり、ケージに入れて預かるのではなく、リビングで犬を自由に動けるようにして、普通の家に一緒に泊まれるようにしたいという想いがあった和泉さん。そんなときに、ちょうど良い物件を埼玉県狭山市で見つけ、2023年の7月にAUNを開業したそうです。
AUNで受けられるサービス
AUNでは、以下のサービスを提供しています。
- 幼稚園
- トリミング
- トレーニング
- ホテル
他にも、パピーパーティやシニアお茶会、飼い主さん向けのスクールなど、さまざまなイベントが定期的に開催されています。
シニア犬の受け入れ
サロンによってはシニア犬を預からないというところも少なくありません。しかし、「シニア犬だから」といって預かりを拒否することはないそうです。
シニア犬はお店側にとってはリスクになることも多いと言われています。しかし、「シニア犬」というだけで拒否し、その子と飼い主さんの自由度を狭めることはしたくないと言います。
「もちろん、病気や体調によっては病院でお預かりした方が良いこともあるので、そこは飼い主さんとよく相談しながら、犬にとって一番良い方法を見つけていきたい」と、犬のことを第一に考える姿勢が伺えます。ご自身もシニア犬を飼っておられるということですが、それだけでなく、犬に対する深い愛情を感じました。
家にいるようなリビングでトレーニング
AUNにお伺いしてとても印象的だったのが、リビングです。ごく一般的な家庭にあるのと同じようなリビングですが、そこで過ごしていると、サロンよりも犬の慣れるスピードが格段に速く、犬もスタッフもリラックスできる空間になっています。
リビングの一角にはキッチンもあり、和泉さんがキッチンに立つと、犬たちが「自分のご飯かな」と思って集まってきます。これにより、自宅にいるときと同じような環境で自然にトレーニングができるため、ホテルを利用して帰ってきたらいい子になっていたという、予想外のうれしい声もあったそうです。
犬と飼い主さんの絶対的な味方でありつづける和泉さんの想い
今回のインタビューを通して、和泉さんの犬に対する想いの強さを感じました。常に「犬ファースト」で考えている和泉さんですが、犬や飼い主さんと接する際に気をつけていることや今後の目標を伺いました。
シニアお茶会で飼い主さん同士の悩みを共有
シニア犬の飼い主さんは、先のことを考えるとどうしても暗い気持ちになりがちです。しかし、その悩みや苦しみを分かち合う場がなく、飼い主さん同士の繋がりを作りたいと考え、「シニアお茶会」を開催しました。
飼い主さんの多くは「愛犬はまだ生きているのに悲しくなってはダメだ」と自分を責めてしまうことがあります。しかし、私自身もシニア犬と暮らしており、老犬介護士に「愛犬が亡くなる前からペットロスが始まっていて、悲しい気持ちになるのは当たり前」と言ってもらったことで、気持ちがとても楽になりました。
また、同じような境遇や悩みを抱えた飼い主さんが多いため、集まってお話しするだけで共感できることが多く、たくさん泣いて、たくさん笑って、大変素晴らしい時間を共有できました。今後、ノウハウが集まってきたら、ぜひ多くのサロンで取り入れてほしいと思っています。
犬の良いところを見つけてあげる
普段から、「飼い主さんを否定しないこと」を大切にしており、どんな犬でも良いところを見つけて飼い主さんに伝えています。
例えば、ドッグランで飼い主さんのそばから離れない子がいたら、「飼い主さんのそばが安全だということを積み重ねてきたんですね!」と伝え、犬が戻ってこない時は「この世界のすべてが安心できて楽しいところだということがこの子に伝わっているんですね!」と伝えます。どんな子でも良いところだけしか見なければ良い子でしかありませんから、どんな状況でも「すべてが良いこと」と伝えられるように心がけています。
飼い主さんと一緒に愛犬を幸せにしていく
飼い主さんが「このお店がなくなったらどうしていいかわからない」「このお店を見つけた私が偉い」と言ってくださるほど良くしてくださいます。しかし、プロが犬のことを考えるのは当たり前で、飼い主さんが犬のことを真剣に考えてくれて犬にとって良いことをすぐに実践してくれるからこそ、一緒に犬を幸せにできるため、飼い主さんには本当に感謝しています。
犬の異変を見つけ、病院で診てもらうことをすすめると、費用がかかるにもかかわらずちゃんと行ってくれますし、太っていると伝えたらダイエットを頑張ってくれます。飼い主さんが愛犬を大切にしているからこそ、自分の言葉が伝わり、愛犬のためにできることを実践してくれるのがうれしいのです。
日本を世界に誇れる犬大国にしたい
日本は動物福祉後進国と言われており、日本だという理由だけで海外のブリーダーに断られることも少なくありません。だからこそ、日本だからできる犬を大事にする方法や動物福祉を広めていくことが目標です。
動物福祉は動物愛護と比べるとまだまだ知名度は低いのが現状です。この現状を変えるために、まずはプロである自分たちの意識を変え、飼い主さんの意識も変えていき、仲間を増やしていきながら、「日本を世界に誇れる犬大国」にしていきたいと考えています。
最後に
和泉さんがインタビュー中に「人が幸せにならないと犬も幸せにならない」とおっしゃっていたのが印象的でした。言葉を話せない犬との生活は、時に悩んだりつらくなることもあるでしょう。和泉さんは、そういった飼い主さんの気持ちを受け止め、まずは飼い主さんを幸せにし、そして犬も幸せにすることを目指しています。
多くの飼い主さんにとって和泉さんはとても頼りになる存在です。もし今、愛犬のことで何か悩んでいるのであれば、一度カウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。
犬だけでなく人も幸せにしてしまう和泉さんの今後のご活躍を、シェリー一同陰ながら応援いたします。
AUN for DOGS
住所:〒350-1308 埼玉県狭山市中央2丁目25-21
電話:(042) 997 – 8010
HP:https://aunfordogs.com