犬の拾い食いをやめさせたい!拾い食いをする理由と対処法を解説

2025.09.13
犬の拾い食いをやめさせたい!拾い食いをする理由と対処法を解説

犬の拾い食いをやめさせたい、と悩んでいる飼い主さんは多いのではないでしょうか。犬の拾い食いは誤食にもつながるため、なんとかやめさせたいですよね。

なかなかやめさせるのは難しい犬の拾い食いですが、実は飼い主さんのちょっとした心がけでも防止できることもあります。

今回は、犬が拾い食いをする理由と対処法を解説します。

この記事の目次

犬が拾い食いをする理由

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まずは、なぜ犬が拾い食いをするのかを確認しましょう。実は、拾い食いは犬の本能による行動なのです。また、飼い主さんのリアクションや対応が拾い食いにつながっている場合もあります。

拾い食いは犬の本能

犬が落ちている物を食べてしまうのは、本能による行動です。犬は気になる物があると「ニオイを嗅いで、なめて、口に入れて」と確認します。おいしい食べ物だと思ったら、そのまま食べてしまうでしょう。

特に子犬の場合は好奇心旺盛なため、食べ物以外にも石やゴミを口に入れて飲み込んでしまうこともあります。

ダメと言われてもやめないのは学習するから

たいていの飼い主さんは拾い食いを見かけた瞬間、「コラ!」と声を出して、犬の口に手を入れてやめさせようとするでしょう。しかし、犬は急いで飲み込んでしまうことが多いのです。

なぜなら、犬は「取られたくない」と思って必死になるからです。飼い主さんが必死になればなるほど「そんなに魅力的な物なのかな?」とも思うでしょう。

飲み込んでしまえば、飼い主さんに取られずにすみます。犬はこうした経験を繰り返すうちに、「気になる物は飲み込めば自分の物になる」と学習してしまうのです。

注目を浴びてうれしいから拾い食いをする犬もいる

拾い食いをすると飼い主さんが駆け寄ってきたり大騒ぎしたりするのがうれしくて、繰り返す犬もいます。「注目を浴びた」「飼い主さんが関心を持ってくれた」と喜ぶのです。

飼い主さんは、犬が犬用おやつを食べているときは落ち着いていて大騒ぎすることはありません。ところが、犬が落ちている物を食べると慌てて駆け寄ってしまうでしょう。

それは飼い主さんにとっては当然のことですよね。しかし犬にとっては「おやつ以外を食べると注目を浴びる」という認識になってしまうのです。

極度にお腹が空いている場合もある

普段の食事量の少なさが拾い食いにつながる場合もあります。拾い食いを繰り返している場合は、普段の食事量を改めてチェックしてみましょう。実は犬にとっては食事量が不足している、という事実がわかるかもしれません。

拾い食いを防止するには(散歩編)

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拾い食いは、食べた物によっては命にかかわる場合もあります。まずは拾い食いをしにくい状況を作りましょう。ここからは、散歩中に拾い食いを防止する方法を解説します。

散歩はリードを短めに持ち、ロングリードは使わない

散歩の際、リードをやや短めに持ちます。極端に短くするのではなく、犬が自由にニオイを嗅げる程度にゆるく持ちましょう。飼い主さんの目が届く範囲に犬がいれば、食べようとしたときにリードを引いて防止できます。

ロングリードやフレキシブルリードなど、犬に目が届かなくなるタイプのリードの使用はおすすめできません。特に犬を先に歩かせると、拾い食いに気づけず危険です。

散歩しているときは犬に集中

散歩中は愛犬に集中することが大切です。散歩しながらスマートフォンなどを見ていると、拾い食いに気づけず対応が遅れてしまいます。

散歩途中で知人に会って話し込むことも、目を離す原因となり危険です。
また、目を離すリスクだけでなく、立ち止まったままだと犬は退屈になり、「何かないかな」と地面を嗅ぎまわるようになります。散歩の途中で犬を退屈させないようにしましょう。

先ほども解説したように、飼い主さんの注目を浴びたくて拾い食いをする犬もいます。歩きながらスマートフォンを見たり、知人と話し込んだりしないよう注意しましょう。歩きスマホは飼い主さんにとっても危険なので、やめた方がいいですね。

散歩コースも配慮する

散歩コースは、拾い食いしにくい場所を選びましょう。落ちている物を確認しやすいため、舗装された道がおすすめです。

草が生い茂っている道などは犬が喜びそうですが、拾い食いする犬にはおすすめできません。草で落ちている物が見えないときもあり、犬を見守っていても拾い食いに気づけない場合があるためです。

また、飲食店に近く、ベンチでおやつやお弁当を食べている人がいる公園も、なるべく避けた方がいいでしょう。食べこぼしや食べ残しが落ちている可能性があります。

散歩中におやつを与える

散歩中に適切なタイミングでおやつを与える方法もあります。散歩中におやつがもらえるとわかると、拾い食いへの関心が薄れるためです。「散歩中に名前を呼ばれると、飼い主さんの手からおいしいおやつがもらえる」と覚えさせましょう。

名前を呼んで振り向いた時点で、飼い主さんの手からおやつを与えます。「手から」がポイントなので、地面や床に置いて食べさせないようにしましょう。

肥満が気になるなら、おやつは愛犬の好きなドライフードにして食事量を調整すると、食べ過ぎ防止になります。おやつやフードを入れるポーチがあると、便利です。

なかなか改善しない、心配な場合は口輪をつける

おやつを与えてもうまくいかず、どうしても拾い食いをしたがるという場合は、散歩時に口輪をつける方法もあります。

取り付けるのを嫌がる犬の場合は、口輪の中におやつを入れてあげましょう。「口輪をつけるとおいしいおやつが食べられる」と学習すると、口輪をつけることがうれしい体験となり、抵抗を減らせます。

拾い食いを防止するには(家庭編)

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拾い食いの危険は家庭内でも変わりません。ここからは、家庭での拾い食い防止の工夫と、やっておきたいトレーニングを解説します。

家の床を片付ける

拾い食い対策は、散歩中だけでなく自宅を片付けることも大切です。食べこぼしなどはこまめに掃除しましょう。落とした食材を食べてしまわないように、調理中は犬をサークルに入れておくと安心です。

特に子犬は食品以外の物も口に入れてしまいます。犬が簡単に飲み込める大きさのおもちゃや、人間の子どものおもちゃなども危険です。必ず片付けるようにしてください。

筆者が飼っていた犬は、子犬の頃にローテーブルの上に置いていた消しゴムを飲み込んでしまいました。甘い香りのする消しゴムだったので、魅力的だったのでしょう。幸い便に出て何事もなく終わりましたが、油断していた自分を責めた覚えがあります。

「ちょうだい」を教えておく

日頃から「ちょうだい」でくわえた物を離す練習をしておくのもおすすめです。「ちょうだい」ができると、拾い食いをしそうになったときでも離す確率がかなり高くなります。

愛犬がおもちゃをくわえているときに、「ちょうだい」と言って他のおもちゃと交換します。交換する物は、「犬がくわえている物よりさらに魅力的なおもちゃ」がおすすめです。

最終的には、他のおもちゃがなくても褒めるだけで離せるようにレベルアップしていきます。すぐにできなくても、根気よく教えてあげましょう。

犬が口の中に何か入れてしまったら

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注意していても、拾い食いをしてしまうトラブルは起こりえます。その場合、飼い主さんは慌てないことが大切です。

落ち着いて対応する

騒がずに落ち着いて対応すると、案外簡単に口から取り出せることがあります。「ちょうだい」ができる愛犬なら、「ちょうだい」と優しく声をかけるといいでしょう。騒ぐと愛犬も興奮して飲み込む可能性が高まるので、大きな声は出さないようにします。

おやつと交換する方法は一時的に効果がありますが、「拾い食い=おやつがもらえる」と学習しやすいのでおすすめできません。おやつとの交換はどうしてもという場合に場合に限って使うとよいでしょう。

無理やり取ろうとしない・叱らない

慌てて口の中に手を入れて無理に取ろうとするのは、逆効果です。犬は取られるのを嫌がって、飲み込んでしまうことがあります。飼い主さんが手を噛まれるリスクもあり、危険です。

「出しなさい」などと強く叱ったり叩いたりするのは絶対にやめましょう。今度は見つからないように拾い食いをする癖がつく恐れがあります。

食べた物によっては動物病院に

たばこや石などの異物、チョコレートやキシリトールガムなどを飲み込んだ場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。飲み込んだ物によっては、命にかかわる恐れもあります。

何を食べたかわからない場合も、念のため受診するとよいでしょう。

まとめ

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犬の拾い食いは本能でもあり、やめさせるのはなかなか大変です。しかし、食べた物によっては食中毒などのリスクもあります。まずは犬が拾い食いできない状況を作りましょう。

散歩の際はリードを短めに持ち、犬に集中することで拾い食いの危険を減らせます。また、家の中をきれいに片付けておくこと大切です。さらに、普段から「ちょうだい」のトレーニングをしておくとよいでしょう。

拾い食いをした際に飼い主さんが大騒ぎしたり叱ったりすると、飲み込むリスクが高まります。落ち着いて対応しましょう。異物を飲み込んだ場合は、動物病院を受診してくださいね。

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