セキセイインコは鮮やかな色と人懐っこさが人気の小鳥です。人に慣れて手に乗ったりおしゃべりしたりする姿がかわいいので、飼ってみたいと思う方も多いでしょう。
しかし、初めて飼う場合は何を用意すればよいのか、どうやって飼育するのか、わからないこともありますよね。
この記事では、セキセイインコの特徴や必要なグッズ、飼育のポイントを解説します。
この記事の目次
セキセイインコってどんな小鳥?基本情報を紹介

セキセイインコは、カラーバリエーションが豊富な小鳥です。比較的丈夫で飼いやすく、人によく懐くため、ペットとして人気があります。ここでは、基本的な情報を解説します。
セキセイインコの概要
セキセイインコは、オウム目インコ科に属する小鳥で、原産国はオーストラリアです。野生のセキセイインコは、内陸の乾燥地帯の森などで群れを作って暮らしています。
日本に輸入されたのは明治時代です。ペットとしての歴史も長く、現在まで多くの人に愛されているコンパニオンバードだといえるでしょう。
セキセイインコの外見や寿命
セキセイインコの体重は約30グラム、体長は19~23センチです。主に植物の種子を食べます。
体の色のカラーバリエーションが豊富な点が、セキセイインコの大きな特徴です。ノーマルのカラーは、お腹がグリーンで頭や顔がイエロー。頬にはブルーと黒の斑点があり、さざ波のような縞模様が後頭部から背中にかけてあるのが特徴です。
その他、次のようなカラーのセキセイインコがいます。
- 羽色が青い:コバルト
- 羽色が紫色:バイオレット
- 羽色が薄い:ライトブルー
- さざ波がまだら、またはない:オパーリン
- 水色と黄色の羽:レインボー
- さざ波はわずかで、頭と胸のカラーは同じだが腹部に異なる色が出る:ハルクイン
- 全体的に黄色で目が赤い:ルチノー
- 全体的に白で目が赤い:アルビノ(黒い目の場合は「ホワイトブラックアイ」)
他にも、さざ波模様が白っぽくなっている種類や、頭の毛が巻き毛になっているセキセイインコもいます。寿命は8~10年ですが、もう少し長生きする個体もいるようです。
セキセイインコの性格は「好奇心旺盛」
セキセイインコは大変好奇心旺盛で、さまざまな物事に興味を示します。おもちゃなどを与えると、喜んで遊ぶでしょう。人に対しても警戒心が薄いため、コミュニケーションを取りたがります。
手乗りやおしゃべりを覚えるかも?
セキセイインコは人に慣れやすいため、手や肩に乗ってくることもあります。手乗りになれば、いっそう仲良くなれるでしょう。
飼い主さんの言葉を真似したり、歌ったりするセキセイインコもいます。比較的長い文章をしゃべれるので、自宅の住所を言える個体もいるほどです。
ただし、手乗りや言葉、歌は幼鳥のうちから教える必要があります。成鳥になってからでは難しいでしょう。
セキセイインコは多頭飼いも可能
複数のセキセイインコを飼育することも可能です。一緒におしゃべりするなどして、セキセイインコ自身の寂しさも紛れるでしょう。
ただし、オスとメスを同居させると繁殖して数が増えていきます。繁殖は比較的容易ですが、巣箱を用意するなどの準備も必要です。
筆者は小学生の頃、セキセイインコを多数飼育して繁殖もさせていました。繁殖には手間がかかるため、環境や飼い主さんのライフスタイルも踏まえて、多頭飼いにするか単独飼育にするかを検討しましょう。
セキセイインコの飼い方とは?必要な飼育環境を整える

セキセイインコを飼う際は、グッズを揃えて飼育環境を整えることが大切です。次のようなグッズを準備しておきます。
- セキセイインコのエサ
- ケージ(鳥かご)
- 止まり木
- エサ入れ・水入れ
- 菜挿し(なざし)
- おもちゃ
- ケージ用遮光カバー
おもちゃなどはセキセイインコの好みや様子を見ながら加えていくとよいでしょう。
セキセイインコのエサ
セキセイインコはシードを好みます。しかし、シードばかりだと栄養が偏ることがあるため、新鮮な野菜やカトルボーン(イカの甲を乾燥させたもの)、ボレー粉なども与えましょう。
野菜は小松菜やニンジン、チンゲン菜などの緑黄色野菜を与えます。カトルボーンは、セキセイインコのくちばしの研磨にも役立ちます。
セキセイインコが摂るべき栄養素を固めたペレットを主食にするのもおすすめです。ペレットを食べていれば、副食を与える必要もなくなります。
ペレットは無着色で糖尿病予防のためにも甘い味がついていないタイプを選びましょう。ただし、入手しにくい点や日持ちしない点がデメリットです。
ケージ(鳥かご)
鳥かごは通気性のよい金属製がおすすめです。中がよく見える水槽タイプは湿気がこもりやすいうえ、セキセイインコが壁面にぶつかるリスクがあります。
止まり木
太さの異なる止まり木を2本、ケージに入れましょう。太さを変えるのは、セキセイインコが自分で止まりやすい木を選べるようにするためです。
また、セキセイインコは止まり木をかじったり、くちばしをこすりつけたりするので、天然木のものがおすすめです。
止まり木はセキセイインコが1日を過ごす大切な場所です。好みを探るためにも、さまざまなタイプを入れて反応を見るとよいでしょう。
エサ入れ・水入れ
エサ入れは、セキセイインコが食べやすい浅いタイプがおすすめです。水入れは周囲に水が飛び散らないタイプがよいでしょう。
セキセイインコはあまり水を飲みませんが、毎日必ず入れ替えることが大切です。止まり木に止まったまま食べたり飲んだりできる場所に配置してください。
菜挿し(なざし)
新鮮な野菜を挿し入れてケージに設置するためのグッズです。水を入れられるタイプは、野菜のフレッシュさをキープできます。
おもちゃ
セキセイインコが退屈しないように、おもちゃを複数用意しておきましょう。アクティブなセキセイインコには、ブランコやボールなどがおすすめです。
鈴が鳴るおもちゃもセキセイインコが興味を示しますが、金属製の鈴には鉛が含まれていることがあるため、小鳥用の鈴を選びましょう。小さなボールなども喜びます。
インコはかじることでストレスを解消します。くちばしの長さ調節にも役立つので、かじるおもちゃもあるとよいでしょう。安全のためにも、プラスチック製ではなく天然木のものを選んでください。
ケージ遮光カバー
昼行性のセキセイインコが夜にしっかり眠るためには、遮光カバーがあると便利です。冬の夜は、保温性も高まります。汚れても洗えるタイプが便利です。
セキセイインコの飼育のポイント

セキセイインコは飼育しやすいといわれていますが、注意すべきポイントもあります。
動物病院を見つけておく
健康診断や急な病気に備えて、セキセイインコを診てくれる動物病院を必ず事前に見つけておきましょう。動物病院によっては「犬と猫だけしか診察しない」というケースもあるためです。
「小鳥専門」の動物病院もあるので、近くにあるか探してみてください。
エサと水は毎日交換する
セキセイインコの健康のためにも、エサと水は毎日交換しましょう。特にシードタイプは殻だけが残っている状況を「まだエサがある」と勘違いしやすいため、こまめなチェックが必要です。
清潔を保つ
セキセイインコの排泄物などでケージの床は汚れます。清潔を保つためにも、必ず毎日掃除をしましょう。
不衛生な環境は、飼い主さんもオウム病などの人獣共通感染症にかかるリスクを高めます。エサ入れや水入れもこまめに洗ってください。
週に1度はケージ全体を掃除することをおすすめします。
定期的に室内で放鳥する
ケージに入れたままにせず、部屋の中で放鳥する時間を設けましょう。ただし、電気コードや観葉植物をかじらないように、あらかじめ安全対策をしてください。
猫など他のペットがいる場合は、襲われないように部屋を別にしましょう。窓やドアを閉め、逃亡にも十分注意してください。脱走が心配な場合は、動物病院で羽切り(遠くに飛べないよう羽の先をカットすること)を依頼しましょう。
生活リズムを整える
セキセイインコは昼活動して夜は眠る昼行性の鳥なので、日光浴をさせましょう。日光を浴びることで、生活リズムが整います。気候のよい時期は、安全を確保した上で、ケージごと外に出すのもおすすめです。
夜、いつまでも明るい部屋で過ごすと、メスの発情を促してしまいます。発情すると卵管の病気などの原因になる恐れがあるため、ケージに遮光カバーをかけて暗くしましょう。飼い主さんも、夜は大声で騒がないなどの配慮が必要です。
退屈させないことが大切!「おもちゃ」で遊ぼう
おもちゃなどで積極的に遊ばせることが大切です。セキセイインコは頭のよい小鳥で、ケージの中で何もすることがなくなるとストレスが溜まります。
毛を抜くといった問題行動を起こす恐れもあります。話しかけてコミュニケーションを取り、寂しい思いをさせないようにしましょう。
フォージング(エサの探索活動)をさせることも退屈の解消になります。エサ入れを2つにして、別の場所に設置するだけでも効果的です。
エサ入れの場所を定期的に変えると刺激になります。エサを入れられるおもちゃなどを与えるのもおすすめです。
手乗りにさせるならヒナから
手乗りは生後約20日ごろから教えるとよく覚えます。ただし、流動食を差し餌するなど、母親に代わって飼い主さんがお世話しながら懐かせることが必要です。母鳥から引き離すことになるため、人工的な保温が必要になり、手間がかかります。
歌やおしゃべりを覚えさせるのも、幼鳥期です。成鳥になってからでは、なかなか覚えてくれません。
爪切りなどのお手入れは獣医師に相談
セキセイインコの爪が伸びていたら、まずは獣医師に相談しましょう。飼い主さんでも切ることはできますが、かなり難しい作業です。無理にセキセイインコを握って爪を切ると、ショックの原因になる恐れもあります。
まとめ

セキセイインコは、比較的丈夫で飼育しやすく人懐っこい小鳥です。幼鳥の時期から教えれば、手や肩に乗ったり、おしゃべりをしたりするようになります。
セキセイインコを飼う際は、快適に暮らせるように専用のエサやケージ、エサ入れ、水入れなどを用意しましょう。好奇心旺盛なので、退屈させないためにもおもちゃも必要です。ストレス解消のためにも、安全を確保して室内で放鳥する時間も設けましょう。
あらかじめ、セキセイインコを診察してくれる動物病院を見つけておくことも大切です。ケージはこまめに掃除して清潔を保ちながら、セキセイインコとの暮らしを楽しんでくださいね。




















































