野良猫を保護したのはいいけれど、さまざまな事情を考慮した結果やっぱり飼えない…というとき。
保健所や動物愛護センターへ届ける前に、どうにか里親を見つけてあげたいですよね。そういった施設まで届けてしまうと、その後は引き取る人を見つけるのは難しいのです。
自分が飼えないからといっても、諦めないでください。初めての方は不安もあると思いますが、まずは行動してみましょう!
この記事の目次
野良猫を保護する前に
まず、野良猫を保護する前によく考えてほしいことがあります。
例えば、家の付近や、敷地内で野良猫が怪我を負って動けない猫を発見した場合は、悩んでいるうちに悲しい結果になってしまうことがあります。こういった場合は、一時的にでも保護できればそれが良いかもしれません。
しかし、ただ「可愛いから」「飼うつもりはないけど懐いてほしいから」などの理由だけで、野良猫を餌付けしたり気まぐれに家の中に入れたりすることは望ましくありません。
いざ野良猫に何かあったとき飼える余裕はあるのか、適切な飼育条件を満たしているのか、最期まで世話をする覚悟があるのか、野良猫と仲良くなる前に今一度確認してみてください。
野良猫を保護したら、病院に行った方がいい?どこの機関に連絡するべき?と迷っている方は以下の記事が参考になります。
里親の条件って?
早く里親を見つけたいからといって、申し出があった人に無条件で保護した猫を引き渡すのは良くありません。以下の項目は、いくつかの民間保護猫団体で、共通した譲渡の際の必須条件としてあげられている項目です。
個人間でやりとりする場合、ここまで厳密にとり決めるのは難しいかもしれませんが、ぜひ参考にしてみてください。ここで一定のハードルを設けることは、保護した猫が今後幸せに暮らせるようにするために必要なことでもあるのです。
- 必要以上に繁殖させないため避妊手術を受けさせる
- 飼育できる環境(ペット可物件)に住んでいる
- 飼育について同居する家族の同意を得ている
- 完全室内飼育ができる
- 18歳(または20歳)以上で経済能力がある
- 60歳以上の方は相談(万が一飼育できなくなった時に代理で飼ってくれる人がいる場合は可など)
- 6歳以下の子どもがいる家庭は相談(猫と子どもが触れ合う際、保護者が常時監督可能な場合は可など)
- 適切な飼育と健康管理が可能である…etc
費用のこと
これらと合わせて、悩ましいのが費用負担のこと。手術や病気の治療費用などをどこまでこちらが持つか、里親さんとよく相談して気持ちよく譲渡ができるといいですね。
自分でどこまでの条件なら飲めるのか、明確に線引きしておくと、やりとりの際に悩みすぎることが少なくなるかもしれません。
里親探しのルート4つ
里親を募集するにあたって、何を足がかりにすればいいのか?自分に合ったやり方でストレスなく探せると良いですよね。
以下、おすすめしたい順番で4つ紹介していきます。
1.まず知人・友人関係で探す
突然貼り紙などで募集しても良いと思いますが、まずは身近な友人・知人、身近な人に引き取り手がいないか確認してみると良いと思います。
何かあったときにもお互いに協力しあえるし、保護した野良猫のその後の近況なども共有しやすいからです。また、ある程度信頼関係も築けているところからのスタートですので、引渡し後の諸々の心配も少なくなるでしょう。
とは言っても、知り合いだからと言って条件を甘くしすぎることのないよう注意が必要です。保護した猫にとって、その知人や友人に育ててもらうことが最善の選択かどうかを考えることが最も大事です。
2.里親募集掲示板を利用する
里親掲示板というのはご存知でしょうか?猫をペットショップでしか買ったことがない人にはあまり馴染みのないものかもしれません。
個人の保護した猫の里親募集を掲載し、保護猫を家族に迎えたいという里親希望の方に繋いでくれる場所です。各掲示板によって利用規約が違ってきますので、掲載依頼前に必ずよく確認してから利用してください。
里親さんとは個人対個人でやりとりすることになるため、掲示板が担うのは、あくまで中継所としての役割までです。
ペットの里親募集情報 :: ペットのおうち【月間利用者150万人!】
http://www.pet-home.jp/all/
犬、猫、里親さがし「いつでも里親募集中」~ペットショップ保健所へ行く前に~
https://www.satoya-boshu.net/
ペットの命|可愛い犬・猫の里親募集&迷子情報サイト
https://satooya.wancat.info/
猫の里親募集|ジモティー
https://jmty.jp/all/pet-cat
3.動物病院、地域のお店に貼り紙
ちょっとアナログな方法ですが、貼り紙もおすすめです。
まずは動物病院。保護した野良猫を初診に連れていったときなどに、掲載をしてもらえそうか確認しておくとスムーズですね。動物病院は、様々な団体や事業者とのハブの役割も果たしてくれます。お付き合いのある団体さんがいないか聞いてみることも有効かもしれません。
あとは、地域密着型の個人経営のお店などで貼り出してくれているところもあります。もし行きつけのお店があったら、依頼してみてもいいと思います。思わぬところでご縁が繋がるかもしれません。
載せる連絡先はマメにチェックできるものがベストですが、不特定多数の目に触れるため、少し注意が必要です。メールアドレスを使うか、電話番号を載せる場合は、050Plus等を使って、別に使い捨てができる電話番号を用意したほうが無難かもしれません。
4.SNSで募集する
最近、よく見かけるようになったSNSでの里親募集。
場合によっては多くの人に瞬く間に拡散されるため、そのぶん効果もありそうですね。気をつけたいのは、申し出てくれた人とのやりとり。SNSの場合、気軽に募集ができるため、検討や先方の身分確認が甘く、連絡が途絶えるなどのトラブルには遭うことも考えられます。
もし、SNS経由で申し出があったら、メールアドレスや電話番号等、別の信頼できる連絡手段を教えてもらい、SNSから移行してやりとりするのが良いでしょう。
番外:飼育環境を整えるため一時的に預かってもらう
いずれ飼うつもりではあるが、今は事情があってできないという場合、一時的に期限を決めて預かってもらうのもいいかもしれません。
選択肢としては、知人・友人関係から探す、ペットホテル、保護猫団体、動物病院などがあります。
知人・友人から探したり、お金をかけてペットホテルに預ける、この2つがだいたい確実な方法だと思います。他にも、民間の保護猫団体で、里親と同じように預かり主に繋げて「一時お預かり」をしてもらうシステムを導入しているところもあります。
https://jcdl.jp/ichiji.html
動物病院に預ける場合、「預かり入院」と言って治療目的ではない一時的な入院を受け入れている所がありますが、過去に何度も診察を受けている飼猫でなければ対応してもらえない可能性があります。病院内の治療する動物の数によっても希望に添えないことがあるため、あまり確実とは言えないかもしれません。
個人情報の取り扱い
やりとりを進めて行くなかで、猫の先行きが心配で、里親さんのご自宅までチェックしたいという方もいらっしゃるかもしれません。
快く承諾してくれる里親さんもいれば、そこまでは難しいという里親さんもいます。同じように、身分証や契約書などで住所を把握されるのを避けたいという方もいらっしゃるかもしれません。ただ、相手がどのような気になりますよね?その場合は、予め募集要項に記載しておくのが良いでしょう。
基本的に個人間でのやりとりになるため、プライバシーの取り扱いには注意が必要です。難しい問題ですが、相互に信頼関係を築くことで成立することでもあるため、お互いに納得できる範囲で、情報を開示し合うことができるようにすることが肝要です。
里親さんが見つかったら
ご縁あって、無事に里親になってくれる方を見つけられたら、後のことは基本的に譲渡先の里親さんを信頼し、まかせましょう。
譲渡先でトラブルが起きた時など、教えてあげられることがあれば協力してあげてください。たまに恋しくなったら、最近の写真や近況などをメールで送ってもらってもいいかもしれませんね。保護団体等は、半年間は月1回のレポートを里親に義務付けているところもあります。
里親探しには飼うこととまた別の大変さがありますが、保護した猫を安心して見送ることができるよう、この人なら大丈夫!という里親さんに繋げられると良いですね。
また、こちらは保護した犬猫を迎える里親になる視点からの記事ですが、よろしければ併せてご覧ください。