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獣医師が教える子猫のしつけ③〜ブラッシングに慣れさせる

相澤 啓介
相澤 啓介 獣医師

獣医師が教える子猫のしつけシリーズ第一弾「キャリーケースに慣れる」、第二弾「オーラルケア」に続き、第三弾となる今回のテーマは、「ブラッシング」です。

「そもそも猫にブラッシングって必要なの?」と思う方もいるかもしれませんが、ブラッシングは猫の心身の健康を維持する上でとても重要なことです。猫のブラッシングについて正しい知識を身につけ、子猫のうちからしっかり慣れさせておきましょう。

獣医師が教える子猫のしつけシリーズ第一弾、第二弾はコチラからご覧いただけます。

獣医師が教える子猫のしつけ①〜キャリーケースに慣れさせる

獣医師が教える子猫のしつけ②〜オーラルケア

猫の「グルーミング」と「ブラッシング」

猫のグルーミングとブラッシングは必須

飼い主がブラッシングを行わなければならない理由

基本的に、猫はキレイ好きな動物なので、自ら毛づくろい(グルーミング)を行います。

グルーミングは、体を清潔に保つことで皮膚病を防ぐと同時に、ザラザラした舌で皮膚を撫でることによって血行を促進し、健康を維持していると考えられています。

しかし、高齢になるにつれてグルーミングに費やす時間は短くなってしまうので、代わりに飼い主がブラッシングを行わなければいけません

ブラッシングに慣れさせる意味

特に、高齢になってからブラッシングが重要になりますが、ブラッシングを嫌う猫も存在します。自由を奪われてブラシを掛けられることは猫にとっては想定外で、ストレスを感じます。

年を取ってから慣れさせるのはなかなか難しいので、子猫のうちから徐々にブラッシングに慣れさせることで、猫も人もお互いに傷つかずに済むのです。

ブラッシングで毛玉のトラブルを防ぐ

ブラッシングは毛玉のトラブルを防ぐ

毛玉による皮膚の炎症を防ぐ

特に長毛の猫は、すぐに毛が絡まって頑固な毛玉を作ってしまいます。毛が絡まって皮膚を引っ張ることで皮膚に炎症を起こすため、毛玉は速やかに除去する必要があります

しかし、残念ながら毛玉取りは処置に時間がかかるため猫にとって大きなストレスとなります。最悪、麻酔下での処置になってしまうかもしれません。猫の負担軽減のためにも、こまめなブラッシングで毛玉の予防をすることは必要不可欠です。

毛球症の予防にも

グルーミングによって少なからず、猫は自分の毛を飲み込んでしまいます。たまに猫が毛玉を吐きだすのはそのためです。

しかし、上手に毛玉を吐きだせない猫は、毛玉が腸に達します。毛は消化されないため、便秘の原因となってしまうこともあります。これを毛球症といいます。つまり、ブラッシングによって猫の飲み込む毛の量を減らしてあげることは毛球症の予防になるのです。

ブラッシングでこまめに猫の皮膚病チェックを

ブラッシングをして皮膚病をチェック

ここで少し、猫で注意すべき皮膚病について解説します。

皮膚病の代表的な症状は、痒み、発赤、脱毛、鱗屑(フケ)、痂疲(カサブタ)などです。これらの症状が見られた場合は、動物病院の早期受診をおすすめします。
ブラッシングなどのスキンシップの際にぜひ、注目してみてください。

舐性(しせい)皮膚炎

猫の下はザラザラしているので、一か所を集中的に舐めることで皮膚炎が生じます。原因としてはストレスなどの心因性のものが多く、家の引っ越しや近所の工事騒音によって引き起こされます。

痒みはありませんが、発赤や脱毛の症状が見られます。

ノミアレルギー性皮膚炎

体表に寄生したノミが吸血の際に注入する唾液によるアレルギー反応です。

症状は主に背中に見られ、激しい痒み、脱毛、発赤、鱗屑(フケ)、痂疲(カサブタ)が認められます。ブラッシングによって被毛の下の皮膚を観察することでノミを確認できることがあります。

皮膚糸状菌症

皮膚糸状菌という真菌(カビ)の一種によって引き起こされます。母子感染も確認されており、子猫の時期に多く発生する傾向があります。痒みの程度は様々で、無いこともあれば強いこともあります。他にも、脱毛や発赤の症状が認められます。

皮膚糸状菌症は人獣共通感染症であり、ヒトに感染すると強い痒みを引き起こします

皮膚腫瘍

悪性腫瘍の中には、肥満細胞腫、皮膚型リンパ腫、扁平上皮癌など皮膚にしこりを作るものがあります。初期では腫瘍も小さく、症状もないために発見が遅れることがあります。

しかし、定期的なブラッシングによって皮膚の状態を確認しておけば、これら腫瘍の早期発見に繋がります。腫瘍治療の基本は早期発見と早期治療によるので、ブラッシングは非常に有効と言えます。

ブラッシングに必要な道具

短毛種と長毛種では、ブラッシングに必要な道具や、道具のタイプが異なります。
次の章も参考に、それぞれの猫種に適切なブラッシングの道具、頻度、方法を知っておきましょう。

ブラシの種類 用途 短毛種/長毛種
獣毛ブラシ 抜け毛の処理 両方
コーム 毛並みを整える 両方
ソフトブラシ 抜け毛の処理 短毛種
ピンブラシ 毛並みを整える 長毛種
スリッカー 毛玉をほぐす 長毛種

短毛種のブラッシングの頻度・方法

短毛種のブラッシング

ブラッシングの頻度と方法

週に3回~毎日行うことが理想です。膝の上やマットの上など、猫がリラックスできる場所で、長くても3分程で終わらせます。

ブラッシングは毛並みに沿って、表面を撫でるように行います。毛並みに逆らうと、無理に皮膚を引っ張ってしまうことになり、猫に不快感を与えます。

使用するブラシの種類

ブラシは柔らかいタイプの獣毛ブラシとソフトブラシを使用します。

獣毛ブラシで抜け毛を大まかに処理した後、ソフトブラシで表面に残った毛を取り除きます。最後にコームで毛並みを整えていきます。

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ソフトブラシ

コーム

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長毛種のブラッシングの頻度・方法

長毛種の猫のブラッシング

ブラッシングの頻度と方法

毎日1回~2回行うことが理想です。ブラッシングの仕方は、短毛種の場合と同様です。

使用するブラシの種類

短毛種とは異なり、獣毛ブラシはハードタイプのものを使用します。これは長い被毛の奥までブラシを届かせるためです。その際に、皮膚を強くこすってしまうと良くありませんので加減に注意しましょう。

毛が絡みついているときは、コームやスリッカーでほぐします。無理に引っ張ると猫が嫌がりますので、ゆっくり行ってください。指でほぐすのもいいでしょう。最後にピンブラシで毛並みを整えて完了です。

獣毛ブラシ(ハード)

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まとめ

ブラッシングは子猫の時から行って慣れさせておこう

ブラッシングは猫の健康を守る上でももちろん大切ですが、何よりも飼い主の皆さんと猫の信頼関係を強くするためにも非常に重要です。

子猫の時期から行うのが理想ですが、成猫でも徐々に慣れさせることは可能です。そのため、例え子猫でなくても、今から無理のない範囲でブラッシングの習慣をつけてみてはいかがでしょうか。

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