野良猫の耳が切られているのはなぜ?殺処分の問題に立ち向かうTNR活動とは。

2024.08.18
野良猫の耳が切られているのはなぜ?殺処分の問題に立ち向かうTNR活動とは。

街を歩いていると、耳の先がカットされた野良猫を見かけることがあるかもしれません。

「えっ、虐待でも受けたのかしら、かわいそう…」「それにしては、耳をカットされた猫がたくさんいるし、謎だ」と、疑問に思うかもしれません。

実は、この耳の先がカットされた猫ちゃんには、とある「意味」と「理由」があるのです。

そこには、殺処分で悲しい思いをする猫を1匹でも多く減らそうと活動をする人たちの努力がありました。

この記事の目次

犬猫ペット用品の個人輸入代行「うさパラ」
広告

耳カットは「不妊手術済み」の印

野良猫の耳が、桜のような形や三角にカットされている場合、その子は「避妊・去勢手術済み」ということになります。

この印は、TNR活動(Trap(トラップ):捕獲すること、Neuter(ニューター):不妊手術のこと、Return(リターン):猫を元の場所に戻す)の、「N」の部分である「不妊手術を行なった」という印です。

では、TNR活動とはいったい何なのか、何のために行なっているのかについて詳しく見ていきましょう。

TNR活動とは


殺処分など、悲しい思いをする猫が少しでも少なくなるためには、野良猫の繁殖を根本から解決する必要があります。

そこで、ボランティアの方々が「TNR活動」と言う活動をはじめました。

TNR活動とは、先ほどもご説明した通り「Trap(トラップ):捕獲すること、Neuter(ニューター):不妊手術のこと、Return(リターン):猫を元の場所に戻す」のことを表しています。

殺処分問題


不妊手術を行なっていない野良猫は、自由に繁殖を行なって、さらに多くの野良猫が増えていくという問題があります。

増えすぎた野良猫は、保健所に持ち込まれ、殺処分という悲しい結末になることもあります。

猫の殺処分問題や、多くの野良猫による近隣住民への被害を減らすためには、根本の問題である「野良猫の望まれない繁殖」を減らす・なくすということが第一の解決策として挙げられるということは、言うまでもありません。

猫はネズミ式に増えていく


猫は一度の出産で5〜7匹の子猫を産み、1年に3回の出産をすることができます。つまり、最大で1年間の間に21匹を出産する可能性があるということです。

また、産まれてきた子猫は、成長をして6ヶ月で妊娠が可能になります。

1ペアの猫から産まれた7匹の猫が、それぞれまた繁殖をしたら…。ネズミ算式に増えていき、あっという間に猫が増えてしまいます。

このようになることを防ぐために、野良猫や飼い猫の不妊手術が必要です。

TNR – さくらねこ TNRとは – どうぶつ基金 参照)

何で耳を切るの?他の方法はないの?

「耳を切るのはかわいそう」「何か他の方法はないの?」という疑問を持たれる方もいらっしゃるかと思います。

かつて、耳を切るという方法以外にも、ピアスを付けたり、首輪を装着したりというやり方も検討されていました。

しかし、ピアスを何かに引っ掛けてしまう危険性や、途中で落として失くしてしまうという問題があることから、今では、耳先カットが主流になっています。

また今は、耳を桜型やV字に切ることが多いですが、これは「人が切った」ということが分かるようにしているのだそうです。

一文字に切られていることもありますが、「喧嘩で負った傷なのか、それともTNR活動によってつけられた印なのかが分からない」という問題があります。

猫にとって、不妊手術を受けることは、体に多くの負担がかかります。そのため、2度3度と受けることがないように、しっかりと把握できるような印が必要です。

かつて手術を受けたのかどうかは、特にメスに関しては、外見では判断することができません。

猫のことを考えても、ボランティアの方々の時間や労力を考えても、一目で間違いなく分かることも大事な要素の1つだということができるでしょう。

痛くないの?


耳先カットが猫にとって痛いのか痛くないのかは、重要なポイントですよね。

基本的には、麻酔をしている間に耳をカットするので、痛みはないと言われています。また、出血もほとんどありません。

最後に


耳先がカットされた野良猫ちゃんは、地域から気にかけられており、皆から愛されている猫ちゃんだとも言うことができるでしょう。

悲しい思いをする猫が1匹でも少なくなるように。人間と猫、お互いが幸せに暮らしていけるように。

この「TNR活動」は、賛否両論があります。正しい判断をするためにも、この記事がご自分で考える際の材料になったらと思い、本記事を書くことにいたしました。

周囲で、知らなくて「喧嘩でもしたのかなー?」と言っているお友達がいたら、ぜひ教えてあげてくださいね。

関連記事

こちらの記事も読まれています

ねこ」の記事をさがす