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コラム

未来のペットフードは昆虫が原料?いま昆虫食が期待される理由とは?

Risa
Risa シェリー編集部

みなさんは、「昆虫」を食べたことがありますか?

「昆虫を食べるなんて気持ちが悪い」と感じる方も多いでしょう。しかし今、昆虫食が食糧難や環境問題を解決し、持続可能な未来を作るのに役立つとして、世界中で注目を集めています。

そして、近年では昆虫食をペットフードに取り入れる動きも活発化してきています。

今回は、昆虫食が注目される理由や、昆虫食の栄養価、昆虫食のペットフードの現状などについてご紹介します。

なぜ昆虫食が注目されるのか

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まず、ペットフードにとどまらず、昆虫食が世界で注目されている理由を簡単に見ていきましょう。「昆虫食」への期待の背景には、食糧不足や環境破壊といった社会問題があります。

食糧不足の解決策として

現在、世界の人口はおおよそ77億人程。少子化が進み、人口が減少している日本では信じられないことかもしれませんが、世界の人口は今後さらに増えると予測されています。

そこでさらなる深刻化が懸念されているのが、「食糧不足」。

現在、世界中の農地の実に70〜80%が畜産業のために使われているといわれています。これは、家畜の飼育場以外にも、家畜を育てるのに必要な大量のエサを育てるために広大な農地を使うからです。

一方、カロリーベースで見ると、食肉は世界中のわずか30%のカロリーしか供給できません。
仮に、畜産を全てやめ、エサを育てていた農地を人間用の農地に変えたとすると、現在のなんと3倍の人口が賄えると考えられています。

昆虫食のメリット

対して昆虫食は、必要なエサも少なく、建物内で縦方向に生産できるため、タンパク質量あたりに必要な土地の面積が畜産業のわずか2%で済みます。

限られた土地を有効的に活用できるとあって、これからの食糧不足への対策として昆虫食が大きな注目を集めているのです。

環境問題の解決策として

畜産が広大な土地を必要とすることからも想像がつきますが、畜産業はやはり、環境へのダメージがとても大きい産業です。

例えば、食肉の需要が増えれば、農地を広げるために様々な場所が開拓され、「地球の肺」「生物多様性の宝庫」とも称されるほど貴重な森林であるアマゾン熱帯雨林の約80%が、畜産業によってダメージを受けます

また、世界の温室効果ガスの総排出量のうち、畜産業だけで約14%を占めています(FAO算出)。これは、世界中の交通機関(車、飛行機、船など)全てを足し合わせた量と同等です。

さらに、環境省によると、家畜のエサを育てるために水を大量に要するため、牛肉1kgを生産するにはその約20,000倍もの水が必要となります。

昆虫食のメリット

一方、昆虫食は牛や豚よりも少ないエサで育つ上、タンパク質量あたりに必要な水も畜産の4%で済むと考えられています。

環境問題の解決が世界中で急がれる中、環境負荷の小さい昆虫食に期待が寄せられているのです。

ペットフードも昆虫食に?

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英国獣医師会(BVA)会長のサイモン・ドーハティ氏は、ペットフードの原料となる主なタンパク源を、これまで使われていた肉や魚から昆虫に置き換えることで、よりよい未来が実現するだろう、と述べています。

なんと、ペットが消費する食肉の量は、世界中の食肉の約12〜20%を占めると考えられています。深刻化する食糧不足や環境破壊の問題に鑑みると、ペットのごはんも決してばかにはなりません。

2019年にBBCは、イギリス国内のいくつかのペットフード製造企業では、すでに昆虫タンパクを最大40%含んだペットフードを販売していると伝えました。

ヴィーガンやベジタリアンの飼い主が特に注目

上記にあげた畜産業の環境問題や、動物福祉・健康維持への関心の高まりから、動物性の食べ物の消費を減らしたり、やめたりする動きが世界中で高まっています。

そんな菜食中心の生活を送る人たちは、やはりペットが食べるものにも気を配りたくなるもの。

ヴィーガンやベジタリアンのペットフードもいくつか販売されてきましたが、必須アミノ酸「タウリン」など、動物性のものかサプリメントからしか摂取できない栄養素を昆虫から得られるとあって、昆虫タンパクを使ったペットフードが注目されています。

もちろん、倫理的な面から、畜産業と同様に昆虫食に反対する人もいます。一方で、環境負荷に関してはかなり改善されるため、環境問題に関心の高い世界中の飼い主の支持を集めています。

昆虫食の栄養

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畜産肉や魚肉の代わりに、昆虫食をペットフードに用いることについて、飼い主のみなさんが一番気になるのが「栄養バランス」でしょう。

昆虫食の栄養素に関しては様々なデータがありますが、昆虫の中でも栄養価が高いとされるコオロギは、肉や魚と同等、もしくはそれ以上のタンパク質を含んでおり、脂質は少なく、食物繊維を多く含むとされています。

こうした昆虫食の栄養価の高さも、昆虫食が注目されているひとつの要因と言えるでしょう。

まとめ

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今回は、昆虫を取り入れたペットフードが脚光を浴びている背景や現状をお伝えしました。

昆虫食は、深刻化する食糧不足や環境破壊などの国際問題の解決に役立つことが期待されています。そして、これまでたくさんの肉や魚を使って作られていたペットフードについても、原料を見直し、昆虫にシフトする動きが見られます。

もともと肉を食べる動物に、肉ではなく昆虫を与えるなんて人間の勝手だ」と考える方もいるでしょうし、「たかがペットフード、されどペットフード。人間と共に生きてきたペットだからこそ、社会の変化にも対応していく必要がある」と考える方や、「美味しくて栄養があれば問題ない」と考える方もいるでしょう。

ペットフードに昆虫を取り入れることについて、みなさんはどのように思うでしょうか。

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