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コラム

災害現場で大活躍!災害救助犬の歴史や仕事、向いている犬とは?

Risa シェリー編集部

2021年7月3日に静岡県熱海市で発生した大規模な土石流災害の現場で、行方不明者の捜索に奮闘した災害救助犬たちが注目されました。活躍した災害救助犬は、自衛隊や複数のNPO法人に所属する犬たちです。

そんな災害救助犬ですが、一体いつ頃から活躍をしているのでしょうか?また、警察犬との違いや、向いている犬の特徴にはどのようなものがあるのでしょうか?

今回の記事では、災害救助犬について詳しくご紹介していきます。

災害救助犬の歴史


災害救助犬は、スイスのアルプス山脈の修道院で飼育していたセント・バーナードの祖先を、雪山の遭難者たちの捜索のために訓練したことが始まりだと言われています。

その後、ヨーロッパを中心に、主に牧羊犬が災害救助犬として活躍するようになりました。

日本では、1990年にジャパン・ケネル・クラブ(JKC)が災害救助犬の計画を始め、1995年の阪神淡路大震災の際には8頭の犬が活躍しています。

現在ではジャパン・ケネル・クラブを含めた4団体を中心に、消防庁や自治体と連携をとりながら災害救助犬の育成や派遣を行っています。

災害救助犬の仕事

1. 山の災害時に、雪や土砂の下敷きになった人を救助

熱海の土砂災害のように、山の中や山間地域における雪崩や土砂崩れによって、雪や土砂の中に埋もれてしまった人を見つけ出す仕事です。

災害救助犬は、大気に浮遊する僅かな人間の臭いを嗅ぎ別けて埋もれている人を探します。雪や土砂の隙間から臭いを感知することは簡単ではありませんが、人間が土砂を掻き分けて探すよりは、犬の方が素早く見つけ出せる可能性が高いのです。

2. 地震発生時に、瓦礫の下敷きになった人を救助

大地震が発生した際、建物が倒壊したり津波で流されたりして、重たい瓦礫や土砂の下敷きになった人を見つけ出す仕事です。
下敷きになった人を探す点は土砂災害発生時と同じですが、大地震の方がより広範囲を捜索することが多いです。

3. 山の遭難者を救助

災害救助犬は、災害時だけでなく、山で遭難してしまった人の捜索にも出動することがあります。
スイスの災害救助犬も、雪山での遭難者の捜索訓練が始まりでしたね。

4. 海や川で溺れている人を助ける水難救助犬

災害救助犬とは別に考えられることも多いですが、水辺の事故などで派遣されるのが「水難救助犬」です。

水難救助犬は、海や川などで溺れている人に浮き輪を届け、陸まで連れて帰る仕事をします。犬種としては、泳ぎの得意なニューファンドランドやラブラドール・レトリーバーが多いです。

警察犬との違い


警察犬も人などを探す仕事をする犬ですが、災害救助犬とは何が違うのでしょうか?

臭いの辿り方が違う

警察犬は、特定の人物の持ち物の臭いを元に、地面の臭いを嗅ぎながら追跡します。そのため、持ち物などの原臭と、足跡の臭いの両方がないと臭いを辿ることができません。

一方、災害救助犬は、特定の人ではなく、倒れている人などの特徴を嗅ぎ分けて探し出します。臭いの嗅ぎ方も、地面の足跡を辿るのではなく、空気中に漂う人の体臭、呼気などの浮遊臭を追うのです。

発見した後の動きが違う

警察犬は、犯人を発見した後、場合によっては腕を噛んで捕らえる手伝いをしたりしますが、災害救助犬は人を噛むことはしません

災害救助犬の場合は、土砂に埋もれている人などを発見したら、大声で吠えたりその場を引っ掻いたりして、ハンドラーに知らせるところまでが仕事です。

どんな犬が災害救助犬になれるの?

災害救助犬の中には、普段は一般の人の愛犬として普通に飼われている犬もいます。
地道な訓練を受けて、試験に合格すれば一般の飼い犬でも災害救助犬になれるのです。

ただし、飼い主が災害救助犬にしたいと思っても、犬に適性がなかったり、訓練がうまくいかなければ、もちろん出動はできません。

向いている犬種

災害救助犬には、特に犬種の制限はありません。ただし、狩猟本能のある犬や牧羊犬などが向いていると考えられています。

日本では、ラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバー、シェパード、ボーダー・コリーなどの大型犬が多いですが、ダックスフンド、ウェルシュ・コーギーなどの小〜中型犬や、柴犬、甲斐犬などの日本犬も災害救助犬として活躍しています。

向いている性格

いくら犬種が適していても、病弱な犬ややる気のない犬はもちろん不向きです。
NPO法人災害救助犬ネットワークによると、次のような性格の犬が向いているとされます。

  1. 人や他の動物に対して、攻撃性がないこと。
  2. 臭覚が優れ、動作が機敏であること。
  3. 捜索に対して強い意欲があること
  4. 集中力と忍耐力があること。
  5. 体力があり持続力があること。
  6. 突然の物音や出来事に恐がらないこと。
  7. 高い所や暗い所をこわがらないこと。

まとめ

今回は、災害救助犬について、その歴史や仕事内容、向いている犬の特徴などをご紹介しました。

日頃から私たち人間の心を癒してくれる犬たちですが、有事には優れた嗅覚をフル活用して、命を救おうとしてくれています。

そんな災害救助犬に感謝しつつ、やはりできることなら土砂災害などに巻き込まれる前に、早めの避難を心がけたいものですね。

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