散歩中、愛犬に引っ張られて困っているという方はたくさんいらっしゃいます。小型犬の場合は、その分引っ張る力も弱いため、力のない方でも制御しやすいですが、大型犬の場合はそうはいきません。
今回は、犬が引っ張ってしまうメカニズムをきちんと理解したうえで、引っ張りをなくす方法について見ていきます。
この記事の目次
犬が散歩中に引っ張るのはなぜ?

犬は4足歩行で、人間よりも自然と歩くスピードが速い生き物です。そのため、散歩中に犬が前へ出てしまうのはごく自然なことです。しかし、そこから以下のような悪循環が生まれてしまいます。
- 犬が気持ちよく散歩をしている
- 人間より歩行スピードが速いため、自然と前に出る
- リードがピンと張り、飼い主も引っ張られるような形になる
- 飼い主が引っ張られまいとリードを引き戻す
- 犬も引っ張られるので、バランスを保とうと引っ張り返す
- 次第に犬が興奮状態になり、もっと強く引っ張り返すようになる
この感覚、人間に置き換えるとイメージしやすいでしょう。例えば、自分が前に進もうとしている時に、後ろから急に服やバッグを引っ張られたら、思わず前に体重をかけて踏ん張ってしまいませんか。
そして、何度も引っ張られるうちに段々イライラしてくる。犬が興奮して引っ張り返してしまうのも、まさにこれと同じ状態です。
対抗反射(オポジション・リフレックス)とは?
犬が引っ張り返してしまうのは、意地悪や反抗心からではありません。これは「対抗反射(オポジション・リフレックス)」と呼ばれる、動物が本能的に持つ生理的な反応です。
対抗反射とは、外から力が加わった時に、その力に逆らう方向へ本能的に力をかけてしまう反応のことです。犬に限らず、人間にも同様の反応が起こります。先ほどの「後ろから引っ張られた時に踏ん張ってしまう」という例も、まさにこの対抗反射です。
つまり、飼い主がリードを引けば引くほど、犬は本能的に引っ張り返してしまうのです。力で制御しようとすると逆効果になるのはこのためで、引っ張りの問題を解決するには、そもそもリードをピンと張らせない状態を作ることが重要になってきます。
犬の引っ張りを改善するトレーニング方法

では、リードをピンと張らせないようにするにはどうすればいいのでしょうか。特に大型犬の場合、不意に引っ張られると飼い主が転倒してケガをするリスクもあるため、早めに対策を取ることが大切です。
引っ張りを防ぐトレーニングとしては、以下の2つが基本になります。まずはアイコンタクトやおすわりから始め、慣れてきたらヒールウォークに挑戦するのがおすすめです。
- アイコンタクト・おすわり:取り組みやすく、外でもできるようになるだけでも効果が期待できます
- ヒールウォーク(リーダーウォーク):飼い主の横に並んで歩くことを覚えさせる、より本格的なトレーニングです
アイコンタクトやおすわり自体が引っ張りを直接なくすわけではありませんが、散歩中に犬が引っ張りそうな瞬間に飼い主へ注意を向けさせることで、引っ張りが起きる前に行動をコントロールできるようになります。
まずは家の中で練習し、慣れてきたら少しずつ外でも実践していきましょう。犬は刺激の多い外の環境では集中力が散漫になりやすいので、焦らず練習を重ねることが大切です。
「ハーネス」と「首輪」、引っ張りが起きやすいのはどっち?

ハーネスと首輪、どちらの方が引っ張りが起きやすいでしょうか?
答えは、ハーネスです。ハーネスは胴体全体で力を分散させる構造のため、引っ張っても苦しくなりにくく、結果として犬が引っ張りやすい状態になってしまいます。ハーネスを使っていて引っ張りに困っている場合は、首輪型に変えてみるのも手です。
前述のトレーニングは時間もかかり、飼い主も一緒に取り組む必要があります。その点、ハーネスから首輪に変えることは誰でも簡単に試せます。効果には個体差がありますが、まずできることから始めてみるという意味で、試してみる価値はあるでしょう。
ただし、ハーネスが悪いわけではありません。他のトレーニングがきちんとできていれば、ハーネスを使っていても何の問題もありません。
イージーウォークハーネスを試す
ハーネスを使い続けたい場合は、胸にリードをつけるタイプのハーネス(イージーウォークハーネスなど)が引っ張り対策として有効です。
通常のハーネスは背中にリードをつける構造のため、犬が前に引っ張りやすくなっています。一方、イージーウォークハーネスは胸側にリードをつける構造のため、飼い主が軽くリードを引くだけで犬が前に進みづらくなります。犬の引っ張りを無理なく自然に抑制できるのが特徴です。
飼い主の横に並んで歩けたら、褒めたりおやつを与えたりしましょう。あくまで補助的な器具なので、基礎トレーニングは並行して行うようにしてください。
ジェントルリーダーを併用する

ジェントルリーダーとは、犬の鼻先に輪をかけるように装着するヘッドカラーの一種です。引っ張った際に頭部の向きが制御される構造のため、力の弱い方でも大型犬をコントロールしやすくなります。
ジェントルリーダーは犬によって効果に差があり、装着を嫌がる犬もいます。また、誤った使い方をすると犬に負担がかかる場合があるため、必ず付属の説明書をよく読んだうえで正しく使用してください。
効果が見られる場合でも、あくまで補助的な器具として位置づけ、おすわりや呼び戻しなどの基礎トレーニングを並行して行うことが大切です。
リードを緩めた状態で散歩するために

引っ張りのない快適な散歩を実現するためには、それなりの練習が必要です。まずはアイコンタクトやおすわりといった基礎トレーニングから始め、焦らず少しずつ外でも実践していきましょう。
できることから一つずつ取り組むことが、愛犬との散歩をより楽しいものにする近道です。






































