みなさんは、うさぎの種類をどれくらいご存じでしょうか。小学生の頃、うさぎを学校で飼っていたという方も多いかもしれません。
最近では、かわいらしい見た目が人気を呼び、うさぎをペットとしておうちに迎え入れる方も多くなってきました。
今回は、日本で人気の高いうさぎ10種と、その特徴、種類による性格の違いをご紹介します。
この記事の目次
うさぎは全部で50種類
アメリカンラビットブリーダーアソシエーション、通称ARBAと言われるアメリカ発祥の世界的なうさぎの非営利団体では、うさぎは全部で50種類と定義されています。
その50種類の中で、日本でペットとして飼われている代表的なうさぎは10種類にも満たないのです。
うさぎは種類によって、その見た目だけでなく性格も大きく異なります。それでは早速、日本で人気のあるうさぎ10種をみていきましょう。
代表種1 ネザーランドドワーフ
オランダ原産のうさぎです。「ネザーランドドワーフ」という名前は、オランダを表す「ネザーランド」と、北欧神話に登場する妖精「ドワーフ」をもとに名付けられました。
1969年にARBAに登録されたとても歴史ある種類のうさぎです。
ネザーランドドワーフの特徴
ネザーランドドワーフがペットの中で飼われているうさぎの中で最も小柄な種類です。体重は1kg前後で、その小柄さと特徴的な短い耳の愛らしさからとても人気があります。
被毛は短毛種です。カラーバリエーションも豊富で、30種類以上のカラーがあります。
ネザーランドドワーフの性格
好奇心が旺盛で活発な性格の子が多いですが、環境の変化に敏感で臆病な性格でもあります。
人見知りなので家に知らない人が来た時などは、びっくりして隠れることがよくあります。その反面、飼い主には愛情深く、甘えん坊なところが魅力的なうさぎです。
ネザーランドドワーフの飼い方
長生きしてもらうためには清潔な環境とストレスのない生活が重要です。住環境を整えて定期的に掃除し、騒音などに注意しましょう。
代表種2 ホーランドロップイヤー
オランダ原産のうさぎです。「ホーランド」とはオランダにある州の一つのホランド州が由来となっています。
「ロップイヤー」とは垂れた耳を表し、オランダ原産の垂れ耳のうさぎであることからこの名がつきました。
ホーランドロップイヤーの特徴
「ロップイヤー」という名前の由来になったように、垂れた長い耳が特徴の種類です。ロップイヤーはホーランドロップイヤー以外にも、「イングリッシュロップイヤー」や「フレンチロップイヤー」がいます。
それらのロップイヤーとネザーランドドワーフを掛け合わせて生まれた種類で、ロップイヤーの中では一番小柄な種類のため、とても人気のあるうさぎです。
体重は2kg~3kgほどで、ネザーランドドワーフよりもひとまわり大きくなります。
カラーバリエーションは30種類ほどです。被毛は比較的長めで、ふわふわとした柔らかい毛が特徴です。毛玉ができないようにブラッシングするなど、注意が必要です。
ホーランドロップイヤーの性格
とても穏やかで、人懐っこい種類です。あまり人見知りせず、初対面の人に触れても怖がらずに懐いてくれます。
大らかな性格のため、環境の変化にも強く、引っ越しなどをしても体調を崩すことは少ないでしょう。
ホーランドロップイヤーの飼い方
うさぎの中ではとても飼いやすい種類と言えます。ただし、ケーブルなどをかじらないようにするなど、安全には注意するようにしましょう。
代表種3 ミニレッキス
アメリカ原産で、レッキスとネザーランドドワーフを掛け合わせた種類のうさぎです。
ネザーランドドワーフと掛け合わせることで、レッキスよりも小さくなったため、ミニレッキスという名前がつきました。
ミニレッキスの特徴
ミニレッキスの一番の特徴はその被毛です。ミニレッキスの被毛は短く、密度が高いため、とても光沢のある見た目をしています。
その触り心地の良さや、光沢のある上品な見た目が多くの人を魅了しています。
体格は一般的なイメージのうさぎに最も近く、長い耳と筋肉質な身体を持っています。
その筋肉量から運動神経がとても良く、ペットとして飼われているうさぎの中ではジャンプ力もトップクラスです。
大きさは、ネザーランドドワーフと掛け合わせているため、比較的小型の種類になり、3kg~4kgが平均的なサイズと言えるでしょう。
ミニレッキスの性格
活発で好奇心旺盛な性格です。とても人懐っこく、人見知りはあまりしません。神経質な性格が多いうさぎの中ではとても社交的で、環境の変化に強いタイプです。
運動神経の良さと好奇心旺盛な性格から、かなり活発に動き回ります。お散歩が好きな子が多く、外にお散歩に行くととても喜んで走り回ります。
ミニレッキスの飼い方
足裏が繊細なため、スノコの上で飼育する場合には飛節びらんなどの脚に関わる病気に注意してください。
また、飼育はじめは疲れて体調を崩しやすいため、お触りや遊びは適度にしましょう。
代表種4 ジャージーウーリー
「ジャージーウーリー」は、アメリカ原産のうさぎの代表種です。
一見するとネザーランドドワーフに似ていますが、オランダ原産で歴史のあるネザーランドドワーフに対して、ジャージーウーリーはアメリカ原産のまだ歴史の浅い種類です。
ネザーランドドワーフと「フレンチアンゴラ」という長毛の種類のうさぎを掛け合わせて誕生し、1988年にARBAに登録されました。
ジャージーウーリーの特徴
ネザーランドドワーフと同様にかなり小型の体形で、短い耳を持ちます。体重は1~2kgほどです。
ネザーランドドワーフと大きく異なる点は、被毛の長さです。ネザーランドドワーフは短毛ですが、ジャージーウーリーは長毛の種類のうさぎです。
「手入れが楽な長毛種」を目指して交配されたうさぎの種類です。被毛が長いため毛玉はできやすく、ブラッシングが必要ですが、その手入れはとても簡単です。
また、子うさぎの頃は、ネザーランドドワーフと区別がつきにくいのですが、成長するにつれて耳が少し伸びるのが特徴です。
ジャージーウーリーの性格
かなり温厚で優しい性格のうさぎです。
とても甘えん坊で、人馴れもしやすく、とても飼いやすい種類です。
しかし、このうさぎは普段からおとなしい性格のため、感情の変化がわかりにくいという面があります。体調不良などの変化に気がつきにくいことがあるので、注意が必要です。
ジャージーウーリーの飼い方
被毛がとても長い種類なので、日頃から十分なお手入れが必要です。特に夏場や梅雨時期は皮膚病に要注意です。
代表種5 アメリカンファジーロップ
アメリカンファジーロップはホーランドロップにフレンチアンゴラを交配させて生まれたうさぎです。シルバニアファミリーのウサギのような見た目です。
アメリカンファジーロップの特徴
体長は30cm前後で、体重は1.5~2kgぐらいの大きさです。寿命は6~8年程度ですが、10年以上長生きすることもあります。長毛種と短毛種が配合されたことから、毛並みはとてもふわふわです。
アメリカンファジーロップの性格
少し臆病な一面もありますが、人懐こく穏やかで抱っこを嫌がりません。ずいぶん甘えん坊に育つ子もいるようです。
アメリカンファジーロップの飼い方
垂れ耳のため通気性が悪く、耳の病気にかかるリスクがあります。長毛のため、ブラッシングはこまめに行ってください。
代表種6 ミニロップ
ジャーマンビッグロップとチンチラ種を掛け合わせて誕生したうさぎです。しっかりとした長い垂れ耳が特徴。
ミニロップの特徴
ホーランドロップより大きめのサイズのうさぎで、成長すると2~3kgになります。滑らかな毛並みにはブルーやゴールデンオレンジなど珍しい色もあります。
ミニロップの性格
好奇心が旺盛で、新しい環境にも適応しやすいうさぎです。自分から飼い主と遊びたがったりスキンシップを好む傾向があります。反面、縄張り意識が強いため、他のペットと一緒に飼うことは難しいかもしれません。
ミニロップの飼い方
多頭飼いは避けましょう。広めのケージで飼育してあげてください。また、1日に2回ほどはケージから出して遊んであげましょう。
代表種7 フレンチロップ
その名の通り、フランス生まれの大型のウサギです。体が他の種類と比較にならないほど大きく、動き方もとてもパワフルです。
フレンチロップの特徴
フレンチロップは、見た目がホーランドロップと似ていますが、ひと回り以上大きいサイズです。平均体重が5~7kg前後にもなります。毛色には数えられないほどたくさんの種類があります。
フレンチロップの性格
性格は温厚でなつきやすいですが、縄張り意識は強い傾向にあるので発情期は少し攻撃的になることもあります。
フレンチロップの飼い方
トイレのしつけがとても難しいため、辛抱強くしつけてください。市販のうさぎ用のケージでは狭くなってしまうため、犬用のケージで育てると良いでしょう。また、食事の量も必然的に多くなるため、太ってしまわないようにたくさん運動させてあげてください。
代表種8 イングリッシュロップイヤー
他のロップイヤー系の原種となった品種のうさぎです。世界で初めてペット用に改良されたうさぎとも言われています。
イングリッシュロップイヤーの特徴
身体を包み込むように垂れた、大きく長い耳が特徴のうさぎです。耳の先は丸く首は太めで、胸は幅広くお尻にかけてなめらかな曲線になっています。
イングリッシュロップイヤーの性格
賢くおとなしい性格です。人になつきやすい傾向にあり、慣れてくると甘えるようになります。名前を読んだり、エサの時間になるとよってくる子もいるようです。
イングリッシュロップイヤーの飼い方
大型の種類なので、フレンチロップと同様に大きめのケージで飼育してください。また、暑さや寒さ、騒音や環境変化にデリケートなので注意深く接してあげる必要があります。
代表種9 ライオンヘッド
ふわふわな毛と短い耳が特徴的なうさぎの種類です。体の特徴によって呼び分けられ、小柄だと「ドワーフライオン」、耳が垂れていると「ライオンロップ」とされることがあります。
ライオンヘッドの特徴
短めの耳と顔の周りにあるたてがみのような飾り毛が特徴のうさぎです。体重は1~2kg程度になります。
ライオンヘッドの性格
比較的おとなしく、人馴れする子が多くいます。名前を読んでからごはんやおやつを与えるようにすると、飼い主さんのことを覚えます。
ライオンヘッドの飼い方
成長してからは丈夫で飼育しやすいものの、まだ幼いときはデリケートなため温度管理を徹底し、過度な運動やスキンシップは避けましょう。
代表種10 ダッチ
ダッチとは英語でオランダという意味です。発祥地はオランダですが、品種として登録されたのがイギリスのため、原産国はイギリスになっています。
ダッチの特徴
白黒でパンダのような見た目のうさぎです。耳はピンと立っており、バランスの取れた大きさ。全体的にまるっとしており、光沢があります。
ダッチの性格
個体差はあるものの、温和でなつきやすいことを特徴としている種類です。おとなしく行動的でないためにストレスも溜めにくく、初めて飼う場合にも適しています。
ダッチの飼い方
ペレットはうさぎに必要な栄養分がバランスよく添加されているものの、食べすぎると肥満体になってしまいます。そのため、食事全体の6割は牧草にしましょう。
うさぎをペットとして飼育する際の注意点
うさぎは基本的に一匹で行動し、縄張り意識がとても強い動物です。そのため、どんなに大人しいうさぎ同士であっても、同じサークルやケージで飼うのは避けましょう。
喧嘩になる可能性が高く、自分の縄張りがないことはうさぎにとってストレスにもなります。
そして、うさぎはとても脚力が強く、高いところに登りたがります。
しかし、高いところから落ちてしまった場合は、骨折などの怪我につながります。うさぎの骨折は完治に時間がかかるため、部屋で遊ばせる際は注意しましょう。
まとめ
今回紹介したうさぎは、現在ペットとして飼われているうさぎのうちのほんの一部の代表的な種類だけです。
また、うさぎは種類により性格の傾向はありますが、必ずその性格が当てはまるとは限りません。これはどの動物にも言えることです。
大事なことはうさぎとたくさんコミュニケーションをとって、その子の性格を理解することです。うさぎに限らず、動物と一緒に暮らす際は、このことを心がけることで、徐々に気持ちが通ずるようになるでしょう。
- 改訂履歴
- 2023/12/01 画像、文章を修正
- 2019/01/09 初版公開