「うさぎは寂しいと死ぬ」という話を聞いたことがあるかもしれません。
うさぎを飼いたいと思っていても、うさぎは寂しがりやだからいつも一緒にいてあげないといけないの?多頭飼いにしてあげた方がいいの?などと心配になる方もいるかもしれません。
この記事では、うさぎは寂しいと本当に死ぬのかについて解説し、多頭飼いするときのポイントをご紹介します。
この記事の目次
「うさぎは寂しいと死ぬ」はウソ
結論から言いますと、寂しさが原因で死ぬことに科学的な根拠はありません。
1993年に放送されたドラマ『一つ屋根の下』に登場するセリフで、「うさぎって寂しいと死んじゃう」というものがありました。人気ドラマだったことからこのセリフが世間に広まり、寂しいと死ぬといううさぎのイメージが定着してしまったようです。
また、かつてはお祭りの露店などでうさぎが売られており、セールス文句として「1羽だけだと寂しくて死んじゃうから2羽買ったほうが良い」と言われていたことも噂が広まる原因となったようです。
うさぎは単独行動をする生き物
そもそも野生のうさぎは常に集団行動をしているわけではなく、単独行動をすることもあります。このことからも、寂さが原因で死ぬということは考えられません。
突然死することがある
うさぎをはじめとする小動物は、天敵に見つからないように弱っていることを隠す動物です。
そのため、見かけ上は元気であっても徐々に衰弱していき、仕事から帰って来たら死んでしまっていたということもあります。前日までは元気だったことから、「孤独が原因で死んでしまったのではないか」と勘違いしてしまうことがあるようです。
特に生後2ヶ月以内のうさぎは、ストレスや感染症で突然死んでしまうことも少なくありません。少しの異変にもすぐに気づけるよう、普段から体重の変化や食事量、フンの様子などをしっかり把握しておきましょう。
12時間以上の絶食は危険
うさぎは草食動物なので、胃腸が常に動いている必要があります。12時間以上何も食べない状態が続くと、胃腸の機能が低下し、胃腸内の食べものが異常発酵してガスが溜まります。するとお腹が圧迫されて苦しくなり、さらに食べられなくなり、体調が悪化していきます。
そして、絶食が1日以上続くと、エネルギーを得るために全身の脂肪を肝臓に集め、大量の脂肪を処理しきれなくなった肝臓は脂肪肝になります。脂肪肝になってしまったうさぎはいつ死亡してもおかしくありません。
うさぎの体調が悪そうだけど、少し様子を見てみようと考えるかもしれません。しかし、12時間以上の絶食は命に関わり、少し留守にした間に死んでしまうことも珍しくありません。うさぎが何も食べていないと感じたらすぐに動物病院を受診してください。
多頭飼いはうさぎ同士の相性が重要
ケージは1羽に1ケージ
「うさぎは寂しがりやさんだから、他のうさぎとも一緒に過ごせるようにしてあげよう」と考えるかもしれません。しかし、うさぎは縄張り意識が強く、縄張りの中に他のうさぎがいることは非常にストレスです。基本的には1羽に1ケージを用意する必要があります。
部屋で散歩させる際は、それぞれのうさぎの性格と相性次第ではありますが、顔を合わせただけでケンカをしてしまう場合もあります。一概には言えませんが、性別による相性も影響します。
オスの多頭飼育
オスは特に縄張り意識が強く、顔を合わせるとマウンティングをしたり、激しいケンカをしたりととても危険です。ケンカで負った傷で死に至ることもあるので注意しましょう。
去勢手術をすることで少しは改善されますが、よっぽど相性が良くない限りは一緒に散歩させるのは避けましょう。
オスとメスの多頭飼育
オスとメスの相性は比較的良く、一緒にしても問題のない場合が多いです。
ただし、オスとメスを同じ空間で飼育すると、繁殖してしまう可能性があります。うさぎは交尾をするとほぼ確実に妊娠してしまうため、繁殖の予定がなければ避妊・去勢手術をした上で一緒にしましょう。
メスの多頭飼育
メス同士の場合は仲良くなりやすいです。オス同士のように大ゲンカをすることは少ないですが、相性が合わない場合はひどいケンカをすることもあります。
親子や兄弟姉妹は?
生後2〜3ヶ月頃までは同じ空間でも飼育できますが、徐々に縄張り意識が芽生え、血の繋がりは関係なくなってしまいます。ケンカをして怪我をする前に、多少大きくなったらケージを分けるようにしましょう。
また、うさぎは生後4ヶ月を過ぎると妊娠可能なため、親子や兄弟であっても繁殖を希望しない場合は気をつけましょう。
まとめ
うさぎは寂しい死ぬというのは都市伝説でした。しかし、うさぎは体の不調を隠す動物です。少し留守にした間に体調が悪化し、死んでしまうことも珍しくありません。12時間絶食が続くととても危険ですので、異変に気づいたらすぐに動物病院を受診しましょう。
縄張り意識が強いうさぎは、ほかのうさぎと同じケージで飼うとケンカをして、時には命を落とすこともあります。それぞれの飼育スペースはしっかり確保しつつ、他のうさぎと一緒に散歩をさせる際は絶対に目を離さないようにしましょう。