キリスト教に馴染みがない人でも、「イースター」と聞けば、カラフルな卵やウサギの装飾を思い浮かべるのではないでしょうか。
キリスト教徒たちにとって、イースターは1年の中でもクリスマスと同じくらい重大なイベントとされていますが、では、なぜイースターに卵やうさぎが登場するのかご存知ですか?
今回の記事では、イースターの概要や、卵やうさぎがモチーフとなった理由を紹介します。
なお、2022年のイースターは、4月17日(日)です。
この記事の目次
そもそもイースターとは?
イースターとは、「復活祭」のことで、イエス・キリストが十字架に架けられて亡くなってから3日後に復活した奇跡を祝う行事です。
イエス・キリストの復活はキリスト教徒にとっても非常に重要な出来事であったため、イースターはクリスマスと同じくらい大事なイベントとされています。
イースターはいつ?
イースターの日は、「春分の日の後、最初の満月を迎えた次の日曜日」という決まりがあるため、年によって日にちが異なります。
キリスト教圏の国では、クリスマス休暇と同じように、イースターが祝日となる国も多いようです。当日は、教会でお祈りを捧げた後、家族や友人が揃って食事をします。
また、この特定の日曜日から7週間がイースターシーズンとなり、シーズンを通して復活のお祝いをします。
イースターエッグとイースターバニー
イースターといえば、卵やうさぎを思い浮かべるのではないでしょうか。
イースターの卵は「イースターエッグ」、うさぎは「イースターバニー」と呼ばれます。
イースターエッグ
イースターエッグは、中身を空にした卵の殻にペイントを施したものです。
この空の卵は、空になったキリストの墓、すなわちキリストの復活を表しているとされています。
イースターエッグは、飾りとして楽しむだけでなく、様々な競技にも使用します。
例えば、隠されたイースターエッグを子供たちが探し、拾った数を競う「エッグハント」や、大きめのスプーン等に乗せ、落とさずに走る「エッグレース」、割らないように転がす「エッグロール」などがあります。
イースターバニー
イースターバニーは、子供たちにイースターエッグを運んで来て、隠す役割を果たすキャラクターとされています。
また、子供たちがイースターの前日、バスケットを玄関先においておくと、夜の間にイースターバニーがやって来て、イースターエッグやお菓子、おもちゃなどを入れておいてくれるという伝承があります。
ただし、クリスマスのサンタクロースと同じように、「良い子」にしていないとプレゼントはもらえないようです。
なぜ、うさぎなのか?
地球上には様々な動物が存在していますが、その中でもうさぎがイースターのキャラクターとして親しまれているのはなぜなのでしょうか。
「繁栄」の象徴
最も一般的な説は、うさぎは繁殖力が非常に強く、キリスト教において「生命力」「繁栄」の象徴とされていることから、復活祭のモチーフに最適だったというものです。
ただし、聖書の中にはそうした記述はなく、イースターバニーの登場は16世紀頃のドイツだと考えられています。
では、なぜドイツでイースターバニーが登場したのでしょうか。
ゲルマン神話の女神に由来する説
ゲルマン神話に登場する春の女神「エオストレ」がノウサギを従えていたことが、ドイツでイースターバニーが登場した一つの説だと言われています。
エオストレは、「イーストレ」とも呼ばれ、イースターの語源になったと考えられています。ヨーロッパには、もともと春分の日にエオストレを祝う伝統があった地域が存在し、キリスト教が広まった際にイエスの復活祭と融合して今の形になったとも言われています。
イースターの動物は他にもいた?
ドイツにおいても、昔からイースターエッグを運ぶのはうさぎ以外にも、コウノトリやツル、キツネなど、様々な動物がいました。
ところが、戦後、菓子メーカーがうさぎ形のチョコレートを販売するようになると、一気にうさぎのイメージが定着したと言われています。
ただし、ドイツの一部地域では、現在もキツネなどがイースターエッグを運んでくるとされており、他にも、例えばスイスではカッコウがイースターエッグを運んでくるとされています。
まとめ
日本でも、イースター関連の雑貨が販売されたり、各地でイベントが催されることがありますが、イースターエッグやイースターバニーの由来や意味を知っている方は、意外と少ないかもしれません。
イースターのイベントに参加したり、飾り付けをしてSNSなどにアップする際は、イースターの詳細を少しでも身に付け、キリスト教の文化に理解を深めておきたいものですね。