シャム猫の色は温度で変化!とっても不思議な仕組みについて

2024.04.23
シャム猫の色は温度で変化!とっても不思議な仕組みについて

みなさんは「シャム」という種類の猫をご存知ですか?

スラッとした胴体に青い目のついた逆三角形の小さな頭、そして顔や耳、手足の先にポイントカラーがあるのが特徴的な猫で、またの名を「サイアミーズ」とも言います。

とても綺麗で気品のある雰囲気を漂わせる猫として絶大な人気を誇り、キャットショーなどでも毎回上位に入る猫種です。

今回はそんなシャム猫の「色が変わること」について詳しくご紹介します。

この記事の目次

シャム猫とは

タイから来た伝説の猫
古代からタイ王国に伝わる猫で、限られた血筋の人たちしか飼うことが許されなかったと言われています。

世に出てからは、たくさんのキャットショーで賞を受賞し、一躍有名になっていきました。

この猫の特徴といえば顔や耳、尻尾や手足だけ色が濃いことです。この色の濃くなっている部分のことを「ポインテッド」と言い、この色のことを「ポイントカラー」と言います。

シャム猫に関する言い伝え

タイには次のようなシャム猫に関する言い伝えが存在します。

シャム猫の夫婦をある僧侶が飼っていた。

ところが、しばらくその僧侶が旅に出るので、シャム猫夫婦に仏様の像を守るように言いつけた。

そこで、2匹は朝も夜も仏様の前から離れず、尾を仏様に巻き付け、夜も目を凝らして闇を見つめ、仏様を守った。

その僧侶が帰ってきた時には、目は赤く、尾はくるりと回り、声もしわがれ、顔も黒くなっていたという。

(保育社カラーブックス「ねこ」より)

シャム猫の忠誠心とハスキーな声、特徴的なポイントカラー、そして色が変わることについての逸話ですね。ちょっとかわいそうになる話ではありますが…。

シャム猫のポイントカラー

シャム猫の色の変化はなぜ起こる?
ポイントカラーには、以下の4つの種類があります。

  • チョコレートポイント
  • シールポイント
  • ライラックポイント
  • ブルーポイント

シャム猫のポイントカラーは母猫、父猫から受け継ぐ遺伝子の組み合わせによって決まります。

なぜ色が違うのか?

なぜシャム猫は、特定の部分だけ色が濃く変わるのでしょうか?

その理由は、シャム猫がサイアミーズ遺伝子という遺伝子をもっているからです。

このサイアミーズ遺伝子は、毛の色の色素の発現を抑えて白に近い色にする働きがあります。しかし、この働きは体温の低いところではうまく働きません。

そのため、シャム猫は体温の低い鼻先や耳、手足、尻尾などの身体の先端部分だけ濃い色に変わり、それ以外の体温の高いところは、白に近いアンティークホワイトのような色になっているのです。

季節・年齢によっても変わる

シャム猫の色はシーズンごと、年ごとに変わっていく
ここで「温度で変わるのであれば、寒いときや暑いときでも身体の色が変わるのではないか」と思った方、実はその通りなのです。

暑い夏はポイントカラーが薄く変わり、寒い冬はポイントカラーの色が濃く変化します。ただし、シャム猫は短毛で毛も薄いため、あまり寒い環境下におかないように注意しましょう。

また、ポイントカラーの色味は年齢によっても変わります。実は、生まれてきたばかりの時は体温が高いので真っ白なのです。月日が経つとポインテッドが現れて、年齢を重ねるごとにその色は濃く変わっていき、そしてその範囲も広がっていきます。

目の色が青いのはなぜ?

シャム猫の澄んだ青い目も、同じ原理でそうなっている
シャム猫の瞳は澄んでいて、とても綺麗な青色をしていますよね。このような色はあまり他の猫種には見られません。では、なぜこのような色になるのかというと、これもサイアミーズ遺伝子が関係しているのです。

先ほども述べたとおり、サイアミーズ遺伝子は色素の発現を抑えます。

その働きは瞳にも現れます。温度の高い眼球において瞳の色が発現するのを抑えるため、あのような綺麗に澄んだ青色になるのです。

肉球・鼻鏡の色も!?

また、ポインテッドの色を決める遺伝子は肉球や鼻鏡(鼻先の皮膚の部分)にも影響を与えます。

ポイントカラーの色 肉球・鼻鏡の色
チョコレートポイント シナモンピンク
シールポイント シナモンブラウン
ライラックポイント ラベンダーピンク
ブルーポイント スレート

また、シールポイントなのにシナモンピンクの肉球を持っている子がいたり、ブルーポイントなのにピンクの肉球を持っている子がいることがあります。そのような子は「ミスカラー」と呼ばれて珍しいそうです。

#シャム猫の色変わりすぎ選手権

シャム猫の色の変化が凄すぎて驚く飼い主さんたち

Teitterのハッシュタグ「#シャム猫の色変わりすぎ選手権」では、飼い主さんたちがシャム猫たちのビフォーアフターの写真を載せて楽しんでいます。Instagramでも「#シャム猫の色変わりすぎ選手権」のハッシュタグがついた投稿が見られるので、こちらもチェックしてみましょう。

生まれたときは白かったから「ミルク」と名付けたのに、ときが経ってみればいつの間にかカフェオレほどの色になっていたなんて子も。本当にびっくりするくらい色が変わっているので、ぜひ確認してみてくださいね。

最後に

ほんとうにうちのシャム猫?
多くの方はシャム猫と言うと、体はクリーム色で手足や顔が黒いという特徴を思い浮かべるのではないでしょうか。

今回の記事では、その不思議な模様についての豆知識をご紹介しました。遺伝子の組み合わせによってそれぞれが絶妙な色合いを持ったシャム猫、とても魅力的な猫です。

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