愛犬が散歩中にリードをグイグイ引っ張ったり、逆になかなか歩かなかったりする。
そんなとき、リードを引っ張り返したり、引きずるように無理やり歩かせていませんか?これでは犬も飼い主さんもストレスが溜まってしまいます。
今回の記事では、そんな困った行動の原因をしっかりとおさえた上で、対処方法を解説いたします。飼い主さんと愛犬、お互いにとって楽しいお散歩の仕方を見つけましょう!
この記事の目次
散歩中の犬の気持ちを知ろう!
犬が困った行動をしたときは、まずはその行動の背景にある「犬の気持ち」を考えることが重要です。
なぜなら、犬の気持ちを考えずに表面上の行動だけを強制的に変えたところで、犬にとっての原因は残ったままになってしまうからです。これは全ての「しつけ」の基本と言えます。
この「問題の根本的な原因」を解決しないままでは犬のストレスは増えていき、いずれ別の問題ある行動に発展してしまったり、問題そのものが悪化してしまうかもしれません。犬の気持ちを知ってはじめて、根本から問題を解決できるのです。
散歩中リードを引っ張る犬の気持ち
それでは、なぜ散歩中に犬はリードをグイグイ引っ張って前に進みたくなるのでしょうか?どんな気持ちが犬にそのような行動をさせているのでしょう?
主な理由として、以下のような気持ちが考えられます。
犬の気持ち | 原因 |
---|---|
もっと早く歩きたい | 運動不足 |
早くオシッコしたい | 排泄を我慢している |
あそこに早く行きたい | 気になるもの・怖いものがある |
歩くのを嫌がる犬の気持ち
「散歩中に突然犬が歩かなくなってしまった」なんて経験ありませんか?突発的に起こるように見えるこの行動にも、実は理由があります。
犬の気持ち | 原因 |
---|---|
もう歩きたくない | 疲れている |
体が痛い | ケガや病気がある |
そっちに行きたくない | 気になるもの・怖いものがある |
散歩中の困った行動の原因は主にこの3つ!
引っ張る行動と歩かなくなる行動はいずれも相反するような問題に見えますが、整理してみると「適切でない運動量」「身体的な問題」「興味関心」に起因していることがわかります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
適切でない運動量
適切な運動量は、犬種や年齢などによって異なります。運動不足が肥満やさまざまな病気の原因になるのはもちろんのこと、運動のしすぎもよくありません。
愛犬の適切な運動量を見極めて日々の生活の中で調整してあげてください。
身体的な問題
犬は体の不調を言葉で伝えることができません。
定期的に動物病院の診察を受けたり、気になることがあったらできるだけ早く相談するようにしましょう。オシッコを我慢している場合は、家でトイレをできるようにトレーニングすると良いでしょう。
興味関心
犬は散歩中にあちこちの匂いを嗅いだり、さまざまなものを見聞きしているので、「あれなんだろう?」と好奇心を刺激されたり、「あそこは怖いからこっちにいきたい」と恐怖を感じてしまったりします。
好奇心旺盛な犬の興味関心ごとには、どのように対処すればよいのでしょうか?次の章で詳しく解説します。
犬の興味をそらすには?
犬の問題行動を適切に改善するためには、まずは犬という動物を理解する必要があります。
もともと犬は人間と一緒に何らかの仕事をするためにブリーディングされてきました。そのため、本能的に飼い主と一緒に何かをするのが大好きなのです。そんな犬の特性を活かして、「飼い主と一緒に歩くのが最大の関心ごと」になれば、引っ張ったり、立ち止まって歩かなくなってしまうことはなくなるはずです。
それでは、具体的な方法を3つほどご紹介します。
その1: オヤツはいつもらえるかなゲーム
愛犬が大好きなオヤツを持ってお散歩に行きましょう。そして、お散歩中に愛犬の名前を呼んで、こちらを見てくれたらオヤツを1つあげます。
お散歩中にランダムにこのゲームを行うだけで、愛犬は「次はいつオヤツくれるのかな?」とあなたの事をチラチラ見たりして気にしてくれるようになるはずです。
オヤツは小さくて良いので、何度もあげられるようにしましょう。30分程度のお散歩の中でオヤツ20粒以上を目安にして、愛犬とゲーム感覚で楽しみながらやってみてください。また、オヤツはお散歩の時だけもらえるスペシャルなおいしいものを用意するとより効果的です。
その2: ボールやオモチャで遊びながら歩く
オモチャが好きな子であれば、お散歩中に突然オモチャを出して遊んであげましょう。その際、あの広場まで行ったら遊ぶ、というようなパターンは作らずに、いつオモチャ遊びタイムが来るか犬に分からないようにするのがポイントです。
また、遊ぶのは数秒だけにするとさらに効果的です。「え?もう終わり?もっと遊びたいよー」と犬に思ってもらうと、「次はいつオモチャ出してくれるかな?」とオモチャを持っている飼い主を気にしながら歩くようになります。
その3: 頻繁に声をかけながら歩く
オヤツやオモチャといった物に頼らなくても、愛犬に声をかけながらお散歩するだけで効果が得られることもあります。「いい天気だねー」「いい子に歩けてるねー」など愛犬にたくさん声をかけてあげてみてください。
愛犬があなたの事をチラッと見たり、あなたのことを気にするようになります。
最後に
愛犬による「引っ張り」、お困りの方も多いと思います。中型犬以上になると、その力も強いため、相談が多い困りごとの1つでもあります。そんな引っ張りにもきちんと原因があり、その原因を取り除いてあげることで、スッと治ることがあります。
愛犬が飼い主さんの事を意識しながら楽しく歩いてくれるための工夫は、この他にもたくさんあると思います。散歩中にスマホばかり見ていたり、ただ歩いたりするだけでなく、愛犬にとってあなたとのお散歩がもっと楽しくなるようにぜひ工夫してみてください。それがお散歩中の「引っ張り」を治す一番の治療薬になることでしょう。