夜中の猫の運動会に悩まされていませんか?
布団の上を走り抜け、餌をねだる猫。多頭飼いの猫たちは、追いかけっこやじゃれ合いで大騒ぎ。これでは、とても寝ていられません。猫は夜に活動するものだと割り切って、耐えるしかないのでしょうか?
今回の記事では、猫が夜中に騒ぐ原因と対策を解説します。
この記事の目次
猫は夜行性ではない
猫は夜行性だと思っている方が多いですが、実はちょっと違います。
猫は夕方と明け方に活動する「薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)」の動物で、「クリパスキュラ」とも呼ばれます。
獲物の活動時間に適応した
なぜ猫は夕方と明け方に活動するのでしょう?
それは、猫の獲物である小鳥やネズミ類が活発になるのが、夕方や明け方だからです。
安全な夜中に行動する野良猫たち
しかし、「夜中に騒いだり、町中でゴミをあさったりしている野良猫たちがいるけれど、夜行性じゃないの?」と思うかもしれません。
夜中は車も人もあまり通らないため、野良猫たちは危険な目にあう確率が減ります。そのため、多くの野良猫は、やむを得ず夜行性のような暮らしをしているのです。
夜中に家の猫が暴れる5つの原因
では、野良猫ではない飼い猫が、毎晩のように騒いで飼い主さんを起こしてしまうのはなぜでしょうか?ここでは5つの原因をご紹介します。
1. 昼間の刺激が少なすぎる
飼い主さんが学校や仕事に行ってしまい、おもちゃもない、刺激もないとなると、猫は昼寝をするしかありません。
たとえ飼い主さんが在宅でも、テレワークなどで忙しいことも多いでしょう。そのため、夜は体力が有り余って活発になるのです。
2. 寒さを感じている
特に、高齢の猫は筋肉量が減るため、代謝が低下して体温も低くなりがちです。腎臓疾患の猫も、低体温が見られることがあります。
3. トイレが汚い
猫はきれい好きなので、汚れたトイレで排泄したくありません。
夜中にトイレが汚れていれば、何としても飼い主さんを起こして掃除をしてもらいたいのです。特に多頭飼いの場合、トイレが汚れるのは早いため頻繁に起こされる羽目になります。
4. お腹が減ってしまう
お腹が減った猫は、フードが出てくるまで起こし続けます。猫が空腹を我慢して寝ることは、ほとんどないでしょう。
5. 飼い主さんが起こすと起きるから
夜中でも飼い主さんが起きると知ってしまった猫は、起きてほしい事態があれば何度でも起こしにきます。
つまり、猫は飼い主さんの反応を見て学習しているのです。「高い声で鳴いてみたら起きた」「棚の上から飾ってあるものを落としてみたら、飼い主さんが飛び起きた」と学習すれば、高い声で鳴き、物を落として起こすようになります。
夜中に猫に寝てもらうには?
寝不足は、飼い主さんの体調に影響します。夜中は、猫も飼い主さんもしっかり眠れるよう対策しましょう。
1. 昼間の退屈解消
仕事や家事が忙しく、昼間は猫に構っていられない飼い主さんも多いはず。
そこで、おもちゃを上手に使って猫の退屈を解消しましょう。
- 猫の通り道やキャットタワーに、ゆらゆら揺れるおもちゃをぶら下げる。
- 転がすとおやつが出てくるおもちゃを部屋中に置く。トンネルの中に隠しておくのも◎
- 窓辺にキャットタワーやハンモックを置いて、外の景色を眺められるようにする。
- 定期的におもちゃを変更し、飽きさせない。
おもちゃは、誤飲の危険がない丈夫で安全なものを選びましょう。
また、窓際にキャットタワーを置いた際、近所の犬が吠える、怖いボス猫が通るなどの場合、かえってストレスになるので注意してください。
2. 猫の寝床を確認
隙間風が入りやすい窓辺は、特に冬場は寒くて猫が眠りにくいかもしれません。
寝床の位置をずらす、温かい敷物を敷く、カバーをかけるなどの対策をしてあげましょう。
3. トイレは複数設置
トイレ掃除に起こされる飼い主さんは、掃除をしなくても済むようにトイレを複数置いておきましょう。
4. フードのおねだり対策
夜もおやつやフードをおもちゃに仕込むのは大変です。タイマー付き自動給餌器を利用しましょう。
明け方まで給餌できるようにしておけば、飼い主さんは安心して眠れます。多頭飼いの場合は、猫の数だけ用意してください。
5. 猫の要求に反応しない
毎回猫の要求に反応すると、猫は学習して何度も飼い主さんを起こすようになります。トイレやフード、寝床なども対策をしたら、猫がどんなに鳴いても起きないようにします。
ただし、猫が体調不良や具合の悪い場合は、対応してください。
6. 猫との触れ合いタイムを増やす
遊んでほしくて騒ぐ猫には、寝る前に意識して触れ合うようにします。
1日1回は猫と遊ぶ時間を取りましょう。ブラッシングやマッサージもおすすめです。
こんなときは動物病院へ
猫が夜中に活発だと、元気が有り余っているように思えますが、実はなんらかの病気が隠れていることもあります。
次のような場合は、早めに動物病院を受診してください。
- やたらと活発になって、夜中でもご飯を食べたがる
- 水をたくさん飲んで、尿の回数も多い
- トイレの場所がわからなくて、粗相が増えた
- 排泄のたびに鳴き叫ぶ
- 高齢の猫で、急に夜やたらと鳴くようになった
そのほか、少しでも心配なことがあったら受診しましょう。
まとめ
夜中に騒ぐ猫を、「夜行性だから」とあきらめている飼い主さんは多いと思います。しかし猫は本来、夕方と明け方に活発になる動物です。
夜中に騒ぐ原因は、昼間の退屈や飼い主さんの反応、トイレの汚れや空腹、寝床の寒さなどが考えられます。飼い主さんが反応して起きてしまうのも実は原因のひとつです。
昼間の退屈を解消するだけでも、静かに寝てくれるかもしれません、猫の様子を見ながら対策を行ってください。ただ、夜中に騒ぐ行動の陰に病気が隠れていることもあります。いつもと違うと思ったら、動物病院を受診しましょう。