動物園の入場料がこんなに安い理由、気になったことはありますか?

動物園の入場料がこんなに安い理由、気になったことはありますか?

先日、家族で大阪に行ったついでに、天王寺動物園に立ち寄りました。チケットを買おうとすると、大人が500円、大阪市外の小中学生が200円のところ、寄付付き入園券として、それぞれ100円分上乗せがある600円、300円という区分があることを知りました。

夫婦ともに獣医師ということで、私たちは普段から動物のいる施設によく遊びに行きますが、公立の動物園の入場料の安さや寄付付きという選択肢があることにおどろきました。

そこで、動物園の入場料はどうしてこんなに安いのか、寄付付きの入園券が用意されていることも含めて、その背景が気になり、調べてみました。

この記事の目次

動物園の入場料はどのくらい安いのか

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一般的な遊園地や水族館の入場料が2,000〜3,000円台であることを考えると、動物園は全国的に価格が低めに設定されているところが多いです。

日本で有名な施設の入場料を並べてみると、その差がはっきりします(料金はいずれも2026年6月時点のものです)。

動物園(大人・通常料金)

  • 天王寺動物園(大阪):500円 (2026年7月1日より800円)
  • 上野動物園(東京):600円
  • 旭山動物園(北海道):1,000円

民間運営の動物施設になるともう少し値段が上がります。

  • 神戸どうぶつ王国(兵庫・民間):2,400円

水族館(大人・通常料金)

  • 美ら海水族館(沖縄・県営):2,180円
  • 海遊館(大阪・民間):2,700円前後(変動制)

同じ「動物を見られる施設」でも、動物園か水族館かや運営形態でこれだけの差があります。

中には、愛知県岡崎市の東公園動物園のように、大型動物を飼育しているにも関わらず、入場料は無料という動物園も日本にはたくさんあります。同園はかつてゾウを無料で見られることで親しまれてきました(現在ゾウは飼育されていません)。

動物園の入場料が安い理由

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公立動物園は「社会教育施設」として位置づけられ、税金による補助を受けています。

ただし、私立・民間運営の動物園やサファリパークは別で、アドベンチャーワールドのような施設は5,000円を超えることもあります。「動物園は安い」というのは、あくまで公立動物園の話です。

全国の多くの動物園は地方自治体が運営する公営施設で、税金による補助が入っているケースが大半です。天王寺動物園も、大阪市が設立した地方独立行政法人として運営されており、市の予算が運営を支えています。

日本動物園水族館協会(JAZA)に加盟している90の動物園において、大人の入場料が無料~2,000円台の施設は全体の3/4を占めています。このうち、公立施設71園の平均が約400円というから驚きです。

また、日本の動物園の入場料は世界的にみても低いと報告されています。

出典:https://www.tonzako.com/archives/5333

一方で、水族館の入場料が高い主な理由は設備コストです。

巨大水槽・ろ過システム・水温管理といった設備には、維持するだけで莫大な電気代と修繕費がかかります。さらに水族館は民間運営の施設が多く、収益で設備投資を回収しなければなりません。

入場料は何に使われているのか

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主な用途は以下の通りです。

  • 飼育員・獣医師の人件費
  • 動物のエサ代
  • 施設・設備の維持管理
  • 動物の医療費

来園者がゼロの日でも、動物のエサ代と人件費は変わらず発生します。そのため多くの公立動物園は、自治体の補助金・寄付・物販収入・ファンクラブ収入などを組み合わせて運営されています。

入場料は重要な収入源のひとつですが、それだけではすべてをまかないきれない施設がほとんどです。

天王寺動物園の応援制度は入園券以外にも

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天王寺動物園の応援制度も入園券だけではありません。

  • 会費制のファンクラブへの入会
  • 直接の寄付(遺贈、クラウドファンディングも含む)
  • 企業による事業を通じた支援
  • 「ほしい物リスト」への協力

ほしい物リストとは、動物が使うおもちゃや飼育用品などを動物園側がリストとして公開し、支援者が贈れる仕組みです。

参照:天王寺動物園公式サイト

寄付金の使い道

天王寺動物園のパンフレットによると、寄付金の使い道は大きく4つに分かれています。

動物福祉

飼育動物が健康で幸せに暮らせるよう、寝室の冷暖房設備や、動物本来の行動を引き出す飼育環境の整備に使われます。

調査研究(種の保存)

絶滅が危惧されている種を守るための繁殖・飼育技術の研究や、動物の導入、出産時の環境整備などに充てられます。

教育活動

野生動物の情報や、野生動物を取り巻く環境を伝える看板の作成などに使われます。

施設整備

動物福祉に配慮した新しい施設の建設・整備に使われます。今年4月には、新しくなったホッキョクグマ舎が披露されました。

全国の動物園に広がるサポーター制度

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天王寺動物園以外にも、上野動物園や葛西臨海水族館などの有名な動物園でも、サポーター制度を導入しています。

東京動物園協会(上野動物園・多摩動物公園など)

上野動物園などを運営する東京動物園協会には「動物園サポーター」制度があります。大人は1口10,000円から、中学生以下は1口500円から参加でき、個人では入園券2枚が進呈されたり、サポーターだけのイベントに参加できたりするなどの特典があります。

参照:
東京動物園協会公式サイト/上野動物園
東京動物園協会公式サイト/多摩動物公園

京都市動物園

京都市動物園は、4つのサポートメニューがあり、個人ではエサ代サポーターと提案型サポーターに参加できます。企業や団体では、上の2つの他に商品提携サポーターや看板広告サポーターといったコースもあります。

参照:京都市動物園公式サイト

神戸市立王子動物園

王子動物園にも、法人と個人の動物サポーター制度があり、個人の場合大人は7,000円から参加が可能です。

参照:神戸市立王子動物園公式サイト

全国の動物園が「来てもらうだけでなく、継続的に支えてもらう」仕組みを少しずつ整えてきていることがわかります。

天王寺動物園の感想

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天王寺動物園は「生態的展示」と呼ばれる展示スタイルの動物園です。動物が本来の生息地に近い環境の中で自然な行動をとれるよう設計されています。ただ動物を見せるのではなく、動物自身が動き、行動する姿を見せることを意識した作りです。

実際に歩いてみると、その設計がいろいろな所に感じられました。来園者が動物を見る位置や視線の角度が工夫されており、狭い隙間から覗き込むようにして動物を見る場所もありました。動物にとってのストレスを最小限にしながら、来園者にはリアルな姿を届けようとする工夫です。

サイの密猟についての展示は、密猟の背景を知らせる看板とともに模型の骨が地面に置かれており、看板だけよりもリアルに問題の深刻さを感じることができました。

レッサーパンダのエリアにはたくさんの人が集まっていました。ジャイアントパンダが中国に返還されて日本からいなくなった今、同じパンダの名を持つレッサーパンダへの注目が高まっているのかもしれません。小さな体で木の上をスイスイと動く姿は、とてもかわいらしく、見ていて飽きませんでした。

まとめ

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公立の動物園が500円という入場料が成り立つ背景には税金による補助があり、それでも入場料だけでは運営が難しいため、寄付やファンクラブ収入も組み合わせて運営されています。

つい「安くいろんな動物が見られてラッキー」と思いがちですが、動物たちが健康で、自然に近い環境でストレスなく暮らすためには、継続的な資金が必要です。

エサ代や医療費、動物たちが暮らすスペースの整備など入場料だけではまかないきれない部分を、寄付やファンクラブが支えています。「500円の安さ」の裏側を知ると、動物園での過ごし方が少し変わってくるかもしれません。

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