猫用のフードは種類が大変豊富で、どれを与えればいいのか迷ってしまいますよね。種類だけでなく、情報も多いので混乱するのではないでしょうか。
「いいフードと聞いて食べさせたのに下痢をした」「オーガニックがいいって本当?」など、悩みを抱えている飼い主さんも少なくありません。
今回は、猫のフード選びについて解説します。
この記事の目次
そのフード、愛猫に合っていますか?
基本的には、猫のライフステージに合ったフードで、よく食べ、健康状態が良好なら問題ありません。
ただ、単に「よく食べているから合っている」というわけではないので注意が必要です。極端な話ですが、「子猫なのに高齢猫用を毎日食べている」では栄養不足になってしまいます。
猫がどんなに喜んで食べていても、そのフードは合っていないのです。
基本的な選び方を見直してみましょう。
キャットフードの基本の選び方
まずは「総合栄養食」を選びます。「総合栄養食」とは、そのフードと新鮮な水があれば猫の健康が維持できるフードです。
パッケージに「副食」「一般食」と書いてあるものは、人間の食事でいえば「ふりかけ」のようなもの。嗜好性が高いのですが、それだけを与えていると栄養に偏りが出てしまいます。
「副食」や「一般食」はあくまでおまけと考え、総合栄養食をメインに与えてください。
オーガニックやナチュラル、グレインフードが必要?
「オーガニックやナチュラルのフードでなくてはダメ」と思っている飼い主さんもいるかもしれません。しかし、栄養的にはそこにこだわる必要はありません。
オーガニックなら安全?
オーガニックやナチュラルフードには、「AAFCO(全米資料検査官協会)認証」などと表記されている場合があります。
これはあくまで、原材料についての説明であり、フードそのものの安全を保障しているわけではないのです。
グレインフードは必ずしも健康ではない
猫は肉食だから、穀物の入っていないグレインフードがいいという意見もあります。
しかし、グレインフードはほとんどの場合、穀物の代わりに芋や豆などの炭水化物が含まれているため、猫によっては、カロリーオーバーになってしまう場合もあります。
また、肉だけをずっと食べていると、リンの摂取が増えて腎臓などに負担をかける恐れもあるのです。
迷ったら獣医師に相談を
フード選びに迷ってしまう場合は、動物病院で相談してみましょう。
年齢や体重、猫種、持病など、愛猫に合わせたフード選びのアドバイスがもらえます。
また、動物病院でおすすめのフードを販売してくれることもあります。
ウェットとドライどちらが正解?
猫の好みもあるため、ウェットでもドライでもどちらでも大丈夫です。
可能であれば、両方に食べ慣れさせておくのがおすすめです。どちらも食べ慣れておけば、ライフステージや体調の変化に応じてフードが変わっても、抵抗が少なくなります。
また、例えば災害時にドライフードしか支給されない場合でも、ドライフードに慣れていればすぐに食事ができるでしょう。
ウェットフードのメリット
ウェットフードは水分補給できるのが大きなメリットです。水をあまり飲まない猫でも、ウェットフードがあれば水分が摂れます。
未開封なら保存期間も長いので、非常持ち出し袋に入れておくのにも適しています。
留守番中は小分けに置いたドライフード、飼い主さんの在宅中はウェットフードなどと使い分けるのがおすすめです。
フードを食べて体調不良になったら動物病院へ
新しいフードを食べて下痢をしたり、皮膚をかゆがったりする場合、愛猫にはそのフードが合っていないのかもしれません。
または気づかないうちに、フードの品質が劣化している可能性もあります。
いろいろなフードを食べさせようと、いきなり変更しても下痢をしやすくなるのです。
病気の可能性も
体調不良の原因は、フードではなくて病気の可能性もあります。
また、環境の変化などですぐ下痢をする猫もいますし、ノミなどの寄生虫で体を痒がることもあります。
その場合、「下痢をしたからフードのせいだ、違うフードを食べさせよう」「かゆがるから合わない」では根本的な解決になりません。
体調不良が気になったら、まずは動物病院へ連れて行きましょう。
キャットフードの保存に注意
下痢や嘔吐の原因は、空気に触れることによる「酸化」かもしれません。
ドライフードのパッケージを開けて、輪ゴムで止めるだけのような保存方法では酸化を早めるので注意しましょう。
とくに日本の夏は、湿度も高いため品質の劣化が早まります。愛猫が1匹で一度にたくさん食べない場合などは、小分けタイプがおすすめです。大袋の場合は小分けしてジッパーつき保存袋に入れ、しっかり空気を抜いて保存してください。
また、たとえ袋を開けていなくても、キャットフードは品質管理がしっかりしたお店で買うようにし、冷暗所に保存してください。
フードの変更は時間をかけて
いきなり新しいフードを食べさせると、下痢をしやすくなります。今まで食べていたフードに少しずつ新しいフードを混ぜながら、1週間程度時間をかけて変更してください。
同じように見えるキャットフードも、微妙に栄養バランスなどが異なります。変更は慎重に行いましょう。
手作りは特別な日のお楽しみに
大切な愛猫のために、手作り食を食べさせたいという飼い主さんもたくさんいます。
たしかに猫が喜びますし、材料を飼い主さんがチェックできるメリットもあります。ただ、毎日となると大変なので、特別な日に食べさせるのがおすすめです。
手作り食は大変
どうしても手作り食を食べさせたい場合は、誕生日などに限定するのがおすすめです。手作り食を与える場合、猫に必要な栄養素しっかり勉強する必要があります。
タウリン不足にならないよう計算するなど、手間も時間も大変かかるのです。猫に食べさせてはいけない食材についての知識も必要になります。
犬のケースですが、インターネット上のレシピにはビタミンやミネラル不足、または過剰があったと報告されています。手作り食を食べさせたい場合は、手作り食に詳しい獣医師に相談しましょう。
キャットフードに慣れているとメリットがある
キャットフードを食べさせておくと、入院や災害など万が一の場合もご飯を食べさせやすくなります。ずっと手作り食を食べていると、キャットフードを受け付けなくなることもあるのです。
特に災害時、避難所などではキャットフードが支給されます。また、手作り食の食材が手に入らなくなる場合がほとんどでしょう。災害の多い日本では、キャットフードに慣れておくことも大切です。
まとめ
キャットフードは種類が多く、どれが愛猫にいいのか迷ってしまいますよね。まずは、猫のライフステージや体調に合った総合栄養食のフードを選びましょう。選び方がわからないときは、動物病院に相談するのがおすすめです。
手作りは、特別な日のお楽しみにしておくと栄養バランスも崩れません。キャットフードを食べ慣れていると、災害時も安心です。
ドライフードは酸化しないように、開封後は密閉容器に入れて冷暗所に保存します。小分けフードを選ぶと、新鮮な状態で食べられます。
フードを変更したあとに体調を崩したら、必ず動物病院を受診してくださいね。