2019年、Airbnbは「アニマル体験」という新しいカテゴリの展開に乗り出しました。これまでのAirbnbといえば民泊のイメージが強いですが、この「アニマル体験」では、動物をよく知るホストを通じて動物への理解を深めるさまざまなプランが提供されています。
アニマル体験のうち100件以上の体験は収益が非営利団体に寄付される「社会貢献体験」というカテゴリに属します。さらに、ワールド・アニマル・プロテクションの指導のもとで「動物愛護福祉ポリシー」を作成し、動物を傷つけたり、生態系にダメージを与えることがないよう配慮されています(これらについては後で詳しくご説明します)。
社会貢献や動物の福祉を考えたAirbnbの「アニマル体験」では、いったいどのような体験をすることができるのでしょうか。
この記事の目次
【シンガポール】ナチュラリストと行くナイトアドベンチャー
シンガポールの夜の森を、ナチュラリストが案内してくれる体験。オオコウモリ、フクロウ、森林アリ、ねぐら鳥、風変わりなバグ、さまざまな種のカエル、大きなカタツムリ、ヘビ、サソリなどに出会えるそうです。
シンガポールで森を探検できるなんて、ちょっと新鮮な感じがしませんか?
【アメリカ・ロサンゼルス】ホエール&イルカウォッチング
引用元:https://www.airbnb.jp/experiences/75117?source=p2&_set_bev_on_new_domain=1578098954_NDgzODMzNDY2NTU0
6人乗りの小さなボートでクジラやイルカを観に行く体験。大型船で行くよりも、クジラやイルカをより間近に感じることができます。
ホストは世界中の海を旅してきましたが、南カリフォルニアの海は特別だと語ります。
【南アフリカ・ケープタウン】ペンギンが住む浜までカヤックで
海洋保護の活動をしているホストと一緒に、カヤックを漕いでケープペンギンを見に行く体験です。ホストの人たちは、AfriOceans Conservation Allianceの教育長や、スキューバダイバーなど、海のことをよく知る人たちです。
美しい海をカヤックで渡り、ペンギンに出会い、ホストからサメなどの海の生き物の知識を学ぶことができます。
【イギリス・ロンドン】赤シカ、フクロウの撮影ツアー
野生動物の写真家と一緒に、ロンドンの南西に位置するリッチモンド公園で赤シカや小さなフクロウなどを撮影しに行く体験です。
リッチモンド公園は野生の鹿が多く生息していることで有名で、ホストはそんなリッチモンド公園の中でも鹿の美しい写真が撮れるスポットをよく知っており、それらのスポットに体験者を案内してくれるといいます。
【イギリス・スターリング】お茶目な羊とティーパーティー
美しいパノラマビューが楽しめるお庭で、イギリスの伝統的なティータイムをかわいらしい羊たちと過ごす体験。
おいしいホームメイドのケーキとティーをいただいた後には、羊たちと散歩に出かけます。冒頭でご紹介したYoutubeの動画もご参照ください。
【ドイツ・ベルリン】犬の訓練士体験
引用元:https://www.airbnb.jp/experiences/57042?source=p2&_set_bev_on_new_domain=1578098954_NDgzODMzNDY2NTU0
ホストは犬のお散歩のプロ。15匹の犬と一緒に散歩しながら、犬同士がどうコミュニケーションをとり、ケンカし、友達になっているのかを観察します。そして、ホストに犬がどうしたら話を聞いてくれるかを教わることができます。ペット福祉大国のドイツの自然の中で、上手な犬との関わり方を学んでみませんか。
【アメリカ・ワトキンズグレン】保護されたファーム・アニマルとふれあい体験
アメリカの農場で虐待、ネグレクトを受けている動物の保護を行っている非営利団体「Farm Sanctuary」で、保護された動物たちと触れ合う体験。ニューヨークとカリフォルニアに保護農場を設けており、アニマル体験ができるニューヨーク州の農場には牛、ヤギ、鶏、羊、ブタなど、800を超える数の動物が暮らしています。体験料はFarm Sanctuaryに寄付され、今後の保護活動に役立てられます。
【南アフリカ・ホウィック】絶滅危惧種のサマンゴモンキーの追跡
南アフリカの絶滅危惧種、サマンゴモンキーを観察しに行く体験です。20年以上野生動物の保護活動や観察を行ってきたホストから、ミステリアスな自然界の話を聞きながら、サマンゴモンキーを探します。樹の上に住み、すばしっこいサマンゴモンキーはプロでも見つけるのが難しく、体験中に必ず見られる保証はないといいますが、それ以外にも森に住む貴重な動物たちに出会えます。
「Airbnb動物福祉ポリシー」
Airbnbのアニマル体験は、動物を観光に取り入れるにあたり、動物を傷つけたり生態系を壊したりすることのないよう、世界規模の動物愛護団体「ワールドアニマルプロテクション」の指導のもとで、動物福祉ポリシーを作成しました。
動物福祉ポリシーの内容は以下のようなものです。
- 野生動物に直接触れることはできません(禁止事項には、動物をなでる、動物に餌をやる、動物に乗るなどを含みますが、これらに限定されません)。
- 使役動物には1頭につき1人だけ乗ることができますが(最大で動物の体重の20%まで)、働かせすぎは厳禁とします。
- 海洋哺乳類の拘束は厳禁とします。
- ホストは次の行為を行いません。象に乗ること、大型ネコ科動物とふれあうこと、野生動物の違法取引、キャンド・ハンティングやトロフィー・ハンティングなどの狩猟、娯楽を目的として動物に芸をさせることなど。
- 責任ある旅行を行うため、自撮りの小道具として野生動物を使用せず、苦痛を伴うしつけも行いません。
(引用:Airbnb Newsroom “Airbnbが「体験」の新カテゴリ、「アニマル体験」を発表”)
世界中の人がホストとして活動できるのがAirbnbの特徴ですが、その分決まり事がしっかりしていなければトラブルも起きやすいと言えるでしょう。動物福祉ポリシーのように、決まり事を作り、監視をしっかり行うことは非常に重要なことです。
アニマル体験に参加するにあたり注意すること
ホストの言語は要チェック
案内をしてくれるホストは主に、英語か現地の言葉を話します。動物がメインとはいえ、ホストの説明やホストとの交流もアニマル体験の大事な要素です。くれぐれも事前にホストの言語を確認してから申し込むようにしましょう。
動物は人間の思い通りには動いてくれない
特に野生の動物を観察するプランでは、天気などさまざまな事情があって現れてくれない可能性もあります。
人間に飼われている動物でも、思うように動いてくれないこともあるでしょう。
相手は動物であり、思い通りにいくわけではないことを理解した上で申し込みましょう。
まとめ
今回は、Airbnbが始めた「アニマル体験」をご紹介しました。
Airbnbのアニマル体験は全て、ワールドアニマルプロテクションの指導のもとで作られた動物福祉ポリシーに基づいてサービスが提供されており、その内容も動物や自然界への理解を深められるものとなっています。
動物好きのみなさんはぜひ、お気に入りの体験を見つけて参加してみてはいかがですか?