皆さん、社会化ってご存知でしょうか?
私はドッグトレーニングの勉強をするまで、全く知りませんでした。そんな飼い主さんが多いのではないでしょうか?この社会化、きっちり行えば、これからはじまる犬との生活を更に良いものにしてくれます。手遅れになる前に、今日は社会化について勉強してみたいと思います。
この記事の目次
社会化不足だとこんなことに
言葉の定義の前に、イメージしやすいように、社会化が十分にされていない場合、どんなことになるのか例をあげてみます。もちろん、社会化不足だけが原因というわけでもないケースもありますが、社会化不足だとこうなることが多いという程度に考えてください。
- カミナリが鳴った時、パニックになって走り回る
- たくさんの人がいるところ、たくさんの車が通るところで怯えてしまう
- 子供を見ると怯える
- 他の犬に向かって吠えたり、飛びかかろうとする
- 車に乗せようとしても乗らない、乗っても吠えて嫌がる
このように、挙げればキリがありません。
「うちの子、社会化なんてことは特に気にしたことはないけど、こんな症状見られないよ?」と思われる方もいるかもしれません。その場合、たまたま経験していた可能性があります。
例えば、私が飼っているワンコの場合、カミナリに怯えることは全くありません。当時は、社会化なんて知りませんでしたから、何か意識的にしたわけでもありません。では、なぜか?社会化期と呼ばれる時期に、たまたまカミナリの音を聞いて慣れていた可能性が高いからです。つまり、飼い主が意識していないだけで、カミナリの音については自然と慣らされていたことになります。
もし、あなたが意識して社会化をしていないのであれば、1つくらいは当てはまるところがあるのではないでしょうか?
社会化とは
もうおわかりだと思います。社会化とは、これから生活していく環境、つまり、その社会に慣れることを指します。
この社会化ですが、いつでも良いというわけではありません。ここが重要なポイントで、 社会化期 と呼ばれる ほんの数ヶ月間 に行うことが重要とされています。もちろん、犬種や個体差があるということは言うまでもありません。
社会化期のみをピックアップすると、一部の研究者により、 社会化期は概ね、生後4週齢〜13週齢 であると結論付けられています。つまり、生まれてから、大体1か月〜4か月以内くらいです。この時期に、社会化することが重要なのです。
私の飼っているワンコの場合、4月生まれで、7月くらいにゲリラ雷雨を経験しています。最近のこの時期はゲリラ雷雨の頻度も高いですし、家の中にいてもカミナリの音が聞こえてきますよね?
また、近所で花火大会がありますので、7月終わりくらいには花火の音も経験しています。どちらもちょうど、生まれてから3か月くらいで何度か経験していたため、何も怖いものではないということを自然に理解したのだと考えられます。
どうすれば良いのか
既にお気づきかと思います。私のワンコがカミナリを経験したように、これから一緒に住む環境に慣れる経験をたくさんさせてあげることが大事です。
例えば、社会化期には、以下のようなことをするのが良いでしょう。
- 一人でも多く、たくさんの人に会わせてあげましょう
- 老若男女、いろんな年齢、性別、人種の人に会わせてあげましょう(子供と会わせる場合は、犬が嫌がることをしないかしっかり見ていてください)
- 人に会うときは、できればおやつをもらいましょう(小さなカケラで良い)
- 犬や猫、たくさんの動物に会わせましょう
- 一緒にお散歩したり、抱っこして家の外の景色を見せましょう
- 車に乗ってお出かけしたり、交通量が多いところに住んでいる場合は、車を見せましょう
- 動物病院やペットサロンにもお出かけしてみましょう
- 踏切の音やカミナリの音、花火の音など、考えうる全ての経験をさせましょう
多くの犬や猫に会わせる際、ドッグランに行くというのも手ですが、ドッグランの場合は成犬も野放しになっていることが多く、いじめられてトラウマになる場合もあります。お金はかかってしまいますが、できれば専門スタッフが常駐して常に見ていてくれるような 犬の保育園 に入園させるほうが効果的です。
よく、子犬同士でじゃれ合って遊ぶ光景を見ますが、これを通じて噛む力の加減を覚えたり、犬同士のコミュニケーションを学んでいます。これらは、どうやっても人間が教えられるものではなく、犬通しのコミュニケーションを通じて覚える方が早くて確実です。
むすびに
成犬を譲り受けた場合は違うかもしれませんが、ペットショップから迎え入れた場合は、社会化期であることが多いと思います。
社会化期はほんの数ヶ月です。この多感で、色々な物事を吸収する社会化期に、たくさんの経験をさせて、これから十年以上続く、愛犬との楽しく幸せな生活を送るための土台を作りを始めましょう。